セット内容

  • 出演契約書 2バージョン(起用企業側/出演者側)Word形式
  • 肖像権・二次利用範囲の設定例(媒体・期間・地域)
  • 撮影当日の対応事項チェックリスト

こんな場面で

広告・カタログ・Web動画への出演をモデル・タレント・インフルエンサーへ依頼する場面。

特長

  • 肖像・氏名・声の利用範囲を媒体・期間・地域ごとに選択できる条項構成
  • 二次利用時の追加報酬・NG事項(イメージを損なう用途の禁止等)を収録
  • 出演者本人・所属事務所いずれとの契約にも応用可能な条項設計
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

出演契約書(モデル・タレント・インフルエンサー)標準版(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: syutuen-keiyaku / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 起用企業側有利・出演者側有利

本ドラフトは第2部で2バージョンの差分を提示する構成とし、第1部には中立的な標準条文をベースとして掲載する。広告・カタログ・Web動画等への出演を想定し、出演者本人と直接契約する場合及び所属事務所を介して契約する場合のいずれにも応用できる条項構成としている。


第1部: 契約書本文(標準版・中立)

出演契約書

〇〇〇〇株式会社(以下「甲」という。)と〇〇〇〇(以下「乙」という。)とは、乙が甲の実施する広告物等への出演を行うことに関し、以下のとおり出演契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的)

本契約は、甲が乙に対し、別紙〇〇(出演条件一覧)に定める広告物、カタログ、Web動画その他の媒体(以下「本広告物」という。)への出演を依頼し、乙がこれを承諾することに関し、必要な事項を定めることを目的とする。

第2条(出演業務の内容)

  1. 乙は、別紙〇〇に定める日時、場所及び内容に従い、本広告物の撮影、収録その他これに付随する業務(以下「本業務」という。)に出演するものとする。
  2. 本業務の具体的なスケジュール、撮影場所、衣裳、演出内容等の詳細は、甲乙協議のうえ別途定める。
  3. 乙は、本業務の実施にあたり、甲又は甲の指定する制作担当者の指示に従うものとする。

第3条(肖像等の利用許諾)

  1. 乙は、甲に対し、本業務により制作された乙の肖像、氏名、声、署名その他乙を特定できる表示(以下「肖像等」という。)について、別紙〇〇に定める利用媒体、利用期間及び利用地域の範囲内で利用することを許諾する。
  2. 前項の利用媒体には、テレビ、新聞、雑誌、屋外広告、店頭販促物、甲の公式ウェブサイト及び甲の公式SNSアカウントを含み、別紙〇〇において具体的に特定するものとする。
  3. 甲は、第1項の許諾範囲を超えて肖像等を利用しようとする場合、事前に乙の書面による承諾を得なければならない。
  4. 乙は、本条による許諾期間中であっても、本広告物が乙のイメージを著しく損なう改変(本来の文脈と異なる印象を与える切り取り、加工等)を伴って利用される場合には、当該利用の中止を求めることができる。

第4条(利用媒体・期間・地域の限定)

  1. 肖像等の利用媒体、利用期間及び利用地域は、別紙〇〇に定めるとおりとし、当該範囲は出演料の算定根拠となるものとする。
  2. 利用期間満了後も継続して肖像等を利用しようとする場合、甲は乙に対し、利用期間満了の〇か月前までにその旨を通知し、第7条に定める二次利用の手続に従うものとする。
  3. 利用媒体又は利用地域を追加する場合についても、前項と同様の手続によるものとする。

第5条(出演料)

  1. 甲は、乙に対し、本業務の対価として、出演料金〇〇〇〇円(消費税別)を支払う。
  2. 甲は、前項の出演料を、本業務終了後〇日以内に、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。
  3. 出演料には、別紙〇〇に定める利用媒体・利用期間・利用地域における肖像等の利用の対価を含むものとし、これを超える利用については第7条に定める追加報酬の対象とする。

第6条(拘束時間及び経費)

  1. 本業務に要する拘束時間は、別紙〇〇に定めるとおりとし、これを超えて乙を拘束する場合、甲は乙に対し、別途協議のうえ定める超過拘束料を支払う。
  2. 本業務の実施に伴う交通費、宿泊費、衣裳・メイク等に要する費用は、別紙〇〇に定めるところにより甲又は乙が負担する。

第7条(二次利用及び追加報酬)

