監査報告を受けた計算書類等を承認する決算取締役会の議事録。会社法第436条第3項の取締役会承認と第438条の株主総会への提出、附属明細書の取扱いを解説します。
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取締役会議事録(計算書類及び事業報告の承認の件)
第1部: 書式本文
取締役会議事録
【会社名】は、【西暦】年【月】日【時】時【分】分より、当会社本店において取締役会を開催した。
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開会 議長・代表取締役【氏名】は、取締役総数【〇】名中出席取締役【〇】名、監査役総数【〇】名中出席監査役【〇】名であり、会社法第369条第1項の定足数を満たすことを確認し、開会を宣した。
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議案上程 議長は、第1号議案「計算書類及び事業報告の承認の件」を上程した。
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監査報告の受領確認 議長は、監査役【氏名】及び会計監査人【監査法人名】より、【事業年度】に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)、事業報告及びこれらの附属明細書について、会社法第436条第2項に基づく監査を了し、【西暦】年【月】日付をもって監査報告書の提出を受けたことを報告した。
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監査結果の要旨説明 議長は、会計監査人の会計監査報告において計算書類が「適正に表示している」旨の意見が付されたこと、及び監査役の監査報告において会計監査人の監査の方法及び結果が相当である旨の意見が付されたことを報告した。
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計算書類の承認決議 議長は、監査報告の内容を踏まえ、【事業年度】に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)を別紙のとおり承認することの可否を諮ったところ、出席取締役の全員一致をもって、会社法第436条第3項に基づきこれを承認する旨を決議した。
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事業報告の承認決議 議長は、【事業年度】に係る事業報告及びその附属明細書を別紙のとおり承認することの可否を諮ったところ、出席取締役の全員一致をもって、会社法第436条第3項に基づきこれを承認する旨を決議した。
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連結計算書類の承認決議(連結計算書類作成義務がある場合) 議長は、当会社が会社法第444条第3項の規定により連結計算書類の作成義務を負う会社であることを確認し、【事業年度】に係る連結計算書類について、監査役及び会計監査人の監査報告の内容を踏まえ、単体の計算書類とは別個の決議事項として承認することの可否を諮ったところ、出席取締役の全員一致をもって、これを承認する旨を決議した。
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定時株主総会への提出方針の確認 議長は、承認された計算書類、事業報告及び連結計算書類(該当する場合)を、会社法第438条第1項に基づき定時株主総会に提出し、計算書類については承認を求め、事業報告についてはその内容を報告する旨を確認した。
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招集通知への添付の確認 議長は、会社法第437条に基づき、承認された計算書類及び事業報告(附属明細書を除く)を定時株主総会の招集通知に添付する旨を確認した。
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閉会 以上をもって本日の議事を終了したので、議長は閉会を宣した。
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議事録の作成 本議事録を作成し、議長及び出席取締役・監査役はこれに記名押印する。
【西暦】年【月】日
【会社名】取締役会
議長・代表取締役 【氏名】 印 取締役 【氏名】 印 取締役 【氏名】 印 監査役 【氏名】 印
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 決算取締役会として開催する場合
定時株主総会に先立つ決算取締役会は、計算書類等の内容確定と株主総会招集決議を一体として行うことが多い。本節では、計算書類の承認決議と同一の取締役会において株主総会招集決議も併せて行う場合の記載例を示す。
修正条文例: 「議長は、第1号議案として計算書類及び事業報告の承認の件を、第2号議案として定時株主総会招集の件をそれぞれ上程し、第1号議案の承認決議に続けて、第2号議案について会社法第298条第1項に基づく招集事項を決議した。」 一言解説: 計算書類の承認と株主総会招集の決議は別個の議案として明確に分離して記載し、それぞれの決議要件(定足数・決議方法)を満たしていることを個別に確認する。
B節: 監査報告受領後に承認決議を行う場合
会社法第436条第3項は、取締役会設置会社において計算書類等を承認するには、あらかじめ監査役又は会計監査人の監査を受けたものであることを前提とする。監査報告の受領前に承認決議を行うと、監査手続を経ない違法な決議となるおそれがある。本節は、監査報告の受領日と取締役会開催日の関係を議事録上明確にする記載例である。
修正条文例: 「議長は、会計監査人の監査報告を【西暦】年【月】日に、監査役会の監査報告を【西暦】年【月】日にそれぞれ受領しており、会社法施行規則第132条に定める監査報告の通知期限を徒過していないことを確認したうえで、本日の承認決議に付する旨を説明した。」 一言解説: 監査報告の通知期限(施行規則第132条)を徒過した場合、みなし承認等の特則が生じ得るため、通知日を必ず議事録に記録しておく。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、監査役又は監査役会及び会計監査人による監査を経た計算書類、事業報告及びこれらの附属明細書について、取締役会が承認決議を行う、いわゆる決算取締役会の議事録として使用する。監査役設置会社又は会計監査人設置会社でない中小企業(取締役会非設置会社等)では、承認手続の構造が異なるため本書式をそのまま使用することはできない。
根拠法令は、監査役・会計監査人による監査及び監査報告の作成を定める会社法第436条第2項、取締役会設置会社における計算書類・事業報告・附属明細書の取締役会承認を定める第436条第3項、招集通知への計算書類等の添付を定める第437条、定時株主総会への提出及び報告(計算書類は承認、事業報告は報告)を定める第438条第1項、連結計算書類の作成義務及び承認手続を定める第444条、並びに監査報告の通知期限に関する会社法施行規則第132条である。
実務でよくある失敗として、第一に、監査役又は会計監査人からの監査報告を受領する前に取締役会の承認決議を行ってしまい、監査手続の実効性を欠いた決議となるリスクがある。本書式第3項のように、監査報告の受領日を議事録上に明記し、受領後に承認決議を行う順序を厳守することが対策となる。第二に、附属明細書について株主総会での取扱いを、報告事項と誤解し承認決議の対象から外してしまうケースがある。会社法第436条第3項は計算書類・事業報告に加え「これらの附属明細書」についても取締役会の承認事項である旨を明記しており、本書式第5項・第6項のとおり附属明細書を承認対象に含めて記載する必要がある。第三に、連結計算書類の承認決議を単体計算書類の決議に包含させてしまい、独立した決議事項として扱わないケースがある。連結計算書類の作成義務がある会社(会社法第444条第3項)では、単体と連結それぞれについて監査報告を踏まえた承認決議を個別に行うべきであり、本書式第7項のように別建ての決議として記載することが望ましい。なお、監査報告の通知期限や承認手続の適法性は事案により異なるため、個別事案については専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 監査役(監査役会)及び会計監査人から監査報告を受領済みであることを確認したか
- [ ] 監査報告の受領日を取締役会開催日より前の日付として議事録に記載したか
- [ ] 会社法施行規則第132条の監査報告通知期限を徒過していないか確認したか
- [ ] 計算書類(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)を漏れなく承認対象としたか
- [ ] 事業報告及びその附属明細書を承認対象に含めたか
- [ ] 連結計算書類作成義務の有無を確認し、該当する場合は個別の決議事項としたか
- [ ] 定時株主総会への提出方針(計算書類は承認、事業報告は報告)を区別して記載したか
- [ ] 招集通知への添付書類の範囲(会社法第437条)を確認したか
- [ ] 取締役会の定足数(会社法第369条第1項)を満たしているか
- [ ] 議長及び出席取締役・監査役の記名押印欄に不備がないか