セット内容
- 就業規則付属規程(服務規律)Word形式
- SNS利用・私物端末業務利用に関する規定例
- 懲戒事由該当性チェックリスト
こんな場面で
就業規則本体とは別に、服務規律(遵守事項・禁止事項)部分を詳細化・独立させて運用したい事業者が規程を整備する場面。
特長
- 情報管理・SNS利用・兼業副業・社用物品管理など実務トラブルが多い項目を網羅
- 懲戒事由との対応関係を整理し、就業規則本体との矛盾を防止
- ハラスメント防止規程(harassment-boshi-kitei)と組み合わせて社内規程を体系化
就業規則付属規程(服務規律)(監修用ドラフト)
⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。
商品ID: shugyo-kisoku-hiho-kitei / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 事業者(社内規程層と共有)/規程厳格度: 大企業・中堅企業向け厳格版・中小企業向け簡易版
本ドラフトは、就業規則本体とは別に服務規律(遵守事項・禁止事項)部分を詳細化・独立させて運用したい事業者を想定した付属規程である。情報管理・SNS利用・私物端末業務利用・兼業副業・社用物品管理など実務トラブルが多い項目を網羅し、懲戒事由との対応関係を整理することで、就業規則本体との矛盾を防止することを目的とする。第2部で「大企業・中堅企業向け厳格版」と「中小企業向け簡易版」の差分を提示する構成とし、第1部には両者の中間的な標準構成をベース条文として掲載する。
第1部: 規程本文(標準構成)
服務規律規程
第1条(目的)
本規程は、〇〇株式会社(以下「会社」という。)の就業規則第〇条に基づき、従業員が遵守すべき服務規律の詳細を定め、もって職場秩序の維持及び業務の適正な運営を図ることを目的とする。
第2条(適用範囲及び就業規則との関係)
- 本規程は、会社の全ての従業員(正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイト、嘱託社員その他の名称を問わず会社と労働契約を締結する者をいう。以下「従業員」という。)に適用される。
- 本規程は就業規則の一部を構成するものとし、本規程に定めのない事項は就業規則本体の定めによる。本規程と就業規則本体の規定が抵触する場合は、就業規則本体の規定が優先するものとする。
第3条(誠実勤務の原則)
従業員は、法令、本規程、就業規則その他会社の諸規程を遵守し、上長の指示命令に従い、誠実にその職務を遂行しなければならない。
第4条(遵守事項)
従業員は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。 (1)勤務時間を厳守し、遅刻、早退又は無断欠勤をしないこと (2)職務上知り得た会社及び取引先等の秘密を保持すること (3)会社の名誉又は信用を損なう行為をしないこと (4)職場の整理整頓に努め、会社の施設及び物品を大切に扱うこと (5)自己の職務に関連する法令上の資格・許可等を保持し、必要な届出を行うこと (6)安全衛生に関する規程及び上長の指示を遵守し、労働災害の防止に努めること (7)職場において互いに人格を尊重し、ハラスメント防止規程その他の関連規程を遵守すること
第5条(情報管理に関する遵守事項)
- 従業員は、業務上知り得た会社の技術上・営業上の秘密情報及び顧客の個人情報(以下「秘密情報等」という。)を、会社の許可なく第三者に開示し、又は漏えいしてはならない。
- 従業員は、秘密情報等を、業務遂行の目的以外に使用してはならない。
- 従業員は、秘密情報等を含む書類、記録媒体その他の物件を、会社の許可なく社外に持ち出してはならない。
- 従業員は、在職中に知り得た秘密情報等について、退職後も前3項に準じてこれを保持しなければならない。
第6条(私物端末の業務利用に関するルール)
- 従業員は、会社が許可した場合を除き、私物のパソコン、スマートフォンその他の電子機器(以下「私物端末」という。)を業務に使用してはならない。
- 会社が私物端末の業務利用を許可する場合、会社は、当該私物端末について、セキュリティ対策(パスワード設定、生体認証、紛失時の遠隔データ消去機能の設定等)を講じることを条件とすることができる。
- 従業員は、私物端末に会社の秘密情報等を保存する場合、会社が指定するセキュリティ基準を満たす方法によらなければならない。
- 従業員は、私物端末の紛失、盗難その他秘密情報等が漏えいするおそれのある事態が発生した場合、直ちに上長に報告しなければならない。
第7条(SNS利用に関する規律)