  1. 甲が第3条の許諾範囲を超えて肖像等を利用する場合(利用媒体の追加、利用期間の延長、利用地域の拡大及び本広告物を素材とした二次的著作物への利用を含む。以下「二次利用」という。)、甲は乙に対し、事前にその利用内容を明示して協議を求めるものとする。
  2. 二次利用に関する追加報酬の額は、当初の出演料の算定根拠、二次利用の媒体・期間・地域の範囲、想定される広告効果等を考慮のうえ、甲乙協議のうえ定める。
  3. 乙の承諾を得ずに甲が二次利用を行った場合、乙は甲に対し、相当額の追加報酬の支払を請求できるほか、当該利用の中止を求めることができる。

第8条(独占的利用の可否)

  1. 本契約は、別段の合意がない限り、乙が第三者の広告物等に出演することを妨げるものではない。
  2. 甲が乙の出演を独占的なものとすることを希望する場合、対象となる商品カテゴリー、期間及び地域の範囲を別紙〇〇に明記し、これに対応する独占利用料を出演料に加算して定めるものとする。

第9条(禁止事項)

  1. 乙は、本契約の有効期間中及び本広告物の利用期間中、次の各号に定める行為を行ってはならない。 (1)甲の企業イメージ又は本広告物に係る商品・役務のイメージを著しく損なう行為 (2)法令に違反する行為又は公序良俗に反する行為 (3)反社会的勢力との関係を疑わせる行為 (4)第8条の独占利用条項に反して競合他社の広告物等に出演する行為
  2. 乙が前項各号のいずれかに該当する行為を行った場合、甲は、本広告物の利用を中止し、又は本契約を解除することができる。

第10条(イメージ毀損時の措置)

  1. 乙について、犯罪行為、破廉恥行為その他社会的信用を著しく損なう事実が判明した場合、甲は、本広告物の利用を直ちに中止し、本契約を解除することができる。
  2. 前項の場合、甲は、既払いの出演料の返還を乙に請求できるほか、本広告物の差替え、回収その他の対応に要した費用について、乙に故意又は重過失が認められる範囲で賠償を請求することができる。
  3. 前2項の措置を行う場合、甲は、乙又は乙の所属事務所に事前に説明の機会を与えるよう努めるものとする。

第11条(契約不適合責任)

  1. 乙が本業務を実施するにあたり提供する素材、演技その他の給付が本契約の内容に適合しない場合(乙の重大な体調不良による撮影続行不能、著しい演技の不履行等を含む。)、甲は、乙に対し、相当の期間を定めて追完(再撮影等)を求めることができる。
  2. 前項の追完が困難な場合又は追完によっても契約の目的を達成できない場合、甲は、出演料の減額又は本契約の解除を求めることができる。
  3. 前2項の規定は、乙の責めに帰すべき事由がない場合には適用しない。

第12条(著作権等の帰属)

  1. 本広告物に関する著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む。)は、甲に帰属する。
  2. 乙は、本広告物及び当該広告物に収録された乙の肖像等について、著作者人格権を行使しないものとする。ただし、乙のイメージを著しく損なう改変については、第3条第4項に定める利用中止請求を妨げない。

第13条(秘密保持)

甲及び乙は、本契約の履行に関連して知り得た相手方の営業上・技術上の情報並びに本広告物の内容(公表前のもの)を、相手方の事前の承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。

第14条(有効期間)

  1. 本契約の有効期間は、本契約締結日から〇〇〇〇年〇〇月〇〇日までとする。
  2. 前項の規定にかかわらず、第3条から第4条まで、第7条、第10条、第12条、第13条及び第16条から第19条までの規定は、本契約終了後も、別紙〇〇に定める肖像等の利用期間中又は本条第3項に定める期間、なお効力を有する。
  3. 前項の存続期間は、本契約終了後〇年間とする。

第15条(反社会的勢力の排除)

  1. 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、自己(法人の場合はその役員を含む。)が、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力」と総称する。)に該当しないことを表明し、保証する。
  2. 甲又は乙が前項の表明保証に違反した場合、相手方は、何らの催告を要せず本契約を解除することができる。

第16条(損害賠償)

  1. 甲又は乙が本契約に違反し、相手方に損害を与えた場合、当該違反当事者は、相手方に生じた損害(弁護士費用を含む。)を賠償する責めを負う。
  2. 前項の損害賠償の額は、別段の合意がない限り、本契約に基づき甲が乙に支払う出演料相当額を上限とする。ただし、当該違反当事者に故意又は重過失がある場合はこの限りでない。

第17条(権利義務の譲渡禁止)

甲及び乙は、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく、本契約上の地位並びに本契約に基づく権利及び義務を第三者に譲渡し、承継させ、又は担保に供してはならない。

第18条(協議事項)

本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ解決するものとする。

第19条(合意管轄)

