種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合等に開催する種類株主総会の招集通知。会社法第325条の準用規定と第322条の決議事項を踏まえた記載例を収録しています。

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種類株主総会招集通知

第1部: 書式本文

種類株主総会招集ご通知

【種類株主の氏名又は名称】様

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、当社は下記のとおり種類株主総会を招集いたしますので、ご出席くださいますようご通知申し上げます。

敬具

  1. 通知日 【20XX年X月X日】
  2. 通知の趣旨 当社が下記【会社法上の行為、例:第○回新株予約権の発行/組織再編行為/定款変更等】を行うことにより、貴殿が保有する【種類株式の名称、例:A種優先株式】の種類株主に損害を及ぼすおそれがあると認められるため、会社法第322条第1項の規定に基づき、当該種類株主を構成員とする種類株主総会を招集いたします。
  3. 開催日時 【20XX年X月X日 午前/午後X時】
  4. 開催場所 【本店所在地/会場名及び住所】
  5. 対象となる種類株式及び基準日 【種類株式の名称】、基準日 【20XX年X月X日】現在の当該種類株主名簿に記載又は記録された種類株主
  6. 会議の目的事項(議案) 【行為の内容を具体的に記載、例:「第○回A種優先株式に係る内容の変更に関する件」等】
  7. 決議要件の説明 本総会の決議は、会社法第324条第2項第4号の規定により、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(定款によりこれを上回る割合を定めた場合はその割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2以上(定款によりこれを上回る割合を定めた場合はその割合以上)に当たる多数をもって行う特殊決議によるものである旨をご案内いたします。
  8. 準用規定の説明 本種類株主総会の招集手続及び決議の方法等については、会社法第325条の規定により、株主総会に関する規定(招集通知の発送期限、書面又は電磁的方法による議決権行使、決議の省略等に関する規定を含む)が準用される旨をご案内いたします。
  9. 議決権行使書面の要否 【議決権行使書面を交付する場合はその旨及び返送期限、交付しない場合はその旨】
  10. 委任状による代理行使 貴殿が本種類株主総会にご出席いただけない場合は、他の種類株主を代理人として議決権を行使することができます。その場合は代理権を証明する書面をご提出ください。
  11. 添付書類 【参考書類名、例:議案の内容を記載した書面等】を添付いたします。
  12. お問合せ先 【担当部署名、連絡先電話番号・メールアドレス】

以上

【20XX年X月X日】 【本店所在地】 【会社名】 【代表取締役氏名】

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 種類株式発行会社(発行済みの種類株式が複数ある場合の招集通知作成の場面)

複数の種類の株式を発行している会社では、当該行為によって損害を及ぼすおそれがある「特定の種類株主」のみを対象に種類株主総会を招集する必要があり、他の種類の株主を誤って対象に含めてはならない。書き換え例として第5項に続けて、「なお、当社が発行する【他の種類株式名】の種類株主については、本行為により損害を及ぼすおそれがないと判断されるため、本種類株主総会の招集対象には含まれません」との一文を加えることで、対象範囲の画定根拠を明確化できる。あわせて、定款に会社法第322条第2項に基づく種類株主総会決議を要しない旨の定め(排除規定)が存在しないことを事前に確認し、その確認結果を社内記録として残しておくことが望ましい。

B. 株主宛(個々の種類株主に対する個別通知としての場面)

株主宛の個別通知としては、会社法第325条により準用される株主総会招集通知の発送期限(公開会社では総会日の2週間前まで、非公開会社では原則1週間前までなど、定款の定めにより異なる)を遵守する必要がある。書き換え例として第1項の通知日の直後に、「本通知は会社法第325条において準用する同法第299条第1項の規定に基づき、種類株主総会の日の【 】週間前までに発送するものです」との一文を追記し、発送期限の根拠を明示する。また、種類株主が少数である非公開会社の場合は、書面によらず口頭又は電磁的方法による通知が認められる場合もあるため、対象会社の公開会社該当性を確認したうえで通知方法を選択する必要がある。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面: 会社が新株予約権の発行、組織再編行為、定款変更その他の行為を行うことにより、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合において、会社法第322条第1項に基づき当該種類株主を構成員とする種類株主総会を開催する際の招集通知として使用する。通常の株主総会招集通知とは名宛人(対象となる種類株主に限定される)及び決議要件(特殊決議)が異なるため、両者を混同して流用することのないよう注意が必要である。

根拠法令: 会社法第322条第1項(種類株主に損害を及ぼすおそれがある行為についての種類株主総会決議の要否)、同条第2項(定款に別段の定め、いわゆる排除規定を置くことで種類株主総会決議を不要とできる旨)、同法第324条第2項第4号(種類株主総会の特殊決議要件、頭数要件と議決権数要件の双方)、同法第325条(株主総会に関する規定の準用)。

実務でよくある失敗と対策: (a) 定款にあらかじめ会社法第322条第2項に基づく排除規定(当該行為について種類株主総会決議を要しない旨の定め)が置かれているにもかかわらず、これに気づかず不要な種類株主総会を開催してしまう手続の重複が生じることがある。これを防ぐには、招集通知を作成する前に必ず定款の該当条項(通常は種類株式の内容を定める条項の末尾に置かれる)を確認し、排除規定の有無を社内チェックリストの必須項目とすることが有効である。 (b) 対象となる種類株主名簿の特定を誤り、招集通知を送付すべき種類株主の範囲を誤るケースがある。特に複数の種類株式を発行している会社では、損害を及ぼすおそれのある種類株式とそうでない種類株式を正確に区別する必要があり、第2部Aのように対象範囲の画定根拠を通知文上に明記することで誤送付を防止できる。 (c) 特殊決議要件(会社法第324条第2項第4号、議決権を行使できる株主の頭数の半数以上かつ当該株主の議決権の3分の2以上という二重の要件)を、通常の特別決議要件(同条第2項第2号等)と混同してしまい、決議の成立を誤って判断するリスクがある。第7項のように決議要件の内容を招集通知上に明記し、議決権行使の集計段階でも頭数要件と議決権数要件の双方を個別にチェックする運用が望ましい。

種類株主に損害を及ぼすおそれがあるか否かの判断や、排除規定の解釈は事案ごとに異なるため、個別事案については専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 予定している行為が会社法第322条第1項の「種類株主に損害を及ぼすおそれがある行為」に該当するか検討したか
  • [ ] 定款に会社法第322条第2項の排除規定が存在しないか確認したか
  • [ ] 対象となる種類株式及び種類株主名簿の範囲を正確に特定したか
  • [ ] 基準日を設定した場合、当該基準日現在の種類株主名簿と照合したか
  • [ ] 特殊決議要件(会社法第324条第2項第4号)を招集通知上に明記したか
  • [ ] 会社法第325条により準用される招集通知の発送期限を遵守しているか確認したか
  • [ ] 議決権行使書面又は委任状による代理行使の方法を案内したか
  • [ ] 通常の株主総会招集通知と混同していないか、名宛人・決議要件の違いを確認したか
  • [ ] 添付すべき参考書類の内容を確認したか
  • [ ] お問合せ先の記載及び連絡体制を整備したか