会社と従業員が話し合いにより雇用契約を終了させる場面で締結する書式。退職日・解決金・清算条項を定め、労働契約法上の合意解約の成立を明確に証拠化する。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

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退職合意書

第1部: 書式本文

【会社名】(以下「甲」という。)と【従業員氏名】(以下「乙」という。)は、乙の甲に対する退職に関し、以下のとおり合意する(以下「本合意」という。)。

第1条(雇用契約の終了) 甲及び乙は、甲乙間の雇用契約が【令和 年 月 日】(以下「退職日」という。)をもって、合意により終了することを確認する。

第2条(退職事由) 本合意による退職は、甲乙間の話し合いに基づく合意退職とし、乙の自己都合による退職とは区別して取り扱う/自己都合退職として取り扱う。【いずれかを選択】

第3条(解決金) 甲は乙に対し、本合意成立の解決金として金【  】円(税込・源泉徴収前)を、【令和 年 月 日】限り、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

第4条(退職に伴う手続) 甲は、乙の退職に伴い、法令に基づき離職票及び源泉徴収票を交付し、社会保険及び雇用保険の資格喪失手続を行う。乙は、退職日までに貸与物(【  】)を甲に返還する。

第5条(有給休暇の取扱い) 乙の未消化の年次有給休暇は、退職日までに取得するものとし、取得しきれなかった日数については【買取り/消化させるのみで買取りは行わない】ものとする。

第6条(秘密保持) 乙は、在職中に知り得た甲の営業上・技術上の秘密情報を、退職後も第三者に開示又は漏えいしてはならない。

第7条(口外禁止) 甲及び乙は、本合意の成立及びその内容並びに退職に至る経緯について、法令上の開示義務がある場合を除き、正当な理由なく第三者に口外してはならない。

第8条(誹謗中傷の禁止) 甲及び乙は、相手方の名誉又は信用を毀損する言動を行ってはならない。

第9条(清算条項) 甲及び乙は、本合意に定めるもののほか、甲乙間には本合意に関し何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。ただし、退職金規程に基づく退職金の支払請求権はこの限りでない。

第10条(誠実協議) 本合意に定めのない事項又は本合意の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠実に協議のうえ解決する。

第11条(合意管轄) 本合意に関する紛争については、【  】地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

本合意の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

【令和 年 月 日】

甲 【会社所在地】   【会社名】   代表者【役職・氏名】 印

乙 【住所】   氏名【      】 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 会社側

  • 記載例:「乙は、本合意の成立をもって、甲に対し賃金、賞与、退職金その他名目のいかんを問わず一切の請求を行わないことを確認する。」
  • 一言解説:清算条項に加えて請求権放棄の対象を具体的に列挙することで、後日の追加請求リスクを会社側として抑える効果が期待できる。
  • 記載例:「乙が第6条又は第7条に違反した場合、甲は既払いの解決金の返還を乙に求めることができる。」
  • 一言解説:秘密保持・口外禁止条項の実効性を高めるため、違反時の効果(返還請求権)を明記しておくことが会社側の実務では有効である。

B. 従業員側

  • 記載例:「解決金の支払いが第3条に定める期日までになされない場合、乙は本合意によらず未払賃金その他の請求権を行使することができる。」
  • 一言解説:解決金の支払いが本合意の中核であることを踏まえ、不払い時の効果を明記し、労働者側の実効的な担保を確保する。
  • 記載例:「甲は、乙からの求めに応じ、退職理由を『会社都合』とする離職票を交付する。」
  • 一言解説:離職理由は失業給付の受給条件に影響するため、労働者側からは退職事由の記載(第2条)と離職票上の扱いを連動させることが重要になる。

