稼働率や復旧時間などの品質目標と未達時のサービスクレジットを定める文書。経済産業省「SaaS向けSLAガイドライン」を参考に測定方法を明確化する。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

SLA(サービスレベル合意書)

第1部: 書式本文

第1条(目的) 本合意書は、乙(提供者)が甲(利用者)に提供する【対象サービス名】について、品質目標(サービスレベル)及びこれが達成されない場合の措置を定める。

第2条(品質目標) 乙は、次の各号のサービスレベルを目標として運用する。 一 月間稼働率 【99.9】%以上 二 計画メンテナンスを除く障害発生時の初動対応時間 【〇時間】以内 三 重大障害の復旧目標時間(RTO) 【〇時間】以内

第3条(対象サービスの範囲) 前条の品質目標は、【対象サービス名】の本番環境に適用し、開発環境、検証環境その他の非本番環境には適用しない。

第4条(稼働率の算定方法) 稼働率は、当該月の総時間から、計画メンテナンス時間、不可抗力による停止時間及び甲の責めに帰すべき事由による停止時間を除いた時間を分母とし、実際にサービスが提供された時間を分子として算定する。

第5条(測定方法及び監視) 乙は、サービスの稼働状況を監視ツールにより常時計測し、甲の求めに応じて測定結果を開示する。

第6条(計画メンテナンス) 乙は、計画メンテナンスを実施する場合、原則として【〇日】前までに甲に通知する。緊急メンテナンスについては事後速やかに通知する。

第7条(サービスクレジット) 月間稼働率が第2条の目標を下回った場合、乙は、次の基準に従い、甲に対し当月の利用料金の一部を減額又は返金する(以下「サービスクレジット」という。)。 稼働率99.9%未満99.0%以上: 月額利用料の【5】% 稼働率99.0%未満95.0%以上: 月額利用料の【15】% 稼働率95.0%未満: 月額利用料の【30】%

第8条(サービスクレジットの請求手続) 甲は、稼働率の目標未達を知った日から【〇日】以内に乙に請求するものとし、乙は請求内容を確認のうえ、翌月以降の請求に充当する方法により処理する。

第9条(サービスクレジットと損害賠償の関係) サービスクレジットは、目標未達に対する唯一の救済手段とし、甲は、乙の故意又は重過失がある場合を除き、別途の損害賠償を請求しない。

第10条(適用除外) 甲の指定した利用環境の不備、甲による不正利用、第三者(通信事業者等)の提供する回線の障害その他乙の責めに帰すことができない事由による停止は、第4条の稼働率の算定及び第7条のサービスクレジットの対象から除外する。

第11条(見直し) 乙は、サービスレベルの目標値について、【1年】ごとに甲と協議のうえ見直すことができる。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 提供者向け

A-1. サービスクレジット上限の設定

修正条文例:「乙が当月に支払うサービスクレジットの総額は、当月の利用料金を上限とする。」 一言解説: サービスクレジットが利用料金を超えて累積することを防ぎ、提供者の損失を利用料金の範囲に限定する修正である。

A-2. 目標値の努力目標化

修正条文例:「第2条の各数値は乙が達成に努める目標値であり、これを保証するものではない。」 一言解説: SLA目標が法的な保証と解釈されるリスクを避け、努力目標であることを明確にする修正である。

B. 利用者向け

B-1. 重大障害時の追加補償

修正条文例:「連続して【〇時間】を超える全面停止が生じた場合、甲は、サービスクレジットに加え、当該停止によって生じた直接損害について、月額利用料金の【〇】倍を上限として損害賠償を請求できる。」 一言解説: サービスクレジットのみでは填補されない重大な障害時の補償を上乗せする修正である。

B-2. 報告義務の強化

修正条文例:「乙は、重大障害の発生後【24時間】以内に、発生原因、影響範囲及び再発防止策をまとめた報告書を甲に提出する。」 一言解説: 障害の原因究明と再発防止の実効性を高めるため、報告期限と報告内容を具体化する修正である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、クラウドサービスやSaaS、システム運用委託などにおいて、稼働率や障害対応時間といった品質目標と、未達時の金銭的な救済(サービスクレジット)を定める場面で用いる。無償トライアル版や、そもそも稼働率の測定基盤が整っていないサービスには適用しにくく、その場合は品質目標を努力目標として定めるに留めるべきである。

根拠法令 SLAは民法その他の法律に固有の定めがある契約類型ではなく、当事者間の合意によって内容が形成される契約自由の産物である。もっとも、経済産業省が公表する「SaaS向けSLAガイドライン」は、稼働率の算定方法、計画メンテナンスの扱い、サービスクレジットの設計等について実務上の指針を示しており、業界慣行を反映した内容として参照される。サービスクレジットを損害賠償の予定(民法第420条)と位置付けるか、単なる料金の減額措置と位置付けるかによって、他の損害賠償請求権との関係(併存の可否)が変わる点に留意する必要がある。また、事業者と消費者間の契約においては、消費者契約法第8条により事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は無効となるため、B2C向けのSLAでは責任制限の設計に特に注意を要する。

実務でよくある失敗と対策 第一に、稼働率の算定方法(分母・分子の定義)を定めずに「99.9%以上」とだけ記載し、障害発生時に算定方法を巡って対立する失敗がある。第4条のように計画メンテナンス等を除外した算定式を明記することが対策となる。第二に、サービスクレジットと損害賠償の関係を整理せず、サービスクレジットを受領した後に別途高額の損害賠償を請求され、提供者が二重の負担を負う失敗がある。第9条のようにサービスクレジットを唯一の救済手段とする限定を設けることが有効だが、故意・重過失の場合の例外は残す必要がある。第三に、サービスクレジットの請求期限を定めなかったため、数か月分の稼働率不足が事後的にまとめて請求され、提供者の資金繰りに影響する失敗がある。第8条のように請求期限を明記することが望ましい。

サービスクレジットの水準や責任制限の有効性は、提供するサービスの性質及び契約当事者(事業者間か消費者向けか)によって判断が異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 品質目標(稼働率、対応時間、復旧目標時間)を具体的な数値で定めたか
  • [ ] 稼働率の算定方法(分母・分子の定義、除外時間)を明記したか
  • [ ] サービスクレジットの算定基準及び上限を定めたか
  • [ ] サービスクレジットの請求期限及び手続を定めたか
  • [ ] サービスクレジットと損害賠償請求権の関係(併存の可否、故意重過失の例外)を整理したか
  • [ ] 計画メンテナンス・緊急メンテナンスの通知方法を定めたか
  • [ ] 適用除外事由(利用者側の不備、第三者回線の障害等)を明記したか
  • [ ] B2C向けの場合、消費者契約法第8条との抵触がないか確認したか
  • [ ] 重大障害発生時の報告義務(期限・内容)を定めたか
  • [ ] サービスレベル目標値の見直し手続を定めたか