セット内容

  • テレワーク勤務規程 Word形式
  • 労働時間管理方法(みなし労働時間制の適用可否含む)の解説
  • 通信費・機材費用の負担区分表

こんな場面で

在宅勤務・リモートワークを制度として導入する事業者が、労働時間管理・費用負担・セキュリティルールを整備する場面。

特長

  • 中抜け時間の扱い・事業場外みなし労働時間制の適用要件を整理
  • 通信費・電気代等の費用負担区分をあらかじめ規定し労使トラブルを防止
  • 情報セキュリティ上の遵守事項(私物端末利用制限等)を標準装備
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

テレワーク勤務規程(社内規程)(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: telework-kitei / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 事業者(社内規程)/運用形態: ハイブリッドワーク型・フルリモート型、労働時間管理: 通常管理型・事業場外みなし労働時間制型

本ドラフトは第2部で「原則出社・一部在宅の併用型(ハイブリッドワーク版)」と「完全在宅・フルリモート型」の差分、及び労働時間管理方式(通常の勤怠システム記録型/事業場外みなし労働時間制型)の差分を提示する構成とし、第1部にはハイブリッドワーク・通常労働時間管理を前提とした標準構成をベース条文として掲載する。


第1部: 規程本文(標準構成)

テレワーク勤務規程

第1条(目的)

本規程は、〇〇株式会社(以下「会社」という。)の従業員が情報通信技術を利用して事業場外で業務を行う勤務形態(以下「テレワーク」という。)に関する労働条件その他の必要な事項を定めるものであり、厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」の趣旨を踏まえ、テレワークを行う従業員が安心して働くことができる環境を整備することを目的とする。

第2条(定義)

本規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによると解される。 (1)在宅勤務: 従業員が自己の自宅において情報通信機器を利用して業務を行う勤務形態 (2)サテライトオフィス勤務: 会社が指定する自宅以外の遠隔勤務施設(会社が契約するシェアオフィス等を含む。)において業務を行う勤務形態 (3)モバイル勤務: 従業員が自宅、会社、サテライトオフィスのいずれでもない場所(移動中の交通機関、取引先、カフェ等)において情報通信機器を利用して行う勤務形態 (4)テレワーク: 前3号を総称するものをいう。

第3条(適用範囲及び対象者)

  1. 本規程は、会社がテレワークの実施を許可した従業員に適用される。
  2. テレワークの対象者は、次の各号のいずれにも該当する従業員とする。 (1)入社後所定の期間(原則として6か月)を経過し、独力で業務を遂行できると会社が認めた者 (2)自宅又は勤務場所において、情報セキュリティ上の遵守事項を満たす作業環境を確保できる者 (3)所属長がテレワークの実施を適当と認めた者
  3. 会社は、業務の性質上テレワークになじまない業務(対面での接客、現場作業その他会社が定める業務)に従事する従業員については、テレワークの対象としないことができるものと解される。

第4条(テレワークの許可及び申請手続)

  1. テレワークを希望する従業員は、所定の申請書により、実施を予定する日の前営業日までに所属長の許可を得なければならない。
  2. 会社は、業務の状況その他やむを得ない事由がある場合、一度許可したテレワークの実施を取り消し、又は変更を求めることができる。
  3. 会社は、災害の発生、感染症のまん延その他事業の継続に重大な影響を及ぼす事由が生じた場合、従業員に対しテレワークの実施を命じることができるものとする。

第5条(服務規律)

  1. テレワークに従事する従業員は、就業規則に定める服務規律を遵守するほか、次の各号に定める事項を遵守しなければならない。 (1)テレワーク中は、業務に専念し、みだりに業務を離れないこと (2)会社の許可なく、業務に関連する情報を第三者が閲覧、聴取又は利用し得る状態に置かないこと (3)会社が貸与する情報通信機器を、会社の許可した目的以外に使用しないこと (4)業務の遂行状況について、会社が定める方法により適時報告を行うこと
  2. 従業員は、テレワークの実施場所を、自宅その他会社があらかじめ許可した場所に限るものとする。

第6条(労働時間)

  1. テレワーク時の労働時間は、就業規則に定める所定労働時間及び始業・終業の時刻に関する規定を適用する。
  2. 会社は、業務の性質上必要と認める場合、テレワークに従事する従業員について、就業規則に定めるフレックスタイム制又は事業場外みなし労働時間制その他の労働時間制度を適用することができる。この場合の具体的な取扱いは、第9条の定めるところによる。
  3. 前2項の規定にかかわらず、育児又は介護等の事情により所定労働時間の途中で業務を一時中断する必要がある従業員については、会社の許可を得て、始業及び終業の時刻の繰上げ・繰下げを行うことができるものとする。

