募集事項の決定後に申込者への割当てを決める議事録。会社法第204条第2項の譲渡制限株式に係る割当決議と、割当数の決定や申込証拠金の充当実務を扱います。
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取締役会議事録(募集株式の割当先の決定の件)
第1部: 書式本文
取締役会議事録
株式会社【会社名】は、【開催年月日】午前・午後【◯】時【◯】分より、当会社本店【所在地】において取締役会を開催した。
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取締役の総数及び出席取締役数 取締役の総数【◯】名のうち、出席取締役数【◯】名(会社法第369条第1項の定足数を充足)
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出席監査役 監査役【◯】名出席
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議長 代表取締役【氏名】が議長席に着き、開会を宣し、本取締役会は適法に成立した旨を述べ、直ちに議事に入った。
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前提事実の確認(募集事項決定との区別) 議長は、当会社が【募集事項決定日】開催の取締役会において、会社法第199条に基づき募集株式に関する募集事項(募集株式数、払込金額、払込期日等)を決定済みであること、及び本議事録はこれとは別個の「割当先の決定」に関するものであることを確認した。
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申込状況の報告 議長は、会社法第203条に基づき募集事項を通知した結果、下記の者から申込みがあった旨を報告した。
- 申込者: 【氏名又は名称】、申込株式数: 【◯】株
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申込者: 【氏名又は名称】、申込株式数: 【◯】株 (申込総数が募集株式数を超過する場合、按分割当ての基準を第7項のとおり付議する)
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議案の上程 議長は「募集株式の割当先の決定の件」を議案として上程した。
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決議事項(割当先及び割当数の決定) 審議の結果、出席取締役全員異議なく、会社法第204条第1項に基づき、下記のとおり割当てを受ける者及び割り当てる募集株式の数を決定することを可決した。当会社は譲渡制限株式を発行する会社であるため、本決議は同条第2項に基づく取締役会決議として行うものである。
- 割当先: 【氏名又は名称】、割当株式数: 【◯】株
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割当先: 【氏名又は名称】、割当株式数: 【◯】株 (申込超過の場合の按分基準: 申込株式数に応じた比例按分とする)
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割当通知の実施 会社は、会社法第204条第3項に基づき、払込期日(又は払込期間の初日)の前日までに、各申込者に対し割り当てる募集株式の数を通知するものとする。通知担当者: 【氏名】
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出資の履行に関する確認 割当てを受けた者は、会社法第208条第1項に基づき、払込期日又は払込期間内に、割当てを受けた募集株式について払込金額の全額を払い込むものとする。払込期日: 【年月日】、払込取扱場所: 【金融機関名】
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決議の方法及び結果 議長は各取締役に意見を求めたが特段の異議なく、出席取締役の全員一致をもって上記各号を承認可決した。
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閉会 以上をもって本日の議事を終了したので、議長は閉会を宣した。(閉会時刻: 【◯】時【◯】分)
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議事録の作成 本議事録を作成し、議長及び出席取締役・監査役が次に記名押印する。
【作成年月日】 株式会社【会社名】 取締役会
議長・代表取締役 【氏名】 印 出席取締役 【氏名】 印 出席監査役 【氏名】 印
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 譲渡制限株式としての記載パターン
当会社が発行する株式が譲渡制限株式(会社法第2条第17号)である場合、割当先及び割当数の決定は、取締役会設置会社では取締役会の決議、非取締役会設置会社では株主総会の特別決議によらなければならない(会社法第204条第2項、第309条第2項第5号)。本書式第7項では「当会社は譲渡制限株式を発行する会社であるため」と明記し、決議機関の根拠を議事録上に残す構成としている。非取締役会設置会社の場合は、決議機関を株主総会に置き換え、特別決議であることを議事録に明記する必要がある。
B節: 登記申請用としての記載パターン
登記申請の添付書類として用いる場合、割当先ごとの割当株式数及び払込金額を登記記録上の資本金額・発行済株式総数の変更内容と整合させる必要がある。会社法第915条第1項に基づき、変更登記は払込期日(払込期間を定めた場合は出資の履行があった日)から2週間以内に申請しなければならない。本書式第9項の払込期日を登記申請の起算点として社内の登記管理台帳に反映し、割当決議書と払込証明書を併せて登記申請書類一式として整備する運用が望ましい。
第3部: 書き方と法的ポイントの解説
本書式は、募集株式の募集事項決定(会社法第199条)後に、申込みを受けた者の中から実際に割当てを受ける者及び割当数を決定する場面で使用する。募集事項の決定と割当先の決定は、会社法上明確に区別された別個の決議事項であり、公開会社における株主割当て以外の第三者割当てで、総数引受契約(第205条)によらない場合に本書式を用いる。総数引受契約による場合は割当決議自体が不要となるため、その場合は本書式を使用しない。根拠法令は、募集事項の決定に関する第199条、申込みの手続に関する第203条、割当先・割当数の決定に関する第204条第1項及び第2項、出資の履行に関する第208条、並びに変更登記に関する第915条である。
実務でよくある失敗として、第一に、募集事項決定の決議(株主総会又は取締役会、第199条)と割当決議(第204条)を同一の議事録に混在させてしまい、決議機関・決議要件の区別が不明確になるケースがある。募集事項の決定と割当先の決定は決議日が異なることが多く、また非公開会社(譲渡制限株式発行会社)では募集事項決定に株主総会特別決議が必要となる場合がある一方、割当決議は定款の定めにより取締役会に委任できる場合もあり(第204条第2項)、両者を混同すると決議の有効性に疑義が生じる。本書式第4項のように、募集事項決定が別議事録である旨を明記することが対策となる。
第二に、申込者の数が募集株式数を超える場合の按分割当ての基準を議事録上明記せず、恣意的な割当てとの疑義を招くケースがある。会社法上、割当ての方法は取締役会(又は株主総会)の裁量に委ねられているが、基準が不明確なまま特定の申込者のみを優遇するように見える割当てを行うと、株主間の公平性を巡る紛争の火種となり得る。本書式第7項のように、按分の基準(例: 申込株式数に応じた比例按分)を議事録に明記することが対策となる。
第三に、払込期日と割当日の前後関係を誤り、出資の履行手続に支障が出るケースがある。会社法第204条第3項は、会社が申込者に対し、払込期日(払込期間を定めた場合はその初日)の前日までに割当てる募集株式の数を通知しなければならない旨を定めており、通知が遅れると申込者が期日までに払込みを行えない事態が生じ得る。本書式第8項のように、通知期限と担当者を明記することが対策となる。なお、割当先の選定基準や按分方法の適法性については、既存株主の持株比率への影響等を踏まえた個別判断が必要となるため、専門家に確認することが不可欠である。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 募集事項決定(第199条)の議事録と本議事録(割当決議)を明確に分けて作成したか
- [ ] 当会社が譲渡制限株式発行会社かどうかを確認し、決議機関(取締役会又は株主総会)を正しく選択したか(第204条第2項)
- [ ] 申込者ごとの申込株式数を正確に記載したか(第203条)
- [ ] 割当先ごとの割当株式数を具体的に決定したか(第204条第1項)
- [ ] 申込超過の場合の按分割当て基準を明記したか
- [ ] 割当通知の期限(払込期日又は払込期間初日の前日まで)を遵守する体制を確認したか(第204条第3項)
- [ ] 出資の履行期日・履行方法を明記したか(第208条第1項)
- [ ] 総数引受契約(第205条)による場合ではないことを確認したか
- [ ] 変更登記の申請期限(第915条、2週間以内)を確認したか
- [ ] 取締役会の定足数(第369条第1項)を満たしているか確認したか