委託先の処理施設を実地確認した結果を記録する書式です。許可内容との整合、処理能力、保管状況、帳簿の確認項目を備えます。ひな型をもとに数分で自社仕様に調整できます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
処理施設現地確認記録書
第1部: 書式本文
処理施設現地確認記録書
確認実施年月日:【年月日】 確認場所(施設所在地):【処理業者名】【施設所在地】 確認実施者(排出事業者側):【氏名・所属】 立会者(処理業者側):【氏名・所属】
第1条(確認の目的) 本記録書は、【排出事業者名】(以下「当社」という)が、産業廃棄物の処理を委託している【処理業者名】の処理施設について、委託契約及び許可内容との整合、処理能力、保管状況等を実地に確認した結果を記録するものである。
第2条(許可内容との整合確認) 1. 許可の種類:収集運搬業/処分業(該当するものを記載) 2. 許可番号:【許可番号】、有効期間:【年月日】〜【年月日】 3. 許可品目と当社委託品目の一致:一致/不一致(不一致の場合はその内容を記載) 4. 施設の処理能力(許可上の数値):【数量/日】 5. 確認結果:許可証原本と現地の掲示内容が一致していることを確認した。/相違点【内容】
第3条(処理工程の確認) 1. 委託した品目【品目】の実際の処理方法:【焼却/破砕/中間処理/最終処分等、確認した内容を記載】 2. 処理工程が委託契約書別紙記載の処理方法と一致しているか:一致/不一致 3. 処理後の残渣・生成物の搬出先:【搬出先名称、許可の有無】
第4条(処理能力及び稼働状況の確認) 1. 確認日時点の処理待ち滞留量(概算):【数量】 2. 当社からの搬入量が施設の処理能力に照らして過大でないかの確認:確認済み/懸念あり(懸念内容【記載】) 3. 主要な処理設備(焼却炉、破砕機等)の稼働状況:【正常稼働/一部停止等】
第5条(保管状況の確認) 1. 保管場所の位置及び面積:【記載】(許可証記載の保管上限との整合を確認) 2. 保管高さ・囲い・掲示板の設置状況:廃棄物処理法施行規則第8条第1号等に定める基準への適合状況を目視で確認した。適合/不適合(不適合の内容【記載】) 3. 保管期間が原則1年を超える長期保管の有無:有/無(有の場合は理由及び対応状況を記載) 4. 飛散・流出・悪臭防止措置の状況:【記載】
第6条(帳簿書類の確認) 1. 廃棄物処理法第7条第15項に基づく帳簿の備付け状況:確認済み/未確認 2. マニフェスト(A票・B2票・D票・E票等)の写しと、施設内の受入記録との突合:一致/相違(相違内容【記載】) 3. 直近の行政による立入検査の有無及び指摘事項の有無:【有/無、有の場合は内容】
第7条(周辺環境への影響の確認) 1. 施設周辺の異臭、粉塵、騒音等の有無:【記載】 2. 排水・排ガスの測定記録の提示の有無:【有/無】
第8条(確認結果の総括) 1. 総合評価:問題なし/軽微な改善事項あり/重大な懸念事項あり 2. 改善を要する事項及び処理業者への申入れ内容:【記載】 3. 改善事項がある場合の是正期限及び再確認予定日:【年月日】
第9条(記録の保存及び共有) 1. 本記録書は、当社の廃棄物処理委託管理台帳とともに【5】年間保存する。 2. 重大な懸念事項が認められた場合、当社の管理責任者【役職名】に速やかに報告する。
確認実施者署名:【氏名】 印 処理業者側立会者署名:【氏名】 印
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 排出事業者の立場
排出事業者は、処理委託に関する注意義務(廃棄物処理法第3条第1項)を尽くしたことの裏付けとして現地確認記録を活用するため、確認の頻度・深度を契約や社内規程と連動させる記載が有利である。
Before:「確認結果:許可証原本と現地の掲示内容が一致していることを確認した。」 After:「確認結果:許可証原本の提示を受け、許可番号・有効期間・許可品目・施設所在地が現地掲示及び委託契約書の記載と一致していることを、写真撮影(添付資料【番号】)により記録した。次回確認は許可更新時期(【年月日】)を踏まえ【年月日】までに実施する。」 一言解説: 一致確認を一度きりの点検で終わらせず、次回確認予定日を明記することで、許可更新時期をまたぐ管理体制であることを記録上明示できる。