第7条(中抜け時間の取扱い)

  1. テレワーク中に、従業員が私用(育児、介護、通院その他)のため労働から離れる時間が生じる場合(以下「中抜け時間」という。)、従業員は、事前又は事後速やかに所属長にその旨を報告するものとする。
  2. 中抜け時間については、休憩時間として取り扱い、その時間分終業時刻を繰り下げること、又は年次有給休暇の時間単位取得(労使協定を締結している場合に限る。)により対応することができるものとする。
  3. 会社は、中抜け時間の把握及び記録の方法について、あらかじめ従業員に周知するものとする。

第8条(労働時間の把握及び勤怠管理)

  1. 会社は、テレワークに従事する従業員についても、労働基準法及び労働安全衛生法に基づき、客観的な方法その他の適切な方法により始業及び終業の時刻を把握しなければならないものと解される。
  2. 前項の把握は、会社が指定する勤怠管理システムへの打刻、電子メールによる報告その他会社が定める方法により行うものとする。
  3. 従業員は、実際の労働時間と乖離した虚偽の申告を行ってはならない。会社は、必要に応じてパソコンの使用ログその他の客観的な記録と申告内容の照合を行うことができる。

第9条(事業場外みなし労働時間制の適用)

  1. 会社は、次の各号のいずれにも該当するテレワークについては、労働基準法第38条の2に定める事業場外みなし労働時間制を適用することができる。 (1)情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと (2)随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
  2. 前項の適用を受ける従業員の労働時間は、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するために所定労働時間を超えて労働することが必要な場合は、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
  3. 第1項の要件を満たさなくなった場合(例えば、会社の指示により常時通信可能な状態を求めることとした場合等)、会社は速やかに事業場外みなし労働時間制の適用を終了し、第8条に定める通常の労働時間把握に切り替えるものとする。

第10条(休憩時間及び休日)

  1. テレワーク時の休憩時間及び休日は、就業規則の定めるところによる。
  2. 会社は、業務の性質上必要がある場合、労使協定の範囲内で休憩時間の一斉付与の原則の適用を除外することができる。

第11条(時間外・休日労働)

  1. テレワークに従事する従業員が時間外労働、休日労働又は深夜労働を行う場合は、事前に所属長の許可を得なければならない。
  2. 会社は、時間外労働等について、労働基準法第36条に基づく労使協定(いわゆる36協定)の範囲内で命じるものとし、割増賃金を支払うものとする。
  3. 会社は、テレワークの特性上、労働時間の把握が困難になりやすいことに鑑み、深夜労働(午後10時から午前5時まで)については、原則として事前許可を得た場合に限り認めるものとする。

第12条(費用負担)

  1. 会社は、テレワークの実施に伴い従業員が負担する費用のうち、次の各号に定めるものについて、会社が定める基準により負担するものとする。 (1)業務に必要な情報通信機器(パソコン、ディスプレイ等)の貸与に要する費用 (2)業務に使用するソフトウェアのライセンス費用 (3)通信費のうち、会社が定める算定方法(月額定額の在宅勤務手当の支給その他会社が定める方法)により算出した金額
  2. 従業員が負担する費用のうち、前項各号に定めのないもの(自宅の水道光熱費、自宅の通信回線契約に関する初期費用等)は、原則として従業員の負担とする。
  3. 会社は、前2項の費用負担区分について、就業規則又は労働条件通知書に明記し、従業員に周知するものとする。

第13条(情報通信機器及び情報セキュリティ)

  1. 会社は、テレワークに必要な情報通信機器を従業員に貸与することができる。従業員は、貸与された機器を善良な管理者の注意をもって使用し、業務外の目的に使用してはならない。
  2. 従業員は、私物の情報通信機器(パソコン、スマートフォン等)を業務に使用する場合(以下「BYOD」という。)、会社が定める情報セキュリティ基準を満たす場合に限り、事前に会社の許可を得て使用することができるものとする。
  3. 従業員は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。 (1)会社が指定するウイルス対策ソフトウェアを導入し、常に最新の状態に保つこと (2)業務に使用する機器を、離席時に画面ロックする等、第三者に使用されないよう管理すること (3)公衆無線LANその他セキュリティが確保されていない通信環境において、機密情報を含む通信を行わないこと (4)会社の許可なく、業務用データを私物の記録媒体(USBメモリ、外付けハードディスク等)に保存し、又は個人が契約するクラウドサービスにアップロードしないこと
  4. 会社は、貸与機器の紛失又は盗難、その他情報セキュリティ上のインシデントが発生し、又はそのおそれがある場合、従業員に対し速やかな報告を求めるものとする。

