セット内容
- Web制作 保証・瑕疵担保特約 2バージョン(発注側/制作会社側)Word形式
- 保証期間・無償修正範囲の設定例
- 契約不適合責任の期間制限に関する解説
こんな場面で
Webサイト・システムの納品後に発生する不具合・表示崩れ等への対応範囲・期間をあらかじめ取り決めたい場面。
特長
- 民法改正後の契約不適合責任を踏まえた保証期間・通知期限の設計例を収録
- 無償対応の範囲(バグ修正)と有償対応の範囲(仕様変更)を切り分け
- 制作委託契約書(seisaku-itaku-keiyaku)・保守運用委託契約書(hosyu-unyo-keiyaku)と組み合わせて利用可能な特約条項
Web制作 保証・瑕疵担保特約(監修用ドラフト)
⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。
商品ID: webseisaku-hosyoyakkan / 価格: 1,980円 / 立場バージョン: 発注側・制作会社側
Webサイト・システムの納品後に発生する不具合・表示崩れ等への対応範囲・期間をあらかじめ取り決めたい場面を想定する。本特約は単独の契約書ではなく、既存のWeb制作業務委託契約書に追加して締結する特約書として構成する。本ドラフトは第2部で「発注側」「制作会社側」の2バージョンの差分を提示する構成とし、第1部には中立版をベース条文として掲載する。制作委託契約書(seisaku-itaku-keiyaku)・保守運用委託契約書(hosyu-unyo-keiyaku)と組み合わせて利用することを想定する。
第1部: 契約書(特約書)本文(標準版・中立)
Web制作 保証・瑕疵担保特約
〇〇〇〇(以下「甲」という。)と〇〇〇〇(以下「乙」という。)とは、甲乙間で別途締結するWeb制作業務委託契約書(以下「原契約」という。)に基づき納品されたWebサイト等の成果物に関する保証及び契約不適合責任の内容を、原契約の内容を補完する特約として、次のとおり合意する(以下「本特約」という。)。
第1条(目的及び原契約との関係)
- 本特約は、原契約に基づき乙が甲に納品したWebサイト、Webシステムその他別紙に定める成果物(以下「本件成果物」という。)について、納品後に発見される不具合等への対応範囲、保証期間及び契約不適合責任の内容を定めることを目的とする。
- 本特約に定めのない事項については、原契約の定めるところによる。本特約と原契約の内容が抵触する場合、本件成果物の保証及び契約不適合責任に関する事項については本特約が優先して適用される。
第2条(用語の定義)
本特約において使用する用語の意義は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)「検収完了日」原契約に定める検収手続に従い、甲が本件成果物の検収に合格したことを乙に通知した日、又は検収期間の満了により検収に合格したものとみなされた日をいう。 (2)「保証期間」次条に定める、本特約に基づき乙が無償対応義務を負う期間をいう。 (3)「不具合」本件成果物が納品時点における仕様書その他甲乙間で合意した仕様(以下「仕様書等」という。)の内容に適合しないこと(表示崩れ、機能の不作動、動作エラーその他仕様との齟齬を含む。)をいう。
第3条(保証期間)
- 乙は、甲に対し、本件成果物について、検収完了日から起算して別紙に定める期間(3か月、6か月又は1年のいずれかを選択し、別紙に明記する。)、次条に定める無償対応を行う(以下「保証期間」という。)。
- 保証期間は、本件成果物の性質、更新頻度及び甲の予算に応じて、甲乙協議のうえ別紙に定めるものとし、特段の合意がない場合は6か月とする。
- 保証期間経過後に発見された不具合への対応は、次条第2項に定める有償対応として取り扱う。
第4条(無償対応の範囲及び有償対応の範囲)
- 乙は、保証期間中に甲から通知を受けた次の各号に該当する事象について、無償で修正対応を行う。 (1)納品時の仕様書等との齟齬(仕様書等に定めた機能又は表示が実装されていないこと) (2)本件成果物に起因するプログラムの不具合(バグ) (3)納品時点で存在した表示崩れ(レイアウト崩れ、文字化けその他の表示異常であって、納品時に存在していたと認められるもの)
- 次の各号に該当する事象への対応は、有償対応とし、甲乙協議のうえ別途見積り及び発注手続を経たうえで乙が対応する。 (1)新機能の追加、仕様書等に定めのない機能の実装 (2)デザイン、レイアウト、文言その他の変更(仕様書等の範囲を超えるものに限る。) (3)第三者が提供するサービス、API、プラグイン、ライブラリ等の仕様変更、提供終了又は障害に起因する不具合への対応 (4)第7条に定める免責事由に該当する事象への対応 (5)その他仕様書等の範囲を超える作業