- 従業員は、業務時間中は、業務上必要な場合を除き、ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)を利用してはならない。
- 従業員は、私的にSNSを利用する場合であっても、次の各号に掲げる行為をしてはならない。 (1)会社の秘密情報等を投稿し、又は第三者に推知させる行為 (2)会社、取引先、顧客又は他の従業員を誹謗中傷し、若しくはその名誉又は信用を毀損する投稿を行う行為 (3)会社の許可なく、会社の名称、商標若しくはロゴを使用し、又は会社を代表するかのような外観を伴う投稿を行う行為 (4)差別的表現、ハラスメントに該当する表現その他社会通念上不適切な表現を用いた投稿を行う行為
- 会社は、業務上SNSを利用する必要がある部署又は職務については、別途SNS運用ガイドラインを定めることができる。
第8条(兼業・副業)
- 従業員は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事し、又は自ら事業を営もうとするときは、あらかじめ会社に届け出て許可を得なければならない。
- 会社は、次の各号のいずれかに該当すると認める場合、兼業・副業を許可しないことができる。 (1)労務提供上の支障がある場合(過重労働による健康障害のおそれを含む。) (2)会社の秘密情報等が漏えいするおそれがある場合 (3)会社の名誉又は信用を損なうおそれがある場合 (4)競業により会社の利益を害するおそれがある場合
- 会社は、許可した兼業・副業についても、労働時間の通算その他の労務管理上必要な範囲で、従業員に対し状況の報告を求めることができる。
第9条(会社物品及び施設の利用)
- 従業員は、会社が貸与し、又は保有する物品(パソコン、事務用品、車両、備品等)を、業務遂行の目的以外に使用してはならない。
- 従業員は、会社の施設、設備及び物品を故意又は過失により毀損し、若しくは紛失してはならない。
- 従業員は、退職又は異動に際し、貸与を受けた物品を速やかに会社に返還しなければならない。
第10条(金銭・利益の授受の禁止)
従業員は、職務に関連して、取引先その他の関係者から、金銭、物品その他の利益の供与を受け、又はこれを要求してはならない。ただし、社会通念上相当と認められる範囲の儀礼的な贈答についてはこの限りでない。
第11条(政治活動・宗教活動の禁止)
従業員は、勤務時間中及び会社の施設内において、業務に関連しない政治活動又は宗教活動(署名活動、勧誘、物品の配布等を含む。)を行ってはならない。
第12条(ハラスメントの禁止)
従業員は、他の従業員、取引先の担当者その他会社の業務に関係する者に対し、ハラスメント防止規程に定めるハラスメントに該当する言動を行ってはならない。
第13条(懲戒事由との対応関係)
- 従業員が本規程に定める遵守事項若しくは禁止事項に違反した場合、会社は、就業規則の定めるところにより懲戒処分を行うことがある。
- 前項の懲戒処分の種類及び程度は、就業規則の懲戒規定によるものとし、違反行為の態様、頻度、会社に与えた影響の程度その他の事情を総合的に考慮して決定する。
- 本規程の各条項と就業規則上の懲戒事由との対応関係は、別紙「服務規律違反・懲戒事由対応表」のとおりとする。
第14条(指導及び是正の手続)
- 会社は、従業員が本規程に違反する行為を行ったと認める場合であって、直ちに懲戒処分を行うことが相当でないと判断するときは、口頭注意、始末書の提出又は訓戒による指導を行うことができる。
- 会社は、前項の指導を行うに当たり、当該従業員に弁明の機会を与えるものとする。
- 会社は、始末書の提出を求めた場合、当該始末書を人事記録として保管し、その後の懲戒処分の要否の判断に当たり参照することができる。
第15条(従業員の申告及び相談)
従業員は、本規程の運用に関して疑義がある場合又は他の従業員の違反行為を認知した場合、人事部門その他会社が指定する窓口に申告し、又は相談することができる。
第16条(規程の改廃)
本規程の改廃は、労働基準法第89条及び第90条に定める手続(従業員代表からの意見聴取及び所轄労働基準監督署長への届出)に従って行う。
第17条(施行期日)
本規程は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日から施行する。
以上
付属書式: 懲戒事由該当性チェックリスト
服務規律違反の疑いがある事案が発生した際、懲戒処分の要否・程度を検討する前提として、以下の各項目を確認することが望ましい。
- 違反行為が本規程のいずれの条項に該当するか特定できているか(第4条〜第12条のいずれか)