第14条(安全衛生)

  1. 会社は、労働安全衛生法及び関係法令の趣旨に基づき、テレワークに従事する従業員に対しても、必要な安全衛生上の配慮を行うよう努めるものとする。
  2. 会社は、テレワークを行う作業環境について、厚生労働省が示す自宅等の作業環境整備に係るチェックリストその他の資料を提供し、従業員が適切な作業環境を確保できるよう支援するものとする。
  3. 会社は、必要と認める場合、産業医又は保健師による相談対応、ストレスチェックその他のメンタルヘルスケアの機会をテレワーク従事者にも提供するよう努めるものとする。
  4. テレワーク中に業務に起因して負傷し、又は疾病にかかった場合は、労働者災害補償保険法に基づく労災保険給付の対象となり得るものと解される。従業員は、テレワーク中に労働災害が発生した場合、速やかに所属長に報告しなければならない。

第15条(コミュニケーション及び業務報告)

  1. テレワークに従事する従業員は、電子メール、チャットツール、Web会議システムその他会社が指定する手段により、所属長及び関係者との連絡を密に行うものとする。
  2. 従業員は、始業時及び終業時に、業務の予定及び実績を所属長に報告するものとする。

第16条(人事評価)

会社は、テレワークに従事することを理由として、出社を前提とする従業員と比較して不利益な人事評価を行ってはならないものと解される。

第17条(給与及び手当)

  1. テレワークに従事する従業員の給与は、就業規則及び賃金規程の定めるところによる。
  2. テレワークの実施を理由として、基本給その他の労働条件を従業員の同意なく不利益に変更してはならない。

第18条(教育訓練)

会社は、テレワークに従事する従業員に対しても、業務上必要な知識及び技能を習得させるための教育訓練を、就業規則の定めるところにより実施するものとする。

第19条(規程の改廃)

本規程の改廃は、取締役会又は会社が定める機関の決議による。

第20条(施行期日)

本規程は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日から施行する。

以上


第2部: バージョン差分

本商品は、勤務形態の切り口(ハイブリッドワーク版/フルリモート版)及び労働時間管理方式の切り口(通常管理型/事業場外みなし労働時間制型)の2軸でバリエーションを想定する。第1部はハイブリッドワーク・通常の労働時間管理を前提とした標準構成であり、以下は各バージョンへ調整する際の差分(代替条文)である。

A. 完全在宅・フルリモート型への変更

出社を前提とせず、原則として全ての勤務日をテレワークで行う運用を想定した修正パターン。

A-1. 第3条(適用範囲及び対象者)を原則テレワーク型に変更

修正後: 「従業員の勤務場所は、原則として自宅その他会社が許可した場所とし、会社が指定する場合を除き、事業所への出社を要しない。」

解説: ハイブリッド版が「出社を原則とし、一定要件を満たす者に例外的にテレワークを許可する」構成であるのに対し、フルリモート版は前提を逆転させ、出社を例外的な扱いとする。採用活動における居住地要件の緩和(全国採用・地方在住者の採用)と併せて設計されることが多いと考えられる。

A-2. 第4条(許可及び申請手続)を簡略化

修正後: 「従業員は、原則としてテレワークにより勤務するものとし、個別のテレワーク実施申請を要しない。ただし、出社を必要とする場合は、あらかじめ所属長に届け出るものとする。」

解説: 日々の実施許可申請を求める運用は、フルリモートを原則とする体制にはなじまないため、届出の要否を「出社時」に反転させる例が多いと考えられる。

A-3. 第12条(費用負担)を手当型に統一

修正後: 「会社は、フルリモート勤務者に対し、月額〇〇〇〇円のテレワーク手当を支給する。当該手当には、通信費及び水道光熱費の按分相当額を含むものとし、個別の実費精算は原則として行わない。」

解説: 出社日数が少ない、又はゼロであるフルリモート勤務者については、按分計算の実務負担を避けるため、実費精算方式よりも定額手当方式を採用する例が多いと考えられる。手当額の設定に当たっては、国税庁の見解(在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ)を踏まえ、給与として課税されない範囲の実費相当額の考え方に留意する必要がある。

A-4. サテライトオフィス・ワーケーション利用に関する条項の追加

追加条文例: 「会社は、従業員が会社の指定するサテライトオフィスを利用して勤務することを認める。従業員が私的旅行に付随して遠隔地から勤務する場合(いわゆるワーケーション)については、別途会社が定める基準を満たす場合に限り、事前の許可を得て実施することができる。」