- 甲から乙への通知の時点で、無償対応の範囲に該当するか有償対応の範囲に該当するかについて甲乙間で見解が分かれる場合、甲乙協議のうえ、原因を調査し、当該調査の結果を踏まえて区分を確定するものとする。当該調査に要する合理的な費用の負担についても協議による。
第5条(契約不適合責任)
- 保証期間中に本件成果物の契約不適合(前条第1項各号に該当する事象をいう。以下同じ。)が判明した場合、甲は、乙に対し、修補による履行の追完を請求することができる。
- 甲は、前項の履行の追完の催告をしたにもかかわらず、相当の期間内に履行の追完がないときは、契約不適合の程度に応じて原契約に定める委託料の減額を請求することができる。
- 甲は、契約不適合により損害を被ったときは、乙の責めに帰することができない事由による場合を除き、乙に対し損害賠償を請求することができる。
- 契約不適合が乙の責めに帰すべき事由により生じた重大なものであるときは、甲は原契約の解除をすることができる。
第6条(通知期限)
- 甲は、本件成果物の契約不適合を発見したときは、保証期間中に、遅滞なくその内容を書面又は電子メールその他記録の残る方法により乙に通知しなければならない。
- 甲が保証期間の満了後に契約不適合を通知した場合、乙は当該契約不適合について本特約に基づく無償対応義務を負わない。ただし、乙が本件成果物の納品時に契約不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
- 甲及び乙がいずれも商人(会社法上の会社又は商法上の商人に該当する事業者をいう。)である場合、商法第526条により、甲は本件成果物の受領後遅滞なく検査を行い、契約不適合を発見したときは直ちに乙に通知しなければ、当該契約不適合を理由とする履行の追完請求、代金減額請求、損害賠償請求及び契約の解除をすることができない場合がある点に留意する。本特約に定める保証期間及び通知期限は、この商法上の検査通知義務を踏まえたうえで、民法第637条の請負契約における契約不適合の通知期間(不適合を知った時から1年以内)の考え方を参考に、甲乙間で別途合意した期間として定めるものである。
- 前3項の規定にかかわらず、乙が契約不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、甲は保証期間及び通知期限の経過後であっても、第5条に基づく請求をすることを妨げられない。
第7条(免責事由)
乙は、次の各号のいずれかに該当する事象に起因して生じた不具合その他の契約不適合については、無償対応の義務を負わず、その原因究明及び対応に要する費用は甲の負担とする。
(1)甲又は甲が指示した第三者による本件成果物の無断改変、無断でのプログラム又はデータの変更 (2)閲覧環境(ブラウザ、OS、デバイス等)のアップデート又は仕様変更により生じた表示崩れその他の不具合(ただし、乙が納品時点で通常想定すべき範囲の閲覧環境への対応を怠っていた場合を除く。) (3)第三者が提供するAPI、プラグイン、CMS、サーバー環境、外部サービス等の仕様変更、提供終了、障害又はセキュリティ上の脆弱性に起因する不具合 (4)甲の指示に起因する不具合(甲の指示が第三者の権利を侵害するものである場合等を含む。) (5)天災地変、通信回線の障害その他乙の責めに帰することができない事由による不具合 (6)本件成果物の通常の用法を逸脱した使用方法に起因する不具合
第8条(保証対応の手続)
- 甲は、不具合を発見したときは、第6条に定める方法により、不具合の内容、発生日時、発生状況その他乙が原因調査を行うために必要な情報を可能な限り具体的に乙に通知するものとする。
- 乙は、前項の通知を受領した後、速やかに内容を確認し、〇営業日以内に、当該事象が無償対応の範囲に該当するか有償対応の範囲に該当するかの一次的な回答を甲に行う。
- 乙は、無償対応に該当すると判断した事象について、甲乙協議のうえ合理的な期間内に修正対応を行う。対応に相当の期間を要する場合、乙は甲に対しその見込み期間を通知する。
- 緊急性の高い不具合(本件成果物の全部又は主要な機能が利用不能となる場合等)については、甲乙協議のうえ、通常の対応期限によらず優先的に対応するものとする。
第9条(損害賠償の範囲及び上限)
