法定外の休暇を制度化する企業向け。リフレッシュ休暇や配偶者出産休暇の日数と有給無給を定め、労働基準法第89条第1号の休暇の記載義務に対応します。

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特別休暇規程

第1部: 書式本文

第1条(目的) 本規程は、【株式会社〇〇】(以下「会社」という。)の従業員に対し、法令上定められた休暇とは別に会社が任意に設ける特別休暇について、その種類、日数及び手続を定めることを目的とする。本規程に定める休暇は、労働基準法その他の法令が付与を義務付けるものではなく、会社が福利厚生の一環として設ける制度である。

第2条(適用対象者) 本規程は、就業規則第【 】条に定める正社員に適用する。契約社員、パートタイマーその他の有期雇用労働者への適用の有無及び範囲は、別途定める場合を除き、雇用契約書又は労働条件通知書による。

第3条(特別休暇の種類) 会社が付与する特別休暇は、次の各号のとおりとする。 一 結婚休暇 本人が婚姻するとき 【 】日 二 配偶者出産休暇 配偶者が出産するとき 【 】日 三 忌引休暇(慶弔休暇) 親族が死亡したとき 別表【 】に定める日数 四 リフレッシュ休暇 勤続【 】年に達したとき 【 】日 五 ボランティア休暇 公共性のある奉仕活動に参加するとき 年間【 】日を限度 六 裁判員休暇 裁判員又は裁判員候補者として職務を行うとき 必要な日数

第4条(有給・無給の別) 1. 第3条第一号から第四号までに定める休暇は有給とし、就業規則第【 】条に定める通常の賃金を支払う。 2. 第3条第五号及び第六号に定める休暇は無給とする。ただし、会社が別途定めるときは、その全部又は一部を有給とすることができる。

第5条(取得要件・取得期間) 1. 結婚休暇は、入籍日又は挙式日のいずれか早い日の前後【 】か月以内に取得しなければならない。 2. 配偶者出産休暇は、配偶者の出産予定日の【 】週間前から出産後【 】週間以内の期間に取得しなければならない。 3. 忌引休暇は、死亡の事実を知った日から【 】日以内に取得しなければならない。 4. リフレッシュ休暇は、対象勤続年数に達した日の属する年度内に取得しなければならず、当該年度内に取得しなかった場合は権利を失う。

第6条(申請手続) 1. 従業員は、特別休暇を取得しようとするときは、事由発生後速やかに、所定の様式により所属長に申請しなければならない。 2. 会社は、必要と認めるときは、婚姻証明書、出生証明書、会葬礼状の写しその他事由を確認できる資料の提出を求めることができる。

第7条(分割取得) 第3条第一号、第二号及び第四号に定める休暇は、会社が認める場合に限り、分割して取得することができる。

第8条(休日・所定休日との調整) 特別休暇の期間中に会社の所定休日が含まれる場合、当該所定休日は特別休暇の日数に算入しない。

第9条(在職期間との関係) 特別休暇は、休職期間中及び育児休業・介護休業期間中は取得することができない。

第10条(記録の保存) 会社は、特別休暇の取得状況及び第6条第2項に基づき提出を受けた資料を、個人情報として適切に管理し、目的外に利用しない。

第11条(制度の見直し) 会社は、特別休暇の種類及び日数について、経営状況、社会情勢の変化等を踏まえ、就業規則の変更手続に従い見直すことができる。

第12条(附則) 本規程は【西暦年】年【 】月【 】日から施行する。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 有給扱い型向け(福利厚生を手厚くしたい企業)

A-1 第4条の修正例 「第3条各号に定める休暇は、いずれも有給とし、通常の賃金を支払う。ただし、ボランティア休暇については、年間【 】日を限度として有給とし、これを超える取得分は無給とする。」 一言解説: 全種別を有給とすると人件費インパクトが大きいため、上限日数を設けた上で有給範囲を明確に区切る書き方が現実的である。

A-2 第3条第四号の修正例 「リフレッシュ休暇 勤続【5】年、【10】年、【20】年に達したとき、それぞれ【5】日(慰労金【 】円を付加することができる)」 一言解説: 有給扱い型の企業では、リフレッシュ休暇に慰労金を組み合わせて長期勤続への動機付けを強める設計がよく用いられる。

B節: 無給扱い型向け(コストを抑えつつ休暇取得を制度化したい企業)