本契約に関する紛争については、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

〇〇〇〇年〇〇月〇〇日

(甲)住所    商号又は名称    代表者名         印

(乙)住所(又は所属事務所所在地)    氏名(又は所属事務所名称)         印


第2部: 立場別修正パターン

商品には「起用企業側有利」「出演者側有利」の2バージョンを収録する。第1部は中立的な標準条文であり、以下は各バージョンを作成する際の差分(代替条文)である。

A. 起用企業側有利バージョンへの変更

起用企業側(広告主・出演依頼者側。契約書上「甲」)に有利にするための修正パターン。

A-1. 第3条(肖像等の利用許諾)を包括的利用許諾方式に変更

修正後: 「乙は、甲に対し、本業務により制作された乙の肖像等について、媒体、期間及び地域の制限なく、甲が自由に利用(複製、翻案、公衆送信、頒布を含む。)することを許諾する。」

解説: 別紙による個別限定方式を撤廃し、包括的な利用許諾に変更する。企業側は追加報酬交渉の手間なく広告展開できる一方、出演者側にとっては利用範囲が無制限に広がるリスクがあるため、出演者側からの強い抵抗が予想される条項である。

A-2. 第7条(二次利用及び追加報酬)の追加報酬発生要件を限定

修正後: 「甲は、当初の利用媒体・期間・地域の範囲内における利用態様の変更(媒体内での掲載順序、レイアウト変更等)については、追加報酬の対象としない。」を追加し、追加報酬が発生する場面を厳格に限定する。

解説: 何が「二次利用」に該当するかを狭く定義することで、企業側の追加コストを抑制する趣旨。出演者側にとっては当初想定していない態様での利用拡大により実質的な負担が生じ得るため、二次利用の定義を巡る交渉が重要になる。

A-3. 第8条(独占的利用の可否)を原則独占契約に変更

修正後: 「乙は、本契約の有効期間中及び本広告物の利用期間中、甲の事前の書面による承諾を得ることなく、甲と競合関係にある第三者の広告物等に出演してはならない。」を原則条項とし、独占利用料の加算を任意的なものとする。

解説: 出演者の競合出演を広く制限することで、広告効果の独占を図る趣旨。出演者側にとっては他の仕事の機会を制約されるため、独占範囲(商品カテゴリー、期間)を可能な限り限定し、独占利用料の増額を求めることが望ましい。

A-4. 第10条(イメージ毀損時の措置)の解除・返還請求権を拡張

修正後: 「乙について、前項の事実が判明した場合、甲は、既払いの出演料の全額の返還を乙に請求できるほか、本広告物の差替え、回収、再撮影その他の対応に要した費用の全額について、乙の故意又は過失の有無を問わず、乙に対しその賠償を請求することができる。」

解説: 過失の有無を問わない無過失責任的な構成とすることで、企業側のレピュテーションリスクを出演者側に大きく転嫁する。出演者側にとっては極めて重い負担となるため、対象事実の範囲(「社会的信用を著しく損なう事実」の具体化)や、責任の範囲を故意・重過失に限定する修正を求める余地がある。

A-5. 第16条(損害賠償)の上限条項を削除

修正後: 出演料相当額を上限とする定めを削除し、「甲又は乙は、相手方に生じた一切の損害(逸失利益及び間接損害を含む。)を賠償する。」に変更する。

解説: 出演者側にとって賠償リスクが無制限になるため、実務上は個人である出演者との契約においては上限を維持する例が一般的である。企業側が上限撤廃を求める場合、出演者側(特に個人・所属事務所のない者)との交渉においては慎重な検討を要する。

B. 出演者側有利バージョンへの変更

出演者側(モデル・タレント・インフルエンサー本人又はその所属事務所。契約書上「乙」)に有利にするための修正パターン。

B-1. 第3条・第4条(肖像等の利用許諾・限定)の範囲をより厳格に限定

修正後: 「甲は、乙の肖像等を、別紙〇〇に明記された媒体、期間及び地域の範囲内でのみ利用することができるものとし、これを超える利用は、媒体の種類を問わずすべて第7条の二次利用として取り扱う。」

解説: 利用範囲の解釈に疑義が生じた場合に出演者側に有利な解釈を確保するための明確化条項。特にWeb動画・SNS広告は媒体の分類が曖昧になりやすく、想定外の二次展開を防ぐ観点から出演者側が重視する条項である。

B-2. 第7条(二次利用及び追加報酬)に自動更新型の追加報酬を明記

修正後: 「甲が利用期間満了後も肖像等の利用を継続する場合、乙の事前の承諾及び当初出演料の〇割に相当する追加報酬の支払を要するものとし、甲がこれを怠った場合、乙は直ちに利用の差止めを求めることができる。」

