子の出生後8週間以内に最大4週間の休業を取得する場面で従業員が提出する様式。育児介護休業法第9条の2に基づき分割取得や休業中の就業希望も記載できる。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
出生時育児休業(産後パパ育休)申出書
第1部: 書式本文
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児介護休業法」という)第9条の2に基づき、下記のとおり出生時育児休業(産後パパ育休)を申し出ます。
- 申出日 【西暦】年【 】月【 】日
- 申出者(従業員) 所属【部署名】 氏名【氏名】 社員番号【番号】
- 対象となる子 氏名【子の氏名】 出生日(または出産予定日)【西暦】年【 】月【 】日
- 休業を取得しようとする期間(子の出生後8週間以内で通算4週間以内) 1回目: 【西暦】年【 】月【 】日 〜 【西暦】年【 】月【 】日(【 】日間) 2回目: 【西暦】年【 】月【 】日 〜 【西暦】年【 】月【 】日(【 】日間) ※分割は2回まで
- 申出のタイミング □ 原則(休業開始予定日の2週間前まで) □ 労使協定に基づく短縮措置の適用(1か月前までの申出等、雇用環境整備等の措置を上回る取組を行う場合)
- 休業中の就業を希望するか □ 希望する(その場合は別紙「休業中の就業可能日等申出書」を添付し、就業可能日・時間帯・業務内容を記載) □ 希望しない
- 休業中の就業に関する労使協定の有無 □ 労使協定により休業中の就業を可能とする定めがある □ ない
- 就業日等の合意状況(休業中に就業する場合) 会社からの提示日【西暦】年【 】月【 】日、従業員の同意日【西暦】年【 】月【 】日、同意書面の添付【有・無】
- 出生時育児休業給付金の申請意向 □ 申請を希望する(雇用保険の要件を満たす場合) □ 希望しない
- 申出者の署名 署名【署名】 連絡先【電話番号・メールアドレス】
- 添付書類 □ 母子健康手帳の写し □ 出生を証明する書類 □ 就業可能日申出書(該当する場合)
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 従業員側(申出用)
- 記載例: 第4項の休業期間欄に「本申出は分割2回のうち1回目であり、まとめて申し出るものとして育児介護休業法第9条の2第2項に基づき同時に2回分の期間を申請します」と付記する。 一言解説: 出生時育児休業の分割取得(2回まで)は、施行時に原則としてまとめて申し出ることが求められるため、2回分をまとめて記載する運用が実務上重要である。
- 記載例: 第6項で就業を希望する場合、「就業可能日は休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分以下とすることを希望します」と具体的な上限の希望を記載する。 一言解説: 休業中の就業には法令上の上限(休業期間中の所定労働日数の半分、所定労働時間の半分等)があり、従業員が希望を出す段階から上限を意識させることで後工程の調整がスムーズになる。
B. 会社側(就業日調整用)
- 記載例: 第7項・第8項に「労使協定の締結日【西暦】年【 】月【 】日、協定番号【 】」を追記し、就業可能日の提示は労使協定の範囲内であることを確認する欄を設ける。 一言解説: 休業中の就業を可能とするには、労使協定の締結に加え、事業主が就業可能日を申し出て従業員が個別に同意することが必要であり、労使協定なしに会社が一方的に就業を求めることはできない。
- 記載例: 第8項の末尾に「従業員は同意を撤回する場合、就業開始前日までに書面で申し出るものとする」との撤回手続を明記する。 一言解説: 出生時育児休業中の就業は従業員の個別同意が前提であり、同意の撤回手続を書式上に用意しておくことで、後日の同意の有効性をめぐる紛争を防げる。
- 記載例: 「就業可能日の提示にあたり、休業開始予定日の前日までに書面で従業員に候補日を提示し、従業員の同意を得た上で就業日を確定する」との手順を第8項に明記する。 一言解説: 就業日の確定プロセスを時系列で明文化しておくことで、休業開始直前の駆け込み的な就業依頼を避け、従業員が休業の実質を確保できるようにする。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、子の出生後8週間以内の期間内に、育児介護休業法第9条の2に基づく出生時育児休業(いわゆる産後パパ育休)を取得しようとする従業員が使用する。通常の育児休業(第5条)とは休業可能期間・分割回数・休業中の就業可否のいずれも異なる別制度であり、通常の育児休業申出書をそのまま流用してはならない。