B-1 第4条の修正例 「第3条第一号から第三号までに定める休暇は有給とし、第四号から第六号までに定める休暇は無給とする。無給休暇の取得日は、就業規則第【 】条に定める欠勤とは区別し、勤続年数の算定に当たっては出勤したものとみなす。」 一言解説: 無給扱いとする場合であっても、勤続年数や皆勤評価上の不利益を生じさせないための手当てを明記しないと、制度としての取得しやすさが損なわれる。

B-2 第7条の修正例 「無給休暇については、従業員の希望により、年次有給休暇への振替を認めることができる。振替を希望する従業員は、取得予定日の【 】日前までに申し出るものとする。」 一言解説: 無給扱い型では、従業員が実質的に収入を維持できるよう年休振替の選択肢を用意しておくと制度の利用率が上がりやすい。

第3部: 書き方と法的ポイントの解説

本規程を導入すべき場面は、法定休暇だけでは対応できない従業員のライフイベント(結婚、配偶者の出産、親族の死亡)や、長期勤続者への還元(リフレッシュ休暇)、社会貢献活動への参加(ボランティア休暇)を制度として整備し、採用競争力や定着率を高めたい企業である。逆に、経営状況が不安定で恒常的な人件費増加を吸収できない段階で無理に有給の特別休暇を多数新設すると、後年の制度縮小が労働条件の不利益変更に該当し紛争化するおそれがあるため、導入時点で日数・対象範囲を保守的に設計し、段階的に拡充する方が望ましい場面もある。

根拠法令は労働基準法第89条第1号である。同号は、就業規則の絶対的必要記載事項として「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇……に関する事項」を掲げており、特別休暇のような任意の休暇制度であっても、これを設ける場合には就業規則(又はその委任を受けた本規程のような下位規程)に必ず記載しなければならない。ここで重要なのは、年次有給休暇、産前産後休業(労働基準法第65条)、生理休暇(同法第68条)のような法定休暇とは異なり、結婚休暇やリフレッシュ休暇、慶弔休暇は法律上の付与義務がなく、その日数・有給無給・取得要件のすべてを会社が任意に設計できる点である。したがって、特別休暇規程は「何を、どの範囲で、有給とするか」という制度設計そのものが実務上の核心となる。

実務でよくある失敗の一つ目は、特別休暇の内容を口頭や慣行のみで運用し、就業規則や本規程に明文化しないまま長年継続してしまうことである。労働基準法第89条第1号との関係で記載義務を欠くだけでなく、慣行が積み重なることで労働契約の内容として黙示的に確定し、後から日数を減らすことが不利益変更の問題を生じさせる。対策として、第3条のように種類・日数を明記し、第11条で見直し手続を明確にしておく。

二つ目の失敗は、取得期限や取得要件を定めずに運用し、退職間際にまとめて未消化のリフレッシュ休暇や結婚休暇の取得を求められるなど、想定外のタイミングでの取得申請に対応を迫られることである。第5条のように取得期間を明確に限定し、期間内に取得しなかった場合の失効ルールを定めておくことで、この種の紛争を防止できる。

三つ目の失敗は、忌引休暇の対象となる親族の範囲や日数を曖昧にしたまま運用し、従業員間で不公平感が生じることである。別表で親族の範囲(配偶者、父母、子、兄弟姉妹、祖父母等)ごとの日数を明確に定め、第6条のように確認資料の提出を求める運用とすることで、公平性と証跡の両立が図れる。

特別休暇の日数設定や有給無給の区分は、他の労働条件との整合性や既存の労使慣行との関係で判断が分かれることがあるため、個別の事案については弁護士等の専門家に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 特別休暇の種類ごとに対象事由と日数を明記したか
  • [ ] 各休暇を有給とするか無給とするかを条文上で明確に区分したか
  • [ ] 労働基準法第89条第1号に基づき、就業規則本体又は委任規程として本規程を位置付けたか
  • [ ] 法定休暇(年次有給休暇・産前産後休業・生理休暇等)と本規程の適用範囲が重複していないか確認したか
  • [ ] 取得期限(事由発生からの猶予期間)を各休暇ごとに定めたか
  • [ ] 忌引休暇の対象親族の範囲と日数を別表等で具体的に定めたか
  • [ ] 確認資料(証明書等)の提出要件とその管理方法を定めたか
  • [ ] 契約社員・パートタイマー等への適用の有無を明確にしたか
  • [ ] 休職期間・育児介護休業期間中の取扱いを定めたか
  • [ ] 将来の制度見直し(日数減額等)が不利益変更に当たらないよう改定手続を定めたか