信託を用いた新株予約権の付与スキームを整理する覚書です。信託設定、交付基準、税務上の取扱いに関する留意点を確認します。提出先や保存期間の目安もあわせて整理しています。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

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信託型ストックオプションに関する覚書

第1部: 書式本文

信託型ストックオプションに関する覚書

委託者兼受益者候補確定権者【発行会社商号】(以下「甲」という。)及び受託者【受託者氏名又は名称】(以下「乙」という。)は、甲が乙との間で設定する信託(以下「本信託」という。)に関し、次のとおり覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。

第1条(目的) 本覚書は、甲が発行する新株予約権を信託財産とする本信託を設定するにあたり、信託の基本的枠組み、交付基準、受託者の権限及び義務、並びに税務上の留意事項を確認することを目的とする。

第2条(信託の設定方法) 本信託は、信託法第3条第1号に定める信託契約の方法により設定する。甲は、委託者として金銭【金〇〇円】を信託し、乙は受託者としてこれを引き受け、当該金銭をもって甲が発行する新株予約権【〇〇個】を取得する。

第3条(信託財産) 信託財産は、前条により取得された新株予約権及びこれに付随する権利、並びに信託期間中に生じる金銭その他の財産とする。

第4条(受益者の指定留保及びポイント制交付基準) 1. 本信託設定時において受益者は指定せず、甲が別途定める「新株予約権交付規程」(以下「交付規程」という。)に基づくポイント制の基準により、信託期間中の甲の役員又は従業員の貢献度に応じてポイントを付与する。 2. 交付規程に定める確定手続を経てポイントが確定した者を、乙が受益者として指定する。 3. 交付規程は、業績への貢献度、在籍期間、役位その他の客観的指標に基づき、恣意的な運用がなされないよう定めるものとする。

第5条(受託者の権限及び義務) 1. 乙は、信託財産である新株予約権を善良な管理者の注意をもって管理する義務を負う。 2. 乙は、甲の指図その他信託契約に定める手続に従い、受益者の指定、新株予約権の行使に関する事務を行う。 3. 乙は、自己の固有財産と信託財産とを分別して管理しなければならない。

第6条(受益権の帰属時期) 受益者として指定された者は、指定された時点において信託財産である新株予約権に係る受益権を取得する。

第7条(新株予約権の行使及び権利行使価額) 1. 受益者は、権利確定後、甲が定める行使条件(在籍要件、行使期間等)に従い新株予約権を行使することができる。 2. 権利行使価額は、信託設定時に定めた金額とし、以後の株式分割等の事由がある場合を除き変更しない。

第8条(税務上の取扱いに関する確認事項) 1. 甲及び乙は、本信託の設計及び運用にあたり、受益者が新株予約権を取得した時点又は権利行使時点における課税関係(給与所得課税を含む。)について、所得税法その他関係法令及び国税庁の公表見解を踏まえて検討したものであることを相互に確認する。 2. 甲は、税務上の取扱いについて疑義が生じた場合には、速やかに税理士等の専門家に確認するものとする。

第9条(信託の変更) 本信託の内容の変更は、甲乙協議のうえ、書面による合意によってのみこれを行うことができる。

第10条(信託の終了事由) 本信託は、次の各号のいずれかに該当する場合に終了する。 (1) 信託財産である新株予約権の全部が行使又は消滅したとき (2) 甲乙が合意により信託を終了させたとき (3) 信託法その他法令に定める終了事由が生じたとき

第11条(残余財産の帰属) 信託終了時に残存する信託財産は、甲に帰属するものとする。

第12条(秘密保持) 甲及び乙は、本信託及び本覚書に関して知り得た相手方の営業上・財務上の情報を、事前の書面による承諾なく第三者に開示してはならない。

第13条(有効期間) 本覚書の有効期間は、本信託の設定日から本信託の終了日までとする。

第14条(協議事項) 本覚書に定めのない事項及び本覚書の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠実に協議のうえ解決する。

第15条(合意管轄) 本覚書に関し甲乙間に紛争が生じた場合、【〇〇地方裁判所】を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上を証するため本覚書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各自1通を保有する。

【〇〇〇〇年〇〇月〇〇日】

(甲)【発行会社住所・商号・代表者名】  印 (乙)【受託者住所・氏名又は名称】    印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 発行会社(甲)の立場で有利にする修正

A-1. 交付基準の見直し裁量条項 「甲は、経営環境の変化その他相当の事由があると認めるときは、受託者に対する通知により交付規程の内容を変更することができる。」 一言解説: ポイント制の基準を会社側の裁量で見直せる余地を残すことで、事業計画の変更に柔軟に対応できるが、恣意的運用と評価されないよう変更事由を客観化しておくことが望ましい。

