新株予約権者が権利を行使して株式の交付を受ける際の請求書。会社法第280条第1項の行使請求事項と第281条の払込み、行使に伴う変更登記の要点を扱います。

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新株予約権行使請求書

第1部: 書式本文

新株予約権行使請求書

【行使請求年月日】

【会社名】 御中

【新株予約権者の住所】 【新株予約権者の氏名又は名称】 印

私(当社)は、貴社が発行した下記新株予約権について、会社法第280条第1項の規定に基づき、その権利を行使することを請求します。

  1. 行使に係る新株予約権の名称: 【新株予約権の名称(第◯回新株予約権等)】
  2. 行使に係る新株予約権の数: 【行使する新株予約権の個数】個
  3. 新株予約権の目的である株式の種類及び数: 【株式の種類】【株式数】株
  4. 当該新株予約権の発行に関する取締役会決議(株主総会決議)の年月日: 【決議年月日】
  5. 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法: 【行使価額又は算定方法】
  6. 行使請求日(会社法第280条第1項第2号に定める行使をしようとする日): 【行使請求日】
  7. 払込みの方法: 会社法第281条第1項の規定により、下記払込取扱場所において、行使価額の全額を金銭で払い込みます。 払込取扱場所: 【払込取扱金融機関名・支店名・口座番号】 払込予定日: 【払込予定年月日】
  8. 株式の交付を受けるべき者の氏名又は名称及び住所: 【上記1に同じ、又は別途指定する内容】
  9. 新株予約権証券を発行している場合の証券番号: 【証券発行の有無及び番号(不発行の場合は「該当なし」)】
  10. 添付書類: 新株予約権証券(発行されている場合)、払込みを証する書面の写し、【印鑑証明書その他会社が指定する書類】

以上のとおり、会社法第280条第1項各号に掲げる事項を記載の上、新株予約権を行使します。行使の効力発生時期及び株主となる時期については会社法の定めるところによるものとし、貴社において新株予約権原簿への記載並びに必要な変更登記の手続を速やかに行っていただくようお願いします。

【新株予約権者の住所】 【新株予約権者の氏名又は名称】 印

(付記)本請求書は書面のほか、貴社が別途承諾する場合には電磁的方法による提供に代えることができるものとします。電磁的方法による場合は、貴社所定のシステム又は電子メールにより、上記記載事項と同等の内容を送信するものとします。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 新株予約権者(行使請求を行う本人)の場合

修正条文例:

私は、上記新株予約権の全部(一部)について行使価額の全額を、行使請求日である【年月日】までに指定の払込取扱場所へ払い込むこととし、払込みが完了した時点をもって株式の株主となることを了知の上、本請求書を提出します。一部行使の場合、残余の新株予約権【個数】個については引き続き権利を保有します。

一言解説: 行使請求は払込みと一体で効力が生じるため、払込期日・払込方法・払込先口座を具体的な数値で特定し、払込未了のまま株主として取り扱われる事態を避ける必要がある。一部行使の場合は残存する新株予約権の個数も明示しておくと後日の管理が容易になる。

B. 登記申請用(会社が変更登記の添付書類として用いる場合)

修正条文例:

本行使請求書及びこれに基づく払込みを証する書面は、【行使日を含む事業年度】における発行済株式総数及び資本金の額の変更登記の添付書類として使用する。行使により増加する資本金の額は、会社法第280条及び会社計算規則の定めるところにより算定した額【増加資本金額】円とし、資本準備金への組入額は【組入額】円とする。

一言解説: 登記添付書類として利用する場合、請求書単体では足りず、払込取扱金融機関が発行する払込みを証する書面と併せて保存する。行使日・払込日・増加株式数・増加資本金額の各数値に齟齬がないか、登記申請前に必ず突合する。

第3部: 書き方と法的ポイントの解説

本書式は、新株予約権者が保有する新株予約権を行使し、株式の交付を受けようとする場面で使用する。新株予約権の譲渡、放棄、無償取得条項に基づく会社側の取得・消却の場面には用いない。これらは別途の書式・手続が必要である。

根拠法令は、会社法第280条第1項(行使に際しての意思表示・記載事項)及び同法第281条(行使に伴う払込み)である。行使の効力発生時期や株主となる時期については会社法の定めるところによるため、条文の該当箇所を発行要項及び新株予約権割当契約と併せて確認する必要がある。行使に伴い発行済株式総数及び資本金の額に変動が生じる場合は、会社法の定める期間内に本店所在地を管轄する法務局へ変更登記を申請する義務が生じる。

実務でよくある失敗として、次のような例が挙げられる。第一に、行使価額の算定方法や払込期日の記載が曖昧なために払込みの完了時期が特定できず、株主となる時期に疑義が生じる例がある。対策としては、払込取扱場所・払込期日・払込金額を具体的な数値で請求書に明記し、払込みを証する書面を必ず保管することが挙げられる。第二に、新株予約権原簿上の新株予約権者と請求書提出者の氏名・住所が一致していない(相続や譲渡による名義変更が未了である等)まま請求を受け付けてしまう例がある。対策として、請求受付前に新株予約権原簿の記載を確認し、相違があれば名義変更手続を先行させることが望ましい。第三に、行使に伴う変更登記を法定期間内に申請せず登記懈怠となる例がある。対策として、行使が完了した日から逆算した登記スケジュールを社内の経理・法務担当間で共有し、担当者を明確にしておくことが有効である。

第四に、税制適格ストックオプションとして付与された新株予約権について、行使価額の年間合計額の上限や権利者要件を確認しないまま行使を受け付け、後日、税務上の適格性が失われるおそれが生じる例もある。対策として、行使請求を受け付ける段階で発行時の付与契約書に定める行使条件(行使価額の上限、行使期間、権利者の在籍要件等)を確認するチェック体制を整えることが有効である。

また、複数回に分けて一部行使が行われる場合には、行使のたびに新株予約権原簿の記載を更新し、残存個数と行使済個数の整合を都度確認する運用が求められる。会社側の事務フローとして、行使請求書の受領、払込みの確認、新株予約権原簿の更新、変更登記の要否判断という一連の流れを社内規程やチェックリストとして明文化しておくと、担当者が変わっても手続の抜け漏れを防ぎやすい。

なお、発行要項に行使価額の調整条項や行使期間の制限が付されている場合、その内容によって記載すべき事項や結論が異なり得るため、個別事案については専門家に確認しながら手続を進めることが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 行使する新株予約権の名称・個数・目的株式数を正確に記載したか
  • [ ] 行使価額及びその算定方法を記載したか
  • [ ] 行使請求日を明記したか
  • [ ] 払込取扱場所・払込方法・払込予定日を具体的に記載したか
  • [ ] 新株予約権証券発行の有無と証券番号を確認したか
  • [ ] 請求者の氏名住所が新株予約権原簿の記載と一致しているか
  • [ ] 発行要項に定める行使期間内であるか確認したか
  • [ ] 添付書類(払込みを証する書面等)を準備したか
  • [ ] 行使の効力発生時期を関係者間で共有したか
  • [ ] 行使に伴う変更登記の要否・期限・担当者を確認したか
  • [ ] 押印・署名欄に不備がないか