痩身エステやフェイシャル機器の施術前に顧客から危険性の説明同意を得る書式。医師法上の医行為との線引きと薬機法の広告規制を踏まえ、効果の限界と禁忌を明示する。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
痩身・美容機器施術に関する同意書
第1部: 書式本文
【サロン名】(以下「当サロン」という。)は、下記の痩身・美容機器施術(以下「本施術」という。)を受けようとする【顧客氏名】様(以下「お客様」という。)に対し、次の各項目を説明し、お客様の自由な意思による同意を得るものとする。
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施術の名称・使用機器 【機器名・型番】を用いた【施術メニュー名】(例:キャビテーション、EMS、ラジオ波、光美容機器等)を実施する。
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施術の目的及び効果に関する説明 本施術は美容目的の役務提供であり、疾病の治療や医学的な痩身効果を保証するものではない。効果には個人差があり、施術回数・体質・生活習慣により結果が異なる旨をお客様は理解する。当サロンは、薬機法上の承認・認証等の範囲を超える効果効能を表示・説明しない。
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医行為に該当しない範囲であることの確認 本施術は医師法第17条にいう医業(医行為)に該当しない範囲で提供される。皮膚への侵襲を伴う施術、機器の出力設定変更を要する医療的処置、脂肪溶解注射等の医行為に類する行為は行わない。
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禁忌事項・施術をお断りする場合 妊娠中・授乳中である場合、心臓ペースメーカー等の体内医療機器を装着している場合、悪性腫瘍の既往、重度の皮膚疾患、感染症、発熱時、飲酒後、その他【機器メーカーが定める禁忌事項】に該当する場合は施術を実施できない。
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リスク・副作用の説明 一時的な発赤、むくみ、内出血、しびれ、痛み、機器接触部位のやけど様症状が生じる可能性がある。異常を感じた場合は直ちに施術を中止する。
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既往歴・服薬状況の申告 お客様は、施術に影響を及ぼす可能性のある既往歴、アレルギー、服薬状況、体調について事前に申告するものとし、虚偽申告により生じた不利益について当サロンは責任を負わない。
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施術前後の写真撮影・記録 効果測定・記録目的での施術前後の撮影の可否について、【同意する・同意しない】のいずれかにお客様がチェックする。
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中途中断・キャンセルの取扱い 施術中にお客様の申出により中止する場合の取扱い、既払金の精算方法を定める。
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個人情報の取扱い 申告内容及び撮影画像は施術目的の範囲でのみ利用し、第三者提供は行わない旨を説明する。
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アフターケアの説明 施術当日の飲酒・激しい運動・長時間の入浴を控えること、水分摂取の推奨、赤みやむくみが数日続く場合の連絡先など、施術後の注意事項を説明する。
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未成年者に関する取扱い お客様が未成年である場合、保護者の同席又は保護者による同意署名を必須とする旨を記載する。
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同意日・署名欄 【年月日】【お客様署名】【未成年の場合:保護者署名】【担当施術者署名】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. エステサロンの立場から
A-1 免責範囲の明確化 「禁忌事項に該当するにもかかわらずお客様が申告を怠った場合、当該申告漏れに起因する損害について当サロンは責任を負わない」との一文を追加すると、申告義務違反時の免責が明確になる。ただし説明義務そのものを免れるものではない点に留意する。
A-2 効果表示の限定 「効果には個人差があり、施術○回で必ず効果が得られることを保証するものではない」と数値目安を避けた表現にすることで、景品表示法上の優良誤認表示の指摘リスクを下げられる。
A-3 施術中止時の対応の明確化 「施術中にお客様の申出又はスタッフの判断により中止した場合、それまでに提供した役務の対価を除いた残額を返金する」と規定することで、途中終了時の精算基準を事前に明確にし、返金範囲を巡る口頭でのやり取りによる誤解を防止できる。
B. 顧客の立場から
B-1 説明を受ける権利の明記 「お客様は施術内容・リスク・禁忌事項について質問し、十分な説明を受ける機会を保証される」との条項を加えることで、説明不足によるトラブル時の主張根拠を確保できる。
B-2 中止・返金条件の具体化 「施術中に体調不良を訴えた場合、直ちに中止し、未消化分の代金は速やかに返金する」旨を明記すると、返金交渉の際の根拠になる。曖昧な「サロンが定める基準による」との記載は顧客に不利になりやすい。
B-3 追加提案への同意範囲の限定 「本同意書は申込時に選択した施術メニューの範囲についてのみ有効であり、施術中に勧誘された追加オプションや物販への同意を含まない」と明記することで、施術中の強引な追加提案・当日契約の押し付けから顧客を守る根拠にできる。
第3部: 書き方と法的ポイントの解説
本書式は、エステサロンが痩身・フェイシャル等の美容機器施術を実施する前に、施術内容・限界・リスクを説明し同意を得る場面で使用する。皮下組織への注入や切開を伴う施術、医療機器承認を要する出力レベルでの照射など、医師法上の医業に該当し得る行為には使用してはならず、その場合は医療機関での医師法・医療法に基づく説明同意手続によるべきである。
根拠法令としては、医師法第17条(無資格者による医業の禁止)、医薬品医療機器等法(化粧品・美容機器の効果効能の標榜範囲及び広告規制)、景品表示法(優良誤認表示の禁止)が中心となる。美容機器は多くが雑貨扱いであり、医療機器としての承認を受けていない場合、治療的な効果効能を広告・説明に用いることは薬機法上問題となり得る。
実務でよくある失敗として、第一に、施術メニューの説明文で「脂肪細胞を破壊」「医療級の効果」といった医学的表現を用い、薬機法・景品表示法上の指摘を招くケースがある。対策として、同意書内の効果説明欄は「個人差がある」「一時的な引き締め感」等の穏当な表現にとどめる条項設計が有効である。第二に、禁忌事項の確認を口頭のみで済ませ、後日「聞いていない」との紛争になるケースがある。対策として、既往歴・体調申告欄を書面化し署名を得ることで、説明及び申告の事実を記録として残す。第三に、写真撮影の同意取得が曖昧で、SNS等での利用時にトラブルとなるケースがある。撮影目的・利用範囲を同意書上で選択式にし、個別同意を明確化することが望ましい。
第四に、未成年者への施術において保護者の同意取得を省略し、後日保護者から「知らない間に施術を受けさせられた」とのクレームを受けるケースがある。対策として、申込時に年齢確認欄を設け、未成年の場合は保護者の同席又は保護者署名を必須とする運用を同意書上に明記する。
なお、施術内容や機器の性質によって医行為該当性の判断は個別事案ごとに異なるため、導入予定の機器・施術メニューについては個別に専門家へ確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 使用する機器の名称・型番・出力範囲を記載しているか
- [ ] 医行為に該当しない範囲の施術であることを確認したか
- [ ] 効果効能の表現が薬機法・景品表示法に抵触しない穏当な内容になっているか
- [ ] 禁忌事項の一覧が機器メーカーの取扱説明書と整合しているか
- [ ] 既往歴・服薬状況・妊娠有無の申告欄を設けているか
- [ ] リスク・副作用の説明欄を具体的に記載しているか
- [ ] 施術前後の撮影同意を個別に取得する欄があるか
- [ ] 中途中断時の返金・精算ルールを明記しているか
- [ ] 署名日・お客様署名・担当者署名の欄を設けているか
- [ ] 未成年者の場合の保護者同意欄の要否を検討したか