A-2. 退任者のポイント失効条項 「信託期間中に甲の役員又は従業員の地位を、甲の責めに帰すべき事由以外の理由により喪失した者が保有するポイントは、原則として失効するものとし、乙はこれに基づく受益者指定を行わない。」 一言解説: 早期退任者への付与を抑制し、インセンティブ設計の趣旨(貢献に応じた付与)を維持する目的の条項である。

B節: 受益者候補・受託者の立場で有利にする修正

B-1. 交付基準の事前開示・異議申立条項 「甲は、交付規程及びその変更内容を、ポイント付与対象者となり得る役員又は従業員に対し、変更の都度書面又は電磁的方法により開示するものとし、対象者は算定結果について甲に対して説明を求めることができる。」 一言解説: 交付基準の不透明な運用を防ぎ、受益者候補が自らの評価根拠を確認できるようにする条項であり、恣意的運用リスクの低減に資する。

B-2. 受託者の免責範囲の明確化条項 「乙は、甲の指図に従って行った行為について、乙に故意又は重過失がない限り、受益者及び甲に対して責任を負わない。」 一言解説: 受託者は善管注意義務を負う一方、交付基準の策定自体は甲の権限に属するため、乙の責任範囲を指図に従った事務処理に限定し、過大な責任を負わないようにする条項である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、未上場のベンチャー企業等が信託を用いて新株予約権を役員・従業員に将来交付するスキーム(いわゆる信託型ストックオプション)を導入する際に、委託者(発行会社)と受託者との間で締結する覚書を想定している。既に個別に新株予約権を直接付与する方式を採用している場合や、信託を利用しない通常型のストックオプションについては、本書式ではなく直接付与型の付与契約書を用いるべきである。

根拠法令の解説 信託の設定方法については信託法第3条各号に定めがあり、本書式は同条第1号の信託契約による方法を採用している。新株予約権の内容及び発行手続については会社法第236条以下に規定があり、信託財産として取得する新株予約権についても同条の規律に従う必要がある。税務上の取扱いについては所得税法上、新株予約権の権利行使益が給与所得として課税される場合があり、信託型ストックオプションについては国税庁が示す見解(交付時ではなく権利行使時に給与所得として課税されるとする考え方等)を踏まえた設計が必要である。租税特別措置法第29条の2に定める税制適格ストックオプションの要件を満たさない設計の場合、権利行使時に給与所得として課税され、株式譲渡時にも譲渡所得課税が生じる、いわゆる二重課税に近い税負担が生じ得る点に留意が必要である。

よくある失敗の解説 第一に、税制適格要件を満たさない設計のまま導入し、権利行使時に想定外の給与所得課税が生じるケースが見られる。信託型ストックオプションは制度上、税制適格の要件(付与決議、権利行使価額、行使期間等)を充足しない類型として設計されることが多く、課税関係についてあらかじめ税理士等の専門家に確認し、第8条のような確認条項を設けておくことが対策となる。第二に、交付基準(ポイント制)の算定方法が抽象的・恣意的であるために、後日、対象者から不公平を主張される事例がある。第4条第3項のように客観的指標に基づく旨を明記し、必要に応じて交付規程を別紙として添付することが望ましい。第三に、受託者の権限・義務規定を欠いたまま覚書を締結し、受託者の善管注意義務違反が生じた場合の責任関係が不明確になるケースがある。第5条のような受託者の義務規定を必ず設けるべきである。なお、信託型ストックオプションの税務上の取扱いについては行政解釈が変遷する可能性があるため、個別事案については税理士又は弁護士等の専門家に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  1. 信託の設定方法(信託契約・遺言・信託宣言のいずれか)を信託法第3条に照らして特定したか
  2. 信託財産となる新株予約権の発行手続が会社法第236条以下の規律に従っているか
  3. 交付基準(ポイント制)の算定指標が客観的で恣意性を排除できる内容になっているか
  4. 交付規程を別紙として添付し、対象者への開示方法を定めているか
  5. 受託者の善管注意義務及び分別管理義務が明記されているか
  6. 税制適格ストックオプションの要件を満たすか否かを税理士等に確認したか
  7. 権利行使時及び株式譲渡時の課税関係について社内外で共有できているか
  8. 受益者指定の手続及び時期が明確に定められているか
  9. 信託の終了事由及び残余財産の帰属先が明記されているか
  10. 退任者・休職者等が生じた場合のポイント失効又は継続の取扱いが定められているか
  11. 合意管轄及び協議条項が定められているか
  12. 監修担当の弁護士・税理士による最終確認を経ているか