出生時育児休業は、子の出生後8週間以内に通算4週間まで取得でき、分割は2回まで可能である点が特徴である。実務でよくある失敗の一つは、通常の育児休業と同様に「1か月前までに申し出ればよい」と誤解することである。第9条の2第3項により、出生時育児休業の申出期限は原則として休業開始予定日の2週間前までとされている(ただし、雇用環境整備等について法定を上回る取組を労使協定で定めている場合は、事業主は申出期限を1か月前までとすることができる)。本書式第5項で申出のタイミングの区分を明示し、この誤解を防ぐ。
二つ目の失敗例は、休業中の就業について労使協定の締結や従業員の個別同意を経ずに会社が一方的に就業日を指定してしまうことである。出生時育児休業は、他の育児休業と異なり労使協定を締結した場合に限り休業中の就業が認められ、かつ事業主が提示した就業可能日等について従業員が個別に同意する必要がある。本書式第7項・第8項でこの二段階の要件(協定の存在と個別同意)を分けて確認できるようにしている。
三つ目の失敗例は、分割取得の申出を別々のタイミングで受け付けてしまうことである。出生時育児休業の分割取得は原則としてまとめて申し出ることが求められており、本書式第4項で2回分をまとめて記載する構成としている。
なお、休業中の就業日数・時間には休業期間中の所定労働日数・所定労働時間の半分以下という上限があり、この計算方法や個別の同意の有効性については事案ごとに判断が異なり得るため、最終的な判断は弁護士等の専門家に確認することが望ましい。
四つ目の失敗例として、出生時育児休業と通常の育児休業を混同し、出生時育児休業を取得した期間を通常の育児休業の分割回数(原則2回)に算入してしまうケースがある。出生時育児休業は通常の育児休業とは別枠の制度であり、出生時育児休業を2回に分割して取得したとしても、その後にあらためて通常の育児休業を原則2回まで分割して取得することができる。本書式は出生時育児休業に特化した申出書であることを明示し、通常の育児休業の残回数管理とは別に取得状況を記録する運用が望ましい。
五つ目の失敗例は、出生時育児休業給付金の受給要件(休業中の就業日数が一定日数以下であること等)を確認せずに就業日を設定してしまい、結果として給付金が減額または不支給となるケースである。就業日数が一定の基準を超えると出生時育児休業給付金が支給されない場合があるため、本書式第9項の給付金申請意向欄と第6項〜第8項の就業日数の設定を突き合わせて確認する運用とすることが望ましい。休業中の就業をめぐる労使協定の内容や給付金の支給要件の当てはめは、雇用保険法令を含めた総合的な判断を要するため、最終的には弁護士等の専門家や社会保険労務士に確認することが望ましい。
本書式は主に子の出生直後という限られた期間を対象とするため、母親側の産後休業の状況とあわせて夫婦間の休業スケジュールを調整する目的でも活用できる。ただし、母体保護の観点から産前産後休業に関する労働基準法上の規律とは別制度であることを念頭に置き、本人(母親)の産前産後休業の手続を本書式で代替しないよう注意する必要がある。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 子の出生後8週間以内の期間内での申出であるかを確認したか
- [ ] 通算取得日数が4週間(28日)以内であるかを確認したか
- [ ] 分割取得の場合、2回以内であり、まとめて申し出ているかを確認したか
- [ ] 申出期限(原則2週間前、労使協定による特例は1か月前)を満たしているかを確認したか
- [ ] 休業中の就業を希望する場合、労使協定の締結の有無を確認したか
- [ ] 就業可能日等について会社の提示と従業員の個別同意を書面で確認したか
- [ ] 就業日数・時間が法定の上限(所定労働日数・所定労働時間の半分以下等)を超えていないか確認したか
- [ ] 出生を証明する書類の添付を確認したか
- [ ] 出生時育児休業給付金の申請意向を確認したか
- [ ] 同意の撤回手続を案内したか
- [ ] 申出者本人の署名(または記名押印)があるか
- [ ] 出生時育児休業と通常の育児休業の分割回数を混同していないかを確認したか
- [ ] 就業日数が出生時育児休業給付金の支給要件に影響しないかを確認したか
- [ ] 会社が求人時等に周知した雇用環境整備の措置と申出期限の特例の関係を確認したか