- 就業規則上の懲戒事由(けん責、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇等の区分)との対応関係を確認したか
- 違反行為の態様・頻度・継続期間を裏付ける客観的資料(ログ、書面、目撃証言等)を確保したか
- 会社に生じた実害又はそのおそれの程度を確認したか(秘密情報漏えいの場合は漏えい範囲・影響を含む)
- 行為者に故意又は重過失があったか、それとも軽微な過失にとどまるか
- 行為者に対する事前の注意・指導の有無及びその後の改善状況を確認したか
- 過去の同種事案があればその際の処分内容との均衡を確認したか
- 行為者に弁明の機会を与えたか、その内容を記録したか
- 処分内容が違反行為の程度に照らして重すぎないか(相当性の検討)
- 処分の公表・周知が必要な場合、被害者・行為者のプライバシーへの配慮ができているか
第2部: 立場別修正パターン(規程の厳格度によるバリエーション)
本商品は、企業規模・体制に応じて「大企業・中堅企業向け厳格版」と「中小企業向け簡易版」の2バリエーションを想定する。第1部は両者の中間的な標準構成であり、以下は各バージョンへ調整する際の差分(代替条文)である。
A. 大企業・中堅企業向け厳格版への変更
情報システム部門・コンプライアンス部門が独立して機能し、詳細な運用ルールを整備できる規模の企業を想定した加重修正。
A-1. 第5条(情報管理)に情報の格付け・アクセス権限管理を追加
追加条文例: 「会社は、秘密情報等をその重要性に応じて格付けし、格付けに応じたアクセス権限の設定及び管理を行う。従業員は、自己の職務上付与されたアクセス権限の範囲を超えて秘密情報等にアクセスしてはならない。」
解説: 情報の重要度に応じた段階的管理(公開情報・社外秘・厳秘等)は、大企業における情報セキュリティ管理体制の標準的な構成要素であり、不正競争防止法上の営業秘密該当性(秘密管理性の要件)を満たす上でも有用と考えられる。
A-2. 第6条(私物端末)にBYOD管理システムの導入を明記
追加条文例: 「会社が私物端末の業務利用を許可する場合、従業員は、会社が指定するモバイルデバイス管理(MDM)システムへの登録に応じなければならない。会社は、当該システムを通じて、業務データの分離管理、遠隔ロック及び遠隔消去を行うことができる。」
解説: MDM等のシステム的統制を前提とした管理体制は、私物端末利用に伴う情報漏えいリスクを低減する実務上の標準的手法として紹介される例が多い。導入・運用コストを踏まえ、中小企業では次善の策としてA-2相当の措置に代えて利用そのものを制限する運用(第2部B-1参照)を採ることもある。
A-3. 第8条(兼業・副業)に事前届出書の様式及び審査手続を追加
追加条文例: 「兼業・副業の届出は、所定の様式(兼業・副業許可申請書)により、従事する業務の内容、想定される時間数、契約形態を記載の上、人事部門を経由して行うものとする。会社は、必要に応じて労働時間の通算管理のため、兼業先における実労働時間の報告を求めることができる。」
解説: 副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)を踏まえ、労働時間通算による健康確保措置及び安全配慮義務の履行体制を整備することが、一定規模以上の企業では望ましいと考えられる。
A-4. 第13条(懲戒事由との対応関係)に懲戒委員会の審議を明記
修正後: 「懲戒処分の要否及び内容は、就業規則に定める懲戒委員会の審議を経て決定するものとする。」
解説: 懲戒処分は従業員の身分に重大な影響を及ぼすため、恣意的な判断を避ける観点から、複数名による審議体を経る手続を明記することが望ましいと解される(ハラスメント防止規程における同種の考え方と共通する)。
A-5. 第7条(SNS利用)に情報システム部門によるモニタリングを追加
追加条文例: 「会社は、業務用端末及び会社が貸与する通信機器について、情報セキュリティ上必要な範囲で、利用状況を確認することができる。この場合、会社は、あらかじめモニタリングの目的、範囲及び実施方法を従業員に周知するものとする。」
解説: モニタリングはプライバシー権との関係で慎重な運用が求められるため、目的の明確化及び事前周知が重要な要素になると考えられる。過度な監視は労働者のプライバシー侵害として争われる裁判例があることに留意が必要である。
B. 中小企業向け簡易版への変更
情報システム部門を専任で置くことが難しい中小企業を想定し、運用可能性を重視した簡略構成に調整する。
B-1. 第6条(私物端末)を原則禁止に簡略化
修正後: 「従業員は、私物端末を業務に使用してはならない。ただし、緊急連絡等やむを得ない場合において、上長の個別の許可を得たときはこの限りでない。」
