事業年度の中途に一回限り行う中間配当の議事録。会社法第454条第5項の定款の定めを前提とした取締役会決議と、基準日・効力発生日・分配可能額の確認を扱います。
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取締役会議事録(中間配当の件)
第1部: 書式本文
取締役会議事録
- 開催日時 【20XX年X月X日 午前/午後X時X分から同X時X分まで】
- 開催場所 【本店所在地/会議室名等】
- 出席取締役 【総数X名中X名出席(議長を含む)】
- 出席監査役 【総数X名中X名出席】(監査役設置会社の場合)
- 議長 定款の定めに基づき、代表取締役【氏名】が議長となり、本取締役会は適法に成立した旨を述べ、開議を宣した。
- 前提事実の確認 議長は、当会社定款第【 】条に、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議によって毎事業年度中1回に限り、基準日を定めて中間配当をすることができる旨の定めが存する旨を説明した。
- 議案 「剰余金の配当(中間配当)に関する件」を議場に諮った。
- 分配可能額の確認 議長は、会社法第461条第1項第6号の規定に基づき、直近の貸借対照表及び本取締役会決議時点までの状況を踏まえて分配可能額を算定した結果、【金X,XXX,XXX円】であり、下記配当総額がこれを下回ることを確認した旨を報告した。
- 決議事項(会社法第454条第1項各号) (1) 配当財産の種類 金銭 (2) 配当財産の帳簿価額の総額 金【 】円 (3) 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 普通株式1株につき金【 】円 (4) 剰余金の配当がその効力を生ずる日 【20XX年X月X日】
- 基準日 会社法第124条第1項の規定に基づき、【20XX年X月X日】(定款第【 】条所定の基準日)を基準日とし、当該基準日現在の株主名簿に記載又は記録された株主に対して中間配当を行う旨を決議した。
- 実施回数の確認 議長は、本決議が当事業年度において会社法第454条第5項に基づく中間配当の決議として初回であり、同項所定の「1事業年度の途中において1回」の要件に適合することを確認した旨を付言した。
- 採決 議長が本議案を議場に諮ったところ、出席取締役の全員一致をもって、原案どおり承認可決した。
- 閉会 以上をもって本日の議案の審議を終了したので、議長は閉会を宣した。
- 議事録の作成 上記の議事の経過の要領及びその結果を明確にするため、本議事録を作成し、議長及び出席取締役はこれに記名押印する。
【20XX年X月X日】 【会社名】 議長・代表取締役 【氏名】 印 出席取締役 【氏名】 印 出席監査役 【氏名】 印
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 定款規定あり(会社法第454条第5項の中間配当規定を採用している会社)
このパターンは第1部本文がそのまま該当する典型形である。留意点として、第6項の「前提事実の確認」では定款の該当条番号を必ず特定し、議事録上で定款の授権範囲を明示する。これにより、当該決議が株主総会決議を経ない取締役会限りの決議として有効であることの根拠が議事録上で完結する。書き換え例としては、第9項の決議事項の直後に「本決議は当会社定款第【 】条の授権に基づくものであり、当事業年度における会社法第454条第5項の中間配当としては本決議が最初かつ唯一のものである」旨の一文を追記すると、後日の登記・税務調査対応時の説明資料としても有用である。
B. 取締役会設置会社(監査役会・会計監査人の関与を含む機関設計を想定)
取締役会設置会社であっても、監査役会設置会社や会計監査人設置会社では、分配可能額の算定根拠として会計監査人の監査を経た計算書類を用いる旨を議事録に補記することが望ましい。書き換え例として第8項を次のように修正する。「議長は、会計監査人【氏名又は監査法人名】の監査を経た直近の貸借対照表を基礎とし、会社法第461条第2項所定の方法により算定した分配可能額が【金額】であること、及び中間配当後も欠損を生じるおそれがないことを監査役【氏名】に確認した旨を報告した。」また、監査役会設置会社では第4項の監査役出席の記載を必須とし、監査役の意見の有無を議事録上に記録することで、事後的な適法性確認を容易にする。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面: 定款に会社法第454条第5項の中間配当に関する定めを置いている取締役会設置会社が、事業年度の途中において1回に限り、取締役会限りの決議で剰余金の配当(中間配当)を実施する場合に使用する。株主総会決議による剰余金配当(会社法第454条第1項本文)や、会社法第459条第1項の規定により取締役会が年度を通じて配当を決定できる旨の定款授権(いわゆる会社法第459条型の配当決議)とは制度趣旨が異なるため、これらを混同して流用してはならない。459条型は事業年度中に複数回の配当決議が可能であるのに対し、454条5項の中間配当は文言上「1事業年度の途中において1回に限り」との制約があり、この一線を越えると取締役会決議自体が定款の授権範囲を逸脱した違法な決議となるおそれがある。
根拠法令: 会社法第454条第1項(配当財産の種類・帳簿価額の総額・割当てに関する事項・効力発生日の決定事項)、同条第5項(取締役会設置会社における年1回限りの中間配当の定款授権)、同法第461条第1項第6号(分配可能額規制、中間配当にも適用)、同法第124条(基準日及び基準日株主の権利行使期間)、同法第459条第1項(取締役会への一般配当権限授権、454条5項とは適用場面が異なる点に留意)。
実務でよくある失敗と対策: (a) 1事業年度に2回以上、454条5項の中間配当決議を行ってしまうケースがある。これを防ぐには、議事録の第11項のように「当事業年度における初回である」旨を明記し、取締役会議事録の管理台帳で年度ごとの実施回数をチェックする運用を併せて整備することが有効である。 (b) 分配可能額の算定を前事業年度末の計算書類の数値のみで行い、期中の損失発生や自己株式取得等による分配可能額の減少を反映しないまま配当を実施してしまうリスクがある。第8項のとおり、決議時点における最新の状況を踏まえた算定を行い、その算定過程を議事録に残すことで、会社法第461条違反(同法第462条の填補責任)のリスクを軽減できる。 (c) 定款上「毎年9月30日」等と基準日が固定されている場合に、これと異なる日を基準日として決議してしまう不整合が生じやすい。第10項のように定款条項を明示的に引用し、基準日が定款規定と一致していることを議事録上で確認する運用が望ましい。
なお、分配可能額の算定方法や欠損填補責任の具体的な適用範囲については事案ごとに数値や事実関係が異なるため、個別事案については専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 定款に会社法第454条第5項に基づく中間配当の授権規定が存在するか確認したか
- [ ] 当事業年度において本決議が中間配当決議として初回であることを確認したか
- [ ] 分配可能額(会社法第461条第1項第6号)を決議時点の最新の状況で算定したか
- [ ] 基準日(会社法第124条)が定款所定の基準日規定と整合しているか確認したか
- [ ] 配当財産の種類・帳簿価額の総額・割当てに関する事項・効力発生日を漏れなく決議事項に記載したか
- [ ] 監査役設置会社の場合、監査役の出席及び意見の有無を記載したか
- [ ] 会計監査人設置会社の場合、監査を経た計算書類に基づく算定であることを記載したか
- [ ] 出席取締役数が定足数を満たしているか確認したか
- [ ] 議長及び出席取締役の記名押印欄を設けたか
- [ ] 効力発生日以降の払込手続・株主への通知スケジュールを別途整理したか