商号や本店所在地の変更を取引先へ通知する書面です。変更日、契約上の表示の読替え、請求書等の宛名変更を案内します。社内の承認手続と証跡管理にもそのまま活用できます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
商号・住所変更通知書
第1部: 書式本文
商号・住所変更のお知らせ
【 年 月 日】
【取引先名称】 御中
【変更した当事者の変更後の商号】 (変更前商号: 【変更前商号】) 【変更後の本店所在地】 代表者 【代表者氏名】
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当社は【 年 月 日】をもちまして、下記のとおり商号及び本店所在地を変更いたしましたので、ここにご通知申し上げます。
記
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変更事項 (1) 商号 変更前: 【変更前商号】 変更後: 【変更後商号】 (2) 本店所在地 変更前: 【変更前住所】 変更後: 【変更後住所】 (3) 変更の効力発生日(登記完了日): 【 年 月 日】
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変更の根拠 本件変更は、会社法第911条第3項に定める登記事項である商号及び本店の所在地の変更登記(【 年 月 日】登記完了、法務局: 【管轄法務局名】)に基づくものです。変更の事実を証する登記事項証明書の写しを本状に添付いたします。
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既存契約への影響 本件変更は、当社の商号及び本店所在地の変更にとどまるものであり、貴社と当社との間で締結済みの契約(以下「既存契約」といいます。)における当事者としての同一性及び権利義務の内容には何らの影響を及ぼしません。既存契約上「【変更前商号】」との表記がある箇所は、【 年 月 日】以降、「【変更後商号】」と読み替えてご対応くださいますようお願い申し上げます。
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請求書・納品書等の宛名変更について 【 年 月 日】以降に発行する請求書、納品書、領収書その他の書類は、新商号及び新本店所在地にて発行いたします。貴社において当社を仕入先・取引先として登録されているシステム上の名称・住所につきましても、上記期日以降、変更後の内容へのご更新をお願い申し上げます。
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連絡先・振込先について 電話番号、メールアドレス及びお振込先口座に変更はございません。【ただし変更がある場合は別途「振込先口座変更通知書」等にて改めてご案内いたします。】
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お問い合わせ先 本件に関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。 【部署名・担当者名・電話番号・メールアドレス】
まずは書面をもってご通知申し上げます。今後とも変わらぬお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
【変更後商号】 【変更後の本店所在地】 代表者 【代表者氏名】 印
(添付書類: 登記事項証明書の写し1通)
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 変更した当事者の立場からの記載パターン
A-1. 商号のみを変更し、本店所在地は変更しない場合 「1. 変更事項」の(2)本店所在地の項目を削除し、見出しを「商号変更のお知らせ」に修正する。あわせて登記事項証明書には商号変更の登記事項のみが記載されていることを確認する。
A-2. 本店所在地の変更が管轄法務局の変更を伴う場合(本店移転による管轄区域の変更) 「2. 変更の根拠」に「本店移転に伴い、管轄法務局が【変更前法務局】から【変更後法務局】に変更されております。」を追記する。取引先が登記事項証明書を取り寄せる際の参照先を明確にする趣旨である。
A-3. グループ内の複数取引先へ一斉に通知する場合 冒頭の宛名を「各位」とし、「3. 既存契約への影響」の後に「本状は、当社と貴社との間の全ての既存契約に共通して適用されるものです。個別の契約につき別段のご確認が必要な場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。」を追加する。
B. 取引先の立場から確認・返信する場合の記載パターン