C. 標準(中立)

  • 記載例:「甲及び乙は、本合意の内容が双方の自由な意思に基づき合意されたものであることを確認する。」
  • 一言解説:意思表示の任意性を書面上も確認しておくことは、後日の強要や錯誤の主張に対する一定の備えとなる。
  • 記載例:「本合意のいずれかの条項が法令に反し無効とされた場合であっても、その他の条項の効力に影響を及ぼさない。」
  • 一言解説:分離可能性条項を置くことで、一部条項に問題が生じた場合でも合意全体が無効となるリスクを抑える。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本書式は、会社と従業員が話し合いにより雇用契約を合意解約する場面で、退職日・解決金・清算条項等の合意内容を書面化する際に使用する。他方、労働者の自由な意思決定が確保されていない状況(脅迫的な言動が伴う場面等)で作成される場合や、実質的に解雇でありながら形式のみ合意退職とする場合には、本書式をそのまま用いるべきではない。

労働契約法第6条は、労働契約は労働者及び使用者の合意によって成立する旨を定めており、雇用契約の終了についても同様に、労働契約法上の合意の原則が妥当する。合意解約は、当事者双方の意思の合致によって効力を生じる点で、労働者の一方的な意思表示のみで足りる民法第627条の解約申入れとは法的性質が異なる。本書式が「甲及び乙は合意する」という条文形式を採用しているのは、この双方合意による契約終了を明確に証拠化するためである。

実務でよくある失敗の一つは、清算条項を置きながら、解決金の支払時期・方法を曖昧にしてしまい、後日「合意したのに支払われない」というトラブルが生じることである。本書式は第3条で支払期日・振込方法・手数料負担まで具体的に定め、清算条項(第9条)が機能する前提を整えている。

二つ目の失敗は、口外禁止・秘密保持条項を定めても、違反時の効果を定めていないために条項が実効性を持たないことである。本書式は会社側の書き換えパターンとして、違反時の返還請求権を明記する例を示している。

三つ目の失敗は、清算条項を置いたにもかかわらず、退職金や未払残業代等、清算の対象に含める債権を条文上具体的に特定していないため、後日「その債権は清算条項の対象外だ」と争われることである。清算条項(第9条)を機能させるためには、対象となる金銭債権の範囲を可能な限り具体的にすることが望ましい。特に、退職金規程等に基づき別途支給される退職金がある場合は、清算条項の対象に含めるのか除外するのかを条文上明確にしておく必要がある。

四つ目の失敗は、合意書の締結を急ぐあまり、条項の解釈に疑義が生じた場合の対応方法を定めずに締結してしまうことである。退職後に条項の解釈を巡って甲乙の認識が食い違うと、清算条項があっても新たな紛争の火種となりかねない。本書式は誠実協議条項(第10条)を置き、疑義が生じた場合にまず協議による解決を試みる枠組みを設けている。

なお、解決金の金額の妥当性や、清算条項の効力が及ぶ範囲、離職理由の記載方法等については、個別の事情によって適切な内容が異なるため、弁護士等の専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 退職日が確定した日付として記載されているか
  • [ ] 退職事由(自己都合/会社都合的な合意退職)の整理が離職票の記載方針と一致しているか
  • [ ] 解決金の金額・支払期日・支払方法・振込手数料の負担者が明記されているか
  • [ ] 未消化の年次有給休暇の取扱いが明記されているか
  • [ ] 貸与物の返還義務・返還期限が明記されているか
  • [ ] 秘密保持条項の対象情報が具体的に特定されているか
  • [ ] 口外禁止条項の適用範囲(例外となる法令上の開示義務等)が明記されているか
  • [ ] 清算条項の対象となる債権の範囲が具体的に想定されているか
  • [ ] 合意管轄条項の裁判所名が正しく記載されているか
  • [ ] 甲乙双方の署名・押印欄が設けられ、原本を各自1通保有する形式になっているか
  • [ ] 本人の自由な意思に基づく合意であることを確認する文言の要否を検討したか
  • [ ] 退職金規程に基づく退職金支払請求権が清算条項の対象か除外かを明記したか
  • [ ] 条項の解釈に疑義が生じた場合の協議手続を定めたか