訴訟代理人に訴訟行為を委任する書面です。訴えの取下げや和解、上訴など特別授権事項の記載方法を整理します。提出先や保存期間の目安もあわせて整理しています。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

訴訟委任状

第1部: 書式本文

委 任 状

委任者 【住所】 【委任者氏名(法人の場合は商号及び代表者名)】

私は、下記の者を訴訟代理人と定め、下記事件について、次の権限を委任します。

受任者 【所属事務所名】 弁護士 【受任者氏名】

事件の表示 【裁判所名】【令和◯年(ワ)第◯号】【事件名】事件 当事者 原告【原告氏名】 被告【被告氏名】

委任事項 1 上記事件についての訴訟行為一切 2 反訴の提起 3 訴えの取下げ、和解、請求の放棄及び認諾 4 控訴、上告及びこれらの取下げ 5 復代理人の選任 6 強制執行、仮差押え及び仮処分に関する一切の行為 7 弁済の受領 8 目的物の受領 9 相手方の提起した訴え、控訴若しくは上告又は行った仮差押え若しくは仮処分の申立てについての次に掲げる行為 (1) 訴えの取下げについての同意 (2) 控訴、上告の取下げ 10 費用額確定処分の申立て及びこれに関する一切の行為 11 訴訟費用額確定処分に対する執行文の付与申立て 12 供託及び供託物の取戻し 13 手形・小切手の呈示及び支払の受領 14 【その他個別に必要な特別授権事項があれば記載】

上記のとおり委任します。

なお、本委任状記載の権限は、上記事件の第一審から控訴審、上告審に至るまで、審級ごとに別途委任状を作成しない限り、当該審級においてのみ効力を有するものとします。

【令和◯年◯月◯日】

委任者 【住所】 【委任者氏名】 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 委任者(当事者)の立場から

委任者が個人ではなく法人である場合は、冒頭の委任者欄を「【本店所在地】/【商号】/代表者【代表取締役 氏名】」の形式に改め、末尾の署名欄にも代表者の記名押印(会社実印または届出印)を用いる。理由は、法人の意思表示は代表者を通じてなされる必要があり、担当者個人の押印では委任の有効性が争われるおそれがあるためである。

委任者が複数(共同原告・共同被告)の場合は、委任事項の直前に「委任者ら」との文言を用いるか、委任者ごとに委任状を分けて作成する。共同訴訟人の一部のみが授権していないと解される事態を避けるため、全員の署名押印を得るか、各自別葉で作成する対策が望ましい。

紛争が高額かつ複雑な事案(反訴が見込まれる、強制執行まで一体で依頼する等)の場合は、委任事項の6・9の強制執行・仮差押え・仮処分に関する授権を明確に含めることが特に重要となる。これらは民事訴訟法55条2項各号に列挙される特別授権事項に準ずるものであり、記載を欠くと執行段階で改めて委任状の徴求が必要になる。

B節: 受任者(代理人)の立場から

受任者側で委任状を作成・確認する際は、委任事項5「復代理人の選任」の授権の有無を必ず確認する。事務所内での事件処理体制上、他の弁護士に一部対応させる可能性がある場合には、この授権を欠くと復代理人による訴訟行為が無権代理となるリスクがあるため、事前に委任者へ説明のうえ授権を得る必要がある。

緊急性が高い事案(期日が差し迫っている、保全命令の申立てを急ぐ等)では、委任状の徴求前に口頭で受任し、後日委任状を追完する運用が実務上行われることがあるが、この場合は「本委任状は【令和◯年◯月◯日】の口頭による委任内容を追完するものである」旨の付記を加え、追完の経緯を記録に残しておくことが望ましい。

相手方が法人である場合、受任者は委任事項9の「相手方の提起した訴え等についての同意」の範囲を確認し、相手方の訴訟代理人からの取下げ同意要請等に迅速に対応できるよう、委任者との連絡体制(緊急連絡先の明記等)を委任状とは別に整えておくことが実務上有用である。

事件が控訴審・上告審に移行する場合、審級ごとに委任状の効力が及ぶかは運用により異なるため、受任者は控訴提起前に改めて委任状を徴求するか、第一審委任状に「控訴審においても本委任状の効力を及ぼす」旨の一文があるかを確認し、欠けている場合は追加の委任状を準備する対策を取るべきである。

C節: 場面バリエーション(委任者が複数の法人グループである場合)