Before:「当社からの搬入量が施設の処理能力に照らして過大でないかの確認:確認済み」 After:「当社からの搬入量が施設の処理能力に照らして過大でないかの確認:当社の月間委託量【数量】が、施設の許可上の処理能力【数量/日】及び確認日時点の滞留量【数量】との対比において、施設の処理体制を圧迫する水準でないことを、処理業者からの資料提示に基づき確認した。今後、当社の排出量が【20】パーセント以上増加する見込みが生じた場合は、事前に処理業者と協議のうえ再確認を実施する。」 一言解説: 「確認済み」という結論のみでなく、根拠となる数値と今後の増量時の再確認ルールまで記載し、処理能力を超える委託による不適正処理のリスクを事前に管理する姿勢を記録に残す。
B節: 処理業者の立場
処理業者としては、現地確認が過度な業務妨害や営業秘密の開示要求にならないよう、確認の範囲と方法についてあらかじめ合意しておく修正が有利である。
Before:「確認実施者(排出事業者側)は、施設を実地に確認する。」 After:「確認実施者は、事前に処理業者と調整した日時(原則として通常の業務時間内)において、処理業者の立会いのもと、本記録書に定める確認項目の範囲内で施設を確認するものとし、他の委託者との取引に関する情報その他処理業者の営業秘密の開示を求めないものとする。」 一言解説: 確認範囲を本記録書の項目に限定し、営業秘密の取扱いを明確にすることで、処理業者が過度な情報開示を求められる事態を防ぐ。
Before:「重大な懸念事項が認められた場合、当社の管理責任者に速やかに報告する。」 After:「排出事業者が重大な懸念事項があると判断した場合、排出事業者は当該懸念事項の具体的内容を書面で処理業者に通知し、処理業者は通知受領後【10】営業日以内に事実確認の結果及び改善措置(該当する場合)を回答するものとする。当該回答を待たずに一方的な取引停止の判断を行わないよう努める。」 一言解説: 排出事業者側の一存で即時取引停止に至らないよう、処理業者の回答機会を確保する手続を設け、事実誤認による不当な取引停止を防ぐ。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、排出事業者が委託先の処理施設を実地に確認し、許可内容との整合、処理能力、保管状況、帳簿の備付け状況等を記録する場面で使用する。現地確認そのものは廃棄物処理法上排出事業者に直接義務付けられた行為ではないが、環境省の通知(「産業廃棄物の処理委託に関する契約書等について」等)においても、委託先の状況把握のための現地確認は排出事業者の適正な処理委託を確保する上で有用な取組みとして位置付けられており、排出事業者責任(廃棄物処理法第3条第1項)を具体的に果たす実務対応として広く行われている。
なお、不適正処理が判明した場合、排出事業者に対しても廃棄物処理法第19条の6等に基づき、生活環境保全上の支障の除去等の措置命令の対象となり得る場合があるとされており、日頃からの委託先の状況把握は、こうした事態を未然に防ぐ観点からも意味を持つ。もっとも、現地確認を実施したことが直ちに措置命令の対象外となることを保証するものではない点には留意が必要である。
よくある失敗として、第一に現地確認を契約締結時の一回のみで終わらせ、その後の許可更新や処理能力の変化を把握できないケースがある。対策として、本書式第9条・第2部A節のように次回確認予定日を記録上明示し、定期確認のサイクルを社内規程に組み込む。第二に、確認結果を口頭やメモ書きで済ませ、後日の説明資料として活用できないケースがあり、対策として写真撮影や許可証の写し取得など客観的な証跡を残す運用を第2条・第2部A節のように明記する。第三に、確認範囲が曖昧なまま実施し、処理業者との間で営業秘密の開示範囲を巡るトラブルが生じるケースがあり、対策として第2部B節のように確認項目と方法を事前に合意しておく。
現地確認の頻度や措置命令リスクの評価は個別の取引実態により異なるため、個別の事案については弁護士・行政書士等の専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 確認実施日、実施者、立会者を記録したか
- [ ] 許可証原本の提示を受け、許可番号・品目・有効期間を現地掲示及び委託契約書と照合したか
- [ ] 実際の処理工程が委託契約書別紙の処理方法と一致しているか確認したか
- [ ] 施設の処理能力と当社の委託量・滞留量の対比を確認したか
- [ ] 保管場所の面積・保管高さ・掲示板等の基準適合状況を確認したか
- [ ] 帳簿書類とマニフェストの受入記録の突合を行ったか
- [ ] 周辺環境(異臭・粉塵・騒音等)への影響を確認したか
- [ ] 改善を要する事項がある場合、是正期限及び再確認予定日を設定したか
- [ ] 確認結果の証跡(写真、資料等)を保存したか
- [ ] 次回の現地確認予定日を許可更新時期等を踏まえて設定したか