- 乙が本特約に基づき負う契約不適合責任及び債務不履行責任に基づく損害賠償の範囲は、通常かつ直接の損害に限るものとし、逸失利益その他の特別損害を含まないものとする。
- 前項の損害賠償の累計額は、原契約に基づき甲が乙に支払った本件成果物に係る委託料の総額を上限とする。ただし、乙の故意又は重過失による場合はこの限りでない。
- 前2項の規定は、原契約に別段の定めがある場合を除き、原契約に基づく損害賠償条項に優先して本件成果物に関する契約不適合責任について適用される。
第10条(有効期間)
本特約は、原契約の効力発生と同時に効力を生じ、保証期間の満了及びこれに基づく甲乙間の請求権の消滅をもって終了する。ただし、第6条から第9条まで及び本条の規定は、本特約終了後も、これらの規定により生じた権利義務が消滅するまでの間、なお効力を有する。
第11条(協議事項)
本特約に定めのない事項又は本特約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ解決するものとする。
以上、本特約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。
〇〇〇〇年〇〇月〇〇日
(甲)住所 商号又は名称 代表者名 印
(乙)住所 商号又は名称 代表者名 印
別紙(本件成果物の特定、保証期間の選択(3か月/6か月/1年)、無償・有償対応の具体的な線引き例を記載)
第2部: 立場別修正パターン
商品には「発注側有利」「制作会社側有利」の2バージョンを収録する。第1部は中立版をベースとしており、以下は各バージョンを作成する際の差分(代替条文)である。
A. 発注側有利バージョンへの変更
A-1. 第3条(保証期間)の長期化
修正後: 「保証期間は、検収完了日から起算して1年間とする。ただし、甲乙間で別途合意した場合、これを更新することができる。」
解説: 選択式の期間(3か月・6か月・1年)のうち最長の1年を基本形として提示し、さらに更新の余地を残す修正。制作会社側にとっては無償対応義務の期間が長期化し、体制維持コストが増すため、保証期間中の無償対応件数に上限を設ける等の調整を求められることが多いと考えられる。
A-2. 第4条(無償対応の範囲)を拡大
修正後: 「第三者が提供するAPI、プラグイン等の軽微な仕様変更に伴う調整対応についても、乙の通常の保守作業の範囲内である場合は無償対応とする。」(第4条第2項第3号の一部を無償対応側に取り込む)
解説: 発注側にとっては、外部サービスの軽微な仕様変更への対応まで保証対応に含めたいという要請がある。制作会社側からは、外部要因に起因する作業まで無償化すると採算が合わなくなるため、「軽微な調整」の範囲を明確に定義するよう求められると考えられる。
A-3. 第6条(通知期限)の実質的な延長
修正後: 「甲は、契約不適合を知った時から〇か月以内に通知すれば足りるものとし、保証期間の満了時点で既に発見されていた契約不適合については、保証期間経過後であっても当該期間内であれば通知することができる。」
解説: 保証期間内に「発見」されていれば、通知自体は期間経過後でも一定期間許容する修正。制作会社側にとっては責任の存続期間が事実上延びるため、上限期間(例えば保証期間満了後3か月以内等)を設ける形での折衷が現実的と考えられる。
A-4. 第9条(損害賠償の上限)の撤廃又は拡大
修正後: 「乙が甲の指示によらず不適切な実装を行ったことに起因する契約不適合については、前条の上限を適用しない。」
解説: 制作会社側の実装ミスに起因する重大な不具合について上限を外す修正。発注側にとっては合理性があるが、制作会社側にとっては予見可能性が下がるため、「不適切な実装」の該当範囲を限定する等の調整が交渉上の論点になると考えられる。
A-5. 第7条(免責事由)の限定
修正後: 「第2号(閲覧環境のアップデートによる表示崩れ)については、乙が納品時点で主要な閲覧環境(別紙に列挙するブラウザ・OSのバージョン)への対応を行っていた場合に限り免責されるものとし、当該列挙に含まれる環境への対応不備に起因する不具合は無償対応とする。」
解説: 免責事由を無限定に広く認めると発注側の保護が薄くなるため、対応すべき閲覧環境を別紙で具体的に列挙し、その範囲内は免責の対象外とすることで、免責事由の適用範囲を絞る修正である。
B. 制作会社側有利バージョンへの変更
B-1. 第3条(保証期間)の短縮
修正後: 「保証期間は、検収完了日から起算して3か月間とする。」(選択式のうち最短期間を基本形として提示)