解説: フルリモート型では勤務場所の柔軟化が進む一方、労働災害の認定や费用負担の切り分けが複雑になりやすいため、許可制を維持することが望ましいと考えられる。

A-5. 第14条(安全衛生)に定期的な出社日又は対面機会の確保を追加

追加条文例: 「会社は、フルリモート勤務者の孤立感の防止及びメンタルヘルスの維持を目的として、定期的な対面ミーティング又は出社日を設けるよう努めるものとする。」

解説: テレワークガイドラインにおいても、長時間労働防止やメンタルヘルス対応の観点からコミュニケーション機会の確保が重要とされており、フルリモート型では特に意識的な設計が求められると考えられる。

B. 事業場外みなし労働時間制を適用する版

第9条の要件を満たすことを前提に、テレワーク全体について事業場外みなし労働時間制を原則適用する運用を想定した修正パターン。

B-1. 第6条(労働時間)を事業場外みなし労働時間制の原則適用に変更

修正後: 「テレワークに従事する従業員の労働時間は、第9条に定める要件を満たす限り、事業場外みなし労働時間制を適用し、所定労働時間労働したものとみなす。」

解説: 常時通信可能な状態を求めない業務運用(チャットツールへの常時ログインを義務付けない等)を徹底できる場合に採用可能な方式である。要件を満たさない実態がありながら形式的にみなし制を適用すると、割増賃金の未払いを指摘されるリスクが高いと考えられる点に留意が必要である。

B-2. 第8条(労働時間の把握及び勤怠管理)の適用除外を明記

修正後: 「前条の規定にかかわらず、事業場外みなし労働時間制の適用を受ける従業員については、始業・終業時刻の客観的把握に代えて、健康確保の観点から必要な在社時間・作業時間の状況把握を行うものとする。」

解説: みなし労働時間制の適用を受ける場合であっても、労働安全衛生法上の健康管理時間の把握義務(長時間労働者に対する医師の面接指導等との関係)は別途生じ得ると解されるため、労働時間の把握を全く行わないという整理は適切でない可能性がある。

B-3. 第9条にみなし労働時間の水準に関する規定を追加

追加条文例: 「事業場外みなし労働時間制の適用を受ける従業員の1日のみなし労働時間は、所定労働時間と同一とする。ただし、業務量に照らし所定労働時間を超えて労働することが必要と認められる場合は、労使協定により定める時間をみなし労働時間とすることができる。」

解説: みなし労働時間を所定労働時間より長く設定する場合は、労働基準法第38条の2第2項に基づき労使協定の締結及び届出(協定でみなし時間が法定労働時間を超える場合)が必要になると解される。

C. 通常の労働時間管理(勤怠システム記録)を継続する版

第1部の本文がこれに該当する。テレワーク中も客観的な方法により始業・終業時刻を把握し、実労働時間に基づき賃金計算を行う構成である。

解説: 厚生労働省のテレワークガイドラインは、テレワークであることのみを理由に安易に事業場外みなし労働時間制を適用することについて慎重な検討を求めており、多くの企業では勤怠管理システムやパソコンのログ記録等を用いた通常の労働時間管理を基本とする運用が一般的であると考えられる。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

第1条・第2条(目的・定義) 在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務の3類型を区別することは、厚生労働省テレワークガイドラインにおける整理に対応するものである。自社でどの類型を許容するかにより、第13条の情報セキュリティ条項の具体的な設計(特にモバイル勤務における公衆無線LAN利用の制限等)が変わってくると考えられる。

第3条・第4条(対象者・許可手続) テレワークの対象者要件を明確化しないまま運用すると、対象者選定の恣意性が問題となり得る。入社後の経過期間や自宅の作業環境といった客観的な基準を設けることが望ましいと考えられる。第4条第3項の会社主導によるテレワーク実施命令は、感染症対応(新型コロナウイルス感染症対応を契機に普及した規定)として近年多くの企業で採用される例が見られる。

第5条(服務規律) テレワーク特有の服務規律を明記することで、就業規則本体の一般的な服務規律を補完する趣旨である。会社貸与機器の目的外使用禁止は、後述の情報セキュリティ条項(第13条)と重複する部分もあるため、規程全体の整合性を確認することが望ましい。

第6条〜第9条(労働時間・中抜け時間・勤怠管理・事業場外みなし労働時間制) テレワーク規程の中核となる部分である。厚生労働省のガイドラインは、テレワーク中の中抜け時間について、(i)休憩時間として扱い終業時刻を繰り下げる方法、(ii)時間単位の年次有給休暇として扱う方法(労使協定の締結が前提)の2通りを示しており、第7条はこれに対応するものである。