B-1. 変更内容の確認及び自社システムの更新完了を通知する返信文 「拝復 貴社商号・本店所在地変更のご通知、確かに拝受いたしました。当社システムにおける登録内容につきましては、【 年 月 日】付にて変更後の内容に更新済みであることをご報告申し上げます。今後とも変更後の商号にてお取引を継続させていただきます。」との返信雛形を用いる。
B-2. 契約書原本の当事者表示の訂正を求めたい場合 「なお、貴社と当社との間の【契約名称】(締結日: 【 年 月 日】)につきましては、原本の当事者表示を訂正する必要があるか、貴社のご意向をお伺いできますと幸いです。訂正が必要な場合は、別途変更契約書又は本通知書の写しを契約書に添付する形での対応を検討いたします。」との照会文を追加する。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本通知書は、商号又は本店所在地(住所)の変更を、既存の取引先に対して事後的に案内する場面で使用する。契約当事者変更(地位承継)覚書とは異なり、当事者そのものが別の法主体に交代するわけではなく、同一の法人が名称又は所在地を変更するにすぎないため、既存契約の当事者としての同一性は維持され、契約内容自体を変更する必要は原則として生じない。この点で、本書式は「通知書」であって「覚書」ではなく、相手方の署名押印による合意を必須の要素とはしていない。
根拠法令としては、会社法第911条第3項において、株式会社の設立登記事項として商号及び本店の所在場所が定められており、これらの変更は変更登記の対象となる。また、会社法第909条は、登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗することができない旨を定めている。したがって、商号変更や本店移転の効力自体は登記により生じるものではなく変更の事実自体で生じるが、登記が完了する前の段階では、その変更の事実を知らない善意の第三者(取引先)に対して変更の事実を主張(対抗)できない場合がある。実務上は、変更登記の完了を待って、又は変更登記の申請と並行して、速やかに取引先へ本通知書を送付し、登記事項証明書の写しを添付することで、変更の事実を客観的に証する資料を残しておくことが望ましい。
商号や本店所在地の変更それ自体は、契約当事者の同一性に影響を与えないため、既存契約を改めて締結し直す必要は原則としてない。もっとも、契約書上に旧商号が明記されている場合、将来的に契約書の原本を確認する際や、訴訟・登記手続などで当事者の同一性を証明する必要が生じた場合に備えて、本通知書及び登記事項証明書の写しを契約関連書類とともに保管しておくことが実務上推奨される。また、請求書や納品書などの帳票類については、インボイス制度(消費税法上の適格請求書等保存方式)との関係で、登録番号や氏名・名称の表示に誤りがないよう、新商号への切替時期を明確に案内することも重要である。
よくある失敗として、第一に、口頭やメールの簡易な連絡のみで済ませてしまい、登記事項証明書などの客観的な証跡を残さなかった結果、後日、取引先から変更の事実について疑義を呈されるケースが挙げられる。「2. 変更の根拠」及び添付書類の記載のように、登記事項証明書の写しを添付することが対策となる。第二に、請求書等の帳票の宛名切替時期を明示しなかったために、旧商号での請求書が発行され、取引先の経理処理上の混乱を招くケースがある。「4. 請求書・納品書等の宛名変更について」のように、切替の起算日を具体的に明記することが望ましい。第三に、振込先口座に変更がないにもかかわらず、通知書の文面が曖昧なために取引先が振込先変更と誤認し、確認の手間や誤送金のリスクが生じるケースがあり、「5. 連絡先・振込先について」のように変更の有無を明示的に記載することが有用である。契約書上の表示の取扱いや個々の契約類型における対応の要否については、個別の事案については専門家(弁護士等)に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 変更前・変更後の商号を正確に(誤字なく)記載したか
- [ ] 変更前・変更後の本店所在地を正確に記載したか
- [ ] 変更の効力発生日(登記完了日)を明記したか
- [ ] 登記事項証明書の写しを添付又は取得可能な状態にしたか
- [ ] 既存契約の当事者としての同一性に影響がない旨を明記したか
- [ ] 契約書上の旧商号表記の読替え方法を案内したか
- [ ] 請求書・納品書等の宛名切替の起算日を明記したか
- [ ] 振込先口座や連絡先に変更がある場合、その旨(又は変更がない旨)を明記したか
- [ ] 取引先が社内システム上の登録情報を更新する必要がある旨を案内したか
- [ ] 問い合わせ先(部署・担当者・連絡先)を明記したか
- [ ] インボイス制度上の登録番号や適格請求書発行事業者の名称表示に齟齬がないか確認したか