解説: 利用期間満了後の「なし崩し的な利用継続」を防止し、追加報酬の算定基準をあらかじめ明確にする条項。出演者側の交渉力が弱い場合でも最低限の対価を確保できるようにする趣旨。

B-3. 第8条(独占的利用の可否)を非独占原則に固定

修正後: 「本契約は乙の他の広告出演を何ら制限するものではなく、甲が独占的利用を求める場合は、対象商品カテゴリー、期間及び地域を個別に明記した独占条項を別途書面で合意し、当該独占の対価として相当な独占利用料を出演料とは別に支払うものとする。」

解説: 独占契約を例外的な合意事項として位置づけ、出演者の営業の自由を原則として確保する。所属事務所を通じた契約の場合、他クライアントとの契約機会の確保は事務所の収益に直結するため、特に重視される条項である。

B-4. 第10条(イメージ毀損時の措置)に手続的保護を追加

修正後: 「甲は、第1項の事実の有無について、乙又は乙の所属事務所に対し弁明の機会を与えたうえで、合理的な根拠に基づき本広告物の利用中止又は本契約の解除を判断するものとする。乙に故意又は重過失がないと認められる場合、甲は、乙に対し出演料の返還又は損害賠償を請求することができない。」

解説: 一方的な解除・返還請求を防ぎ、事実確認の手続を保障する。SNS上の誤情報や事実無根の炎上により出演者が一方的に不利益を受けることを防止する目的があり、近年のインフルエンサー起用契約で重視される条項である。

B-5. 第16条(損害賠償)の上限をより低い基準に設定

修正後: 「乙が本契約に基づき負う損害賠償責任の累計額は、乙の故意又は重過失による場合を除き、本契約に基づき甲から乙に支払われた出演料の総額を上限とする。」を明記し、上限の適用除外事由を「故意又は重過失」に限定する形で明確化する。

解説: 個人である出演者にとって、企業側の広告展開に伴う損害を無制限に負担するリスクは過大であるため、上限設定は出演者側にとって最重要の交渉ポイントの一つである。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

第1条(目的) 契約の対象となる媒体を「本広告物」として定義し、別紙で具体化する構成としている。媒体の範囲が曖昧なまま契約すると、後日の利用範囲を巡る紛争の原因となるため、可能な限り具体的に列挙することが望ましい。

第2条(出演業務の内容) 撮影当日の指示系統を明確にする条項。スケジュール変更や追加撮影が生じやすい実務を踏まえ、変更手続についても別紙で取り決めておくことが望ましい。

第3条(肖像等の利用許諾) 本契約の中核となる条項であり、パブリシティ権(判例上、人格権に由来する権利として認められている)及び著作権法上の肖像・氏名等の利用に関する整理が必要になる。利用媒体・期間・地域を限定する「個別限定方式」と、範囲を定めない「包括許諾方式」の2方式があり、出演者側は前者を、起用企業側は後者を望む傾向がある。イメージ毀損的な改変利用への対応(第4項)は、近年のインフルエンサー起用契約で特に重視される規定である。

第4条(利用媒体・期間・地域の限定) 出演料の算定根拠と利用範囲を連動させる条項。利用範囲が拡大すれば出演料も増額されるべきとの考え方が実務上一般的であり、当初契約時に将来の追加利用を想定した規定を設けておくことが紛争予防につながる。

第5条(出演料) 出演料に利用許諾の対価を含める構成とすることで、後日の「利用料は出演料とは別」との主張を防ぐ狙いがある。所属事務所を通じた契約の場合、事務所へのマネジメント料等が出演料に含まれるかどうかも別途整理しておく必要がある。

第6条(拘束時間及び経費) 撮影の長時間化はモデル・タレント業界で実務上よく問題になる論点であり、超過拘束料の算定基準(時間単価等)をあらかじめ定めておくことが望ましい。

第7条(二次利用及び追加報酬) 当初の許諾範囲を超える利用(媒体追加、期間延長、地域拡大、二次的著作物への利用等)について、追加報酬の交渉プロセスを定める条項。二次利用の定義が曖昧だと、企業側の想定外の利用継続と出演者側の想定外の無償利用拡大の双方でトラブルが生じやすいため、可能な限り具体的な定義を置くことが望ましい。

第8条(独占的利用の可否) 独占契約か非独占契約かは、出演料水準・出演者の稼働可能性に直結する重要な論点である。独占契約とする場合は、対象商品カテゴリーの範囲(例: 同業他社のみか、関連業種も含むか)を明確にしないと、独占の範囲を巡る解釈対立が生じやすい。