解説: MDM等のシステム的統制を導入する体制が整わない中小企業では、私物端末の業務利用を原則禁止とし、例外的な利用のみ個別許可制とすることが、情報漏えいリスクの低減策として現実的な選択肢になり得ると考えられる。
B-2. 第5条(情報管理)を基本的な持出し禁止ルールに簡略化
修正後: 「従業員は、業務上知り得た秘密情報等を第三者に開示してはならない。書類・記録媒体の社外持出しは、上長の許可を得た場合に限る。」
解説: 情報の格付け等の高度な管理体制を整備することが難しい場合であっても、開示禁止及び持出し許可制という最低限のルールを明記することで、秘密情報の管理措置としての実効性を一定程度確保できると考えられる。
B-3. 第8条(兼業・副業)を届出様式なしの簡易許可制に変更
修正後: 「従業員は、兼業・副業を行おうとするときは、あらかじめ上長又は会社が指定する担当者に口頭又は書面により届け出て、許可を得なければならない。」
解説: 専用の届出様式や審査体制を整備することが難しい場合、届出方法を柔軟にしつつ、許可制自体は維持することで、労務提供上の支障や競業リスクを最小限のコストで管理することができると考えられる。
B-4. 第13条(懲戒事由との対応関係)の判断主体を代表者に簡略化
修正後: 「懲戒処分の要否は、就業規則の懲戒事由への該当性を踏まえ、代表者又は代表者が指名する者が判断する。」
解説: 懲戒委員会を組成する人員的余裕がない中小企業では、代表者主導の判断とすることが現実的であるが、代表者自身が事案の関係者である場合の除外規定を別途設けることが望ましい(ハラスメント防止規程の中小企業向け簡易版における同種の考え方を参照)。
B-5. 第14条(指導及び是正の手続)を口頭注意中心の簡易フローに変更
修正後: 「会社は、従業員の軽微な違反行為について、まず口頭による注意を行い、改善が見られない場合に始末書の提出を求めるものとする。」
解説: 段階的な指導記録を整備する体制が薄い中小企業では、口頭注意を基本としつつ、改善が見られない場合に書面化するという簡易な二段階フローとすることで、過度な事務負担を避けつつ最低限の手続保障を確保できると考えられる。
第3部: 逐条解説(購入者向け)
第1条・第2条(目的・適用範囲及び就業規則との関係) 本規程を独立した付属規程として運用する場合、就業規則本体との優先関係を明確にしておくことが重要である。就業規則本体に服務規律の概括的な規定(例:「従業員は法令及び会社の諸規程を遵守しなければならない」程度の抽象的規定)を残しつつ、詳細を本規程に委任する構成にすることで、本体の改定手続を経ずに実務的な運用細則(SNSガイドライン等)を柔軟に見直せる利点がある。ただし、労働基準法第89条により、服務規律に関する事項自体は相対的必要記載事項にとどまるため、本規程を設けること自体は任意である一方、いったん定めた場合は就業規則の一部として周知・届出の対象になる点に留意が必要である。
第4条(遵守事項) 包括的な誠実勤務義務の具体化であり、他の条項(第5条以下)で個別に規律される事項の総論的な位置づけを持つ。第7号でハラスメント防止規程への言及を置くことで、社内規程間の整合性を確保している。
第5条(情報管理)
不正競争防止法上の営業秘密該当性(秘密管理性・有用性・非公知性)を確保する観点からも重要な条項である。秘密情報等の範囲を規程上抽象的に定めるにとどめ、実際の運用では情報管理規程や個別の秘密保持誓約書(juyoin-hiitsuho-seiyaku等)と組み合わせて具体的な管理措置を講じることが望ましい。退職後も守秘義務が及ぶ旨(第4項)は、退職時に秘密保持誓約書を別途取得する運用と併用することで実効性が高まると考えられる。
第6条(私物端末の業務利用) いわゆるBYOD(Bring Your Own Device)に関する規律であり、テレワークの普及に伴い実務上の重要性が高まっている項目である。私物端末を業務に利用させること自体を禁止するか、一定のセキュリティ条件下で許可するかは、企業の情報システム管理体制によって現実的な選択肢が異なるため、第2部A・Bで示した2方向の対応のいずれを採るか、購入者の実情に応じた判断が必要である。
第7条(SNS利用) 従業員の私生活上のSNS利用にまで会社が介入することの可否は、業務との関連性の程度によって判断が分かれる論点である。第2項各号に列挙した行為類型は、いずれも会社の名誉・信用又は秘密情報の保護と関連する限度での規律であり、私生活全般を包括的に統制する規定にならないよう留意する必要がある。SNSでの不適切投稿を理由とする懲戒処分については、投稿内容と企業の社会的評価への影響の程度との相当性が問われた裁判例の集積があり、懲戒処分の量定判断において参照すべき重要な考慮要素となる。