親会社と子会社が共同被告となる事案では、委任者欄をグループ会社ごとに分け、各法人の代表者が個別に記名押印する形式とする。連名で一通にまとめると、いずれかの法人の意思確認が不十分なまま提出されるリスクがあるため、法人ごとに独立した委任状を作成し、それぞれ受任者に交付する運用が望ましい。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

訴訟委任状は、訴訟代理人が裁判所及び相手方に対して代理権を証明するために用いる書面であり、訴え提起、応訴、上訴等の各審級における最初の準備書面提出や期日出頭に先立って裁判所に提出する。他方、単なる事実行為の代行(交渉窓口の一本化等)や、裁判外の和解交渉のみを依頼する場合には、訴訟委任状ではなく別途の委任契約書や委任状(訴訟外用)を用いるべきであり、訴訟委任状を代用することは委任事項の範囲を誤解させる原因となる。

根拠法令として、民事訴訟法55条1項は訴訟代理人の訴訟追行に関する一般的代理権を定め、同条2項は反訴、訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾、上訴の提起・取下げ、復代理人の選任等について、特別の委任(特別授権)がなければ行うことができない旨を規定している。したがって、これらの行為を代理人に行わせる予定がある場合は、委任状に明示的な記載を欠かすことができない。また、委任契約自体については民法643条以下の委任の規定が適用され、委任者はいつでも委任契約を解除できる(民法651条)一方、代理人に不利な時期の解除については損害賠償の問題が生じ得る。

よくある失敗の第一は、特別授権事項の記載を包括的な「訴訟行為一切」のみで済ませ、和解や取下げ等の個別列挙を省略することである。裁判所によっては個別列挙のない委任状では特別授権の存在を認定しない運用があるため、委任事項欄に民事訴訟法55条2項各号に対応する行為を逐一列挙する対策を取るべきである。

第二の失敗は、事件の表示が不正確なため、複数係属している事件のいずれに関する委任か特定できないことである。裁判所名・事件番号・当事者名を委任状作成時点で正確に転記し、事件番号が未定の訴え提起段階では「【訴え提起予定・事件番号は追って補充】」と明記する対策が有効である。

第三の失敗は、委任者の記名押印が担当者印にとどまり、法人としての代表権限を確認できないことである。登記事項証明書上の代表者と一致する記名押印を得る、または委任状に代表者印を用いる対策により、代理権の有効性についての疑義を避けることができる。

第四の失敗は、控訴審・上告審への移行時に第一審の委任状のみを流用し、新たな委任状を徴求しないまま訴訟行為を行ってしまうことである。審級ごとに代理権の及ぶ範囲について解釈が分かれ得るため、控訴提起前に委任状の効力範囲を確認し、疑義がある場合は新たな委任状を取得する対策が安全である。なお、委任事項の範囲や特別授権の要否については事案により異なるため、個別事案については弁護士等の専門家に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  • 裁判所名・事件番号・事件名・当事者名が正確に記載されているか
  • 委任者が法人の場合、商号・本店所在地・代表者名が登記と一致しているか
  • 委任事項に民事訴訟法55条2項の特別授権事項(取下げ・和解・上訴等)が個別列挙されているか
  • 復代理人の選任に関する授権の要否を確認したか
  • 共同訴訟人がいる場合、全員分の委任状または連署が揃っているか
  • 委任者の記名押印が届出印・実印等、代理権を証明できる印章であるか
  • 作成日付が訴訟行為(訴え提起・期日出頭等)の前になっているか
  • 強制執行・保全命令に関する授権を含める必要があるか検討したか
  • 口頭受任から委任状徴求までに時間差がある場合、追完の経緯を記録したか
  • 相手方への同意(取下げ同意等)に関する授権範囲を確認したか
  • 審級(控訴審・上告審)ごとに委任状の効力範囲を確認したか
  • 復代理人選任の可能性がある場合、委任者への事前説明を行ったか
  • 委任者が複数法人にまたがる場合、法人ごとに委任状を分けて作成したか
  • 供託物取戻しや執行文付与申立て等、周辺手続の授権漏れがないか
  • 委任状の原本を裁判所提出用と事務所保管用で複数準備したか
  • 委任者の押印が印鑑登録証明書上の印影と一致するか必要に応じ確認したか
  • 事件の表示欄に記載した内容が訴状・答弁書等の他の訴訟書類と齟齬なく一致しているか