第9条(禁止事項) 出演者の行為規制条項。企業イメージを損なう行為の禁止は必須的な条項である一方、範囲を無限定に広げると出演者の私生活・表現の自由を過度に制約するおそれがあるため、具体的にどのような行為が該当するかを協議時にすり合わせておくことが望ましい。

第10条(イメージ毀損時の措置) いわゆる「モラルクローズ」(品行条項)に相当する条項であり、近年の芸能人・インフルエンサーの不祥事事案の増加を受けて重要性が高まっている。解除・返還請求の要件を過度に広範かつ無過失責任的に設計すると、出演者側にとって著しく不利になるため、事実確認の手続保障や故意・重過失要件の明記が双方にとってのバランス確保に資する。

第11条(契約不適合責任) 2020年(令和2年)施行の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に整理された。役務提供契約である出演契約にこの考え方を応用し、乙の給付(演技・撮影対応等)が契約内容に適合しない場合の追完請求・減額請求・解除の枠組みを整理した条項である。もっとも、出演契約は個人の役務提供という性質上、乙の責めに帰すべき事由がない体調不良等については免責される旨を明記することが、出演者側の保護の観点から重要である。

第12条(著作権等の帰属) 広告物自体の著作権は企業側(制作費用を負担する側)に帰属させるのが実務上一般的である。著作者人格権の不行使特約は、企業側が広告物を自由に改変・編集するために必要となる一方、出演者のイメージを損なう改変については別途歯止めを設けることが望ましい。

第13条(秘密保持) 公表前の広告内容(商品発売前のティザー広告等)の漏えい防止は、企業側にとって重要な関心事である。SNS発信を行う出演者との契約では、公表前情報の取扱いについて特に明確な合意が必要になる。

第14条(有効期間) 契約自体の有効期間と、肖像等の利用許諾期間及び秘密保持義務等の存続期間は区別して整理する必要がある。特にWeb広告は掲載期間の管理が曖昧になりやすく、利用終了後も削除されずに残存する例があるため、利用終了時の削除・回収義務についても検討の余地がある。

第15条(反社会的勢力の排除) 現在の契約実務でほぼ必須の条項であり、出演契約においても標準的に採用することが一般的である。

第16条(損害賠償) 賠償額の上限設定(cap)の有無が交渉の中心となる。個人である出演者との契約では出演料相当額を上限とする例が多く、故意・重過失を除外することで企業側とのバランスを取るのが一般的な実務である。

第17条〜第19条(譲渡禁止・協議・合意管轄) 所属事務所を介した契約では、事務所の移籍・契約終了時に本契約上の地位がどう扱われるかが問題になりやすく、権利義務の承継に関する規定を個別に検討する余地がある。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第3条のパブリシティ権・肖像権の利用許諾の構成について、判例上確立した「パブリシティ権」の法的性質を踏まえ、条項の文言に修正すべき点がないか確認いただきたい。
  2. 第10条のイメージ毀損時の解除・返還請求条項(モラルクローズ)について、故意・過失の要否や解除事由の具体性の程度が、近年の裁判例・実務相場に照らして妥当か確認いただきたい。
  3. 第11条の契約不適合責任の枠組みを役務提供型の出演契約に適用する構成が法的に適切か、また請負契約・準委任契約いずれの性質に近いと整理すべきか確認いただきたい。
  4. 第12条の著作者人格権不行使特約について、出演者の人格的利益保護の観点から、イメージ毀損的改変に対する歯止め(第3条第4項との整合)が十分か確認いただきたい。
  5. 未成年者(子役・学生インフルエンサー等)が出演者となる場合の法定代理人の同意取得条項を、本テンプレートに追加すべきか、あるいは別商品として切り分けるべきか確認いただきたい。
  6. 所属事務所を介した契約とする場合、出演者本人と事務所との間の契約(マネジメント契約)との整合性について、本テンプレートの構成上、追記や注記が必要な事項がないか確認いただきたい。
  7. 第16条の損害賠償額の上限を出演料相当額とする設計について、企業側のレピュテーション損害が出演料を大きく上回る場合の実務上の相場観と乖離がないか確認いただきたい。
  8. SNS上での二次利用(出演者本人のアカウントでの投稿依頼等)を想定する場合、本テンプレートの利用許諾条項(第3条・第4条)だけで足りるか、別途SNS特有の条項(ステルスマーケティング規制対応、投稿削除義務等)を追加すべきか確認いただきたい。