第8条(兼業・副業) モデル就業規則(厚生労働省)の改定により、兼業・副業を原則容認する方向性が示されて久しいが、本規程では許可制を維持する構成としている。許可制を採る場合であっても、労務提供上の支障等の合理的な理由なく一律に不許可とする運用は、職業選択の自由との関係で問題視される可能性がある点に留意が必要である。副業・兼業の促進に関するガイドラインが示す労働時間通算の考え方は、事業者の実務対応において複雑な論点を含むため、購入者の業種・雇用形態に応じた検討を要する。
第9条・第10条(会社物品の利用・金銭利益の授受禁止) 横領・背任等の不正行為の予防及び懲戒事由の明確化を目的とする条項。第10条の「社会通念上相当と認められる範囲」の解釈は業種・取引慣行によって幅があるため、購入者において具体的な金額基準(例: 3,000円相当以下等)を内規で定めておくことが望ましい場合がある。
第11条・第12条(政治活動・宗教活動の禁止、ハラスメントの禁止)
職場の中立性・秩序維持を目的とする条項。第12条はハラスメント防止規程(harassment-boshi-kitei)と内容が重複するが、服務規律違反としての懲戒事由該当性を明確にする観点から、本規程にも重ねて規定することが望ましいと考えられる。
第13条・第14条(懲戒事由との対応関係・指導及び是正の手続) 服務規律違反と懲戒事由との対応関係を「別紙対応表」として整理する構成としている点が本商品の特長である。懲戒処分は、就業規則上の懲戒事由に該当すること(該当性)と、処分の重さが違反行為の程度に照らして相当であること(相当性)の両面から適法性が判断されるため、本規程の各条項がどの懲戒事由(けん責、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇等)に対応し得るかを事前に整理しておくことは、懲戒処分の有効性を担保する準備として重要な意味を持つ。始末書提出等の指導手続を経ることは、いきなり重い処分を科すことの相当性を否定される事態を避ける機能も果たす。
第16条(規程の改廃) 労働基準法第89条は、就業規則の絶対的必要記載事項(始業終業時刻、賃金、退職に関する事項等)と相対的必要記載事項(定めをする場合に記載を要する事項。服務規律・懲戒に関する事項もここに含まれ得る)を区別しており、本規程はこのうち相対的必要記載事項に該当する服務規律を独立させたものと整理される。相対的必要記載事項であっても、いったん定めた以上は就業規則の一部として、同法第90条の意見聴取手続及び所轄労働基準監督署長への届出の対象となる点に注意が必要である。
第4部: 監修者への確認依頼事項
- 第5条の情報管理条項について、不正競争防止法上の営業秘密該当性(秘密管理性)を主張する上で、本規程レベルの抽象的な規定に加え、情報管理規程・秘密保持誓約書等との併用を前提とすべき旨を第3部にどこまで明記すべきか確認いただきたい。
- 第6条の私物端末業務利用について、大企業向け厳格版(第2部A-2)で示したMDM導入を前提とする記載が、現在の実務水準・コスト感覚として中堅企業にも適用可能な一般的な例として妥当か確認いただきたい。
- 第7条のSNSモニタリング(第2部A-5)について、労働者のプライバシー権との関係で、目的の明確化・事前周知以外に追加すべき手続的要件(例: 従業員代表への説明、モニタリング結果の利用制限)がないか確認いただきたい。
- 第8条の兼業・副業に関する条項が、副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)の最新版の考え方(許可制の可否、労働時間通算の簡便な把握方法等)と整合しているか確認いただきたい。
- 第13条・第14条の懲戒手続について、「別紙 服務規律違反・懲戒事由対応表」のひな形を本ドラフトに含めるべきか、それとも別商品又は別紙オプションとして切り出すべきか確認いただきたい。
- 中小企業向け簡易版(第2部B-4)における代表者主導の懲戒判断について、代表者自身が事案の関係者である場合の除外規定を明記していない点が実務上問題ないか確認いただきたい。
- 本規程を就業規則の一部とするか独立した付属規程とするかにより、労働基準法第89条・第90条の届出実務(就業規則本体と一体で届け出るか、別規程として届け出るか)にどのような違いが生じるか、購入者向けの説明を追加すべきか確認いただきたい。
- ハラスメント防止規程(
harassment-boshi-kitei)との重複条項(第12条等)について、両規程を併用する購入者に向けて、矛盾なく整合させるための注記(優先関係の明記等)を追加すべきか確認いただきたい。