事業場外みなし労働時間制(第9条)の適用要件(労働基準法第38条の2第1項)は、「情報通信機器が常時通信可能な状態におくこととされていないこと」及び「随時具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと」の2点であり、いずれも実態に即して判断される。チャットツールでの応答を事実上強制するような運用がある場合、形式的に規程上「常時通信可能な状態を求めない」と定めても、みなし制の適用が否定されるリスクがあると考えられる。この点は、みなし労働時間制の適用を巡る裁判例においても、使用者による具体的な指揮命令の実態が重視される傾向にあることが指摘されている。

第10条・第11条(休憩・休日、時間外労働) 時間外労働の事前許可制は、テレワーク下で労働時間が見えにくくなることに対応した管理手法として一般的である。許可なく行われた時間外労働についても、黙示の指示があったと評価される場合には賃務時間として扱われ、割増賃金の支払義務が生じ得ると解されるため、許可制を設けるだけでなく、実効的な運用(未許可残業の実態把握等)が求められると考えられる。

第12条(費用負担) テレワークガイドラインは、労使のどちらが費用を負担するかについて、あらかじめ労使間で十分に話し合い、就業規則等において定めておくことが望ましいとしている。通信費や電気料金は業務使用分と個人使用分を明確に区分することが困難であるため、実務上は在宅勤務手当として定額を支給する例が多いと考えられる。定額支給の場合、国税庁が示す一定の算定方法によるものについては給与課税の対象外として扱われる余地がある点も、購入者において確認しておくべき事項である。

第13条(情報通信機器及び情報セキュリティ) BYOD(私物端末利用)を許容するか否かは、情報セキュリティ水準と従業員の利便性のトレードオフになりやすい論点である。BYODを認める場合、私物端末上の業務データの管理(退職時のデータ削除等を含む。)について、別途誓約書等で個別に同意を得ることが望ましいと考えられる。

第14条(安全衛生) 労働安全衛生法上の安全配慮義務は、勤務場所がテレワークであることによって軽減されるものではないと解される。自宅の作業環境については使用者が直接立ち入って確認することが困難であるため、チェックリストの提供や従業員の自己点検を通じた間接的な確認方法が実務上用いられることが多い。

第15条・第16条(コミュニケーション・人事評価) テレワークを理由とする不利益な評価は、間接的な差別的取扱いと評価されるリスクがあると考えられる。評価基準を成果・プロセスの両面から明確化し、勤務場所によって評価基準が変わらないようにする運用が望ましい。

第17条・第18条(給与・教育訓練) テレワークの実施自体を理由として労働条件を不利益に変更することは、労働契約法第8条・第9条の趣旨に照らし、従業員の individual な同意なく行うことは避けるべきと解される。

第19条・第20条(改廃・施行期日) 就業規則本体との関係整理(付属規程とするか独立規程とするか)は、ハラスメント防止規程と同様に確認を要する事項である。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第9条の事業場外みなし労働時間制の適用要件について、厚生労働省テレワークガイドライン及び関連する裁判例・行政解釈に照らし、条文の文言(特に「常時通信可能な状態」の解釈)が最新の実務水準に適合しているか確認いただきたい。
  2. 第7条の中抜け時間の取扱いについて、時間単位年休による対応を選択肢として示す場合、労使協定の締結が前提となる旨の注記で十分か、追加すべき要件があるか確認いただきたい。
  3. 第12条の費用負担条項について、在宅勤務手当を定額支給する場合の金額例示(第2部A-3参照)を、国税庁の非課税範囲の考え方を踏まえてどの程度の水準で示すのが実務上妥当か確認いただきたい。
  4. 第13条のBYOD(私物端末利用)に関する条項について、情報セキュリティ基準の具体的な内容(会社が別途定める基準への委任の可否等)に不備がないか確認いただきたい。
  5. 第14条第4項のテレワーク中の労働災害の取扱いについて、自宅内での業務起因性の判断が争点化しやすい点を踏まえ、購入者向け解説(第3部)に追加すべき留意点があるか確認いただきたい。
  6. フルリモート版(第2部A)における出社原則の逆転及び居住地要件の緩和について、就業規則本体との整合性(転勤条項、通勤手当規程等との齟齬)の観点から追加確認すべき事項があるか確認いただきたい。
  7. 事業場外みなし労働時間制適用版(第2部B)について、みなし労働時間を法定労働時間を超えて設定する場合の労使協定の締結・届出義務に関する記載が正確か確認いただきたい。
  8. 中小企業(労働者数300人以下等の要件)における労使協定の締結主体(過半数労働組合又は過半数代表者)に関する一般的な留意事項を、本規程の解説に追加すべきか確認いただきたい。