解説: 制作会社側の体制維持コストを抑える修正。特に小規模な制作会社・フリーランスにとっては、長期の保証期間は経営上の負担となりやすいため、短めの期間を基本としつつ、有償の保守運用契約(
hosyu-unyo-keiyaku)への移行を促す設計と組み合わせることが多いと考えられる。
B-2. 第4条(無償対応の範囲)を限定
修正後: 「無償対応の範囲は、本件成果物の主要な機能が仕様書等のとおりに動作しないという重大な不具合に限るものとし、軽微な表示のずれ、文言の誤字脱字その他甲の利用に実質的な支障を生じさせない事象は無償対応の対象外とする。」
解説: 「重大な不具合」に限定することで、些細な指摘への対応工数を抑える修正。発注側からは「重大」の基準が曖昧との指摘が予想されるため、判定基準の例示(機能停止、決済不能等)を別紙に追加することが望ましいと考えられる。
B-3. 第6条(通知期限)をより短期化
修正後: 「甲は、本件成果物の納品後〇日以内に初期確認を行い、当該期間内に発見された契約不適合については乙が無償対応する。当該初期確認期間経過後に発見された契約不適合については、保証期間中であっても、軽微なものは有償対応とすることができる。」
解説: 商法第526条の商人間の検査通知義務を強く反映し、納品直後の集中的な検査を促す修正。発注側にとっては初期確認の負担が増すため、初期確認期間の長さについて交渉の余地を残すべきである。
B-4. 第7条(免責事由)を拡大
追加条文例: 「甲が乙の推奨するホスティング環境以外の環境で本件成果物を運用したことに起因する不具合」「乙が事前に警告した第三者サービスの仕様変更に起因する不具合であって、甲が乙の提案する対応(有償)を採用しなかった場合に生じたもの」
解説: 運用環境やホスティングの選択が甲に委ねられている場合、それに起因する不具合まで乙が責任を負うのは酷であるため、免責事由を具体的に拡張する修正。発注側からは、免責事由の拡大が実質的な保証の空洞化にならないか確認を求められると考えられる。
B-5. 第9条(損害賠償の上限)をより低額に設定
修正後: 「損害賠償の累計額は、原契約に基づき甲が乙に支払った委託料のうち、本件成果物に係る部分の総額の50パーセントを上限とする。ただし、乙の故意による場合を除く。」(重過失も除外対象から外し、上限額も減額)
解説: 小規模な制作会社・フリーランスにとって、委託料全額を超える賠償リスクは事業継続に影響するため、上限額をさらに引き下げる修正。発注側からは、上限額が低すぎると実効的な救済にならないとの指摘が予想される。
C. 中立バージョンの位置づけ
第1部の本文がこれに該当する。保証期間を選択式(3か月・6か月・1年)とし、無償対応と有償対応の線引きを類型ごとに明示することで、発注側・制作会社側いずれの事情にも一定程度対応できる汎用的な条文構成としている。
第3部: 逐条解説(購入者向け)
第1条(目的及び原契約との関係) 本商品は独立した契約書ではなく「特約」であることが最大の特徴である。原契約(Web制作業務委託契約書)に保証・契約不適合責任に関する条項が既に存在する場合、本特約との優劣関係を明確にしておく必要がある。本条第2項では、保証及び契約不適合責任に関する事項について本特約を優先させる整理としているが、原契約側の該当条項を削除又は本特約の適用を明記する形で修正しておくことが望ましい。
第3条(保証期間) 保証期間の長さは、Webサイトの性質(静的なコーポレートサイトか、頻繁に更新されるECサイト・Webシステムか)によって適切な水準が異なる。短期間(3か月)は主に小規模な制作物、長期間(1年)はシステム開発に近い性質を持つ案件で選択されることが多いと考えられる。保証期間の起算点を「検収完了日」としている点も重要であり、原契約の検収条項(検収期間、みなし合格の有無)と整合させる必要がある。
第4条(無償対応の範囲及び有償対応の範囲) 本商品の核心となる条項であり、「バグ修正」と「仕様変更」の切り分けが実務上最も紛争になりやすい部分である。無償対応は「納品時点の仕様との齟齬」を基準とし、有償対応は「新機能追加・デザイン変更・仕様書の範囲を超える作業」を基準とすることで、原則的な線引きを明示している。もっとも、実際の現場では「これはバグか仕様変更か」の判断が割れる事象が多いため、第3項のような協議・調査手続を設けることで、一方的な判断による紛争を避ける設計としている。
第5条・第6条(契約不適合責任・通知期限) 2020年施行の民法(債権法)改正により、瑕疵担保責任は契約不適合責任に整理された。請負契約における契約不適合の通知期間は、民法第637条により「不適合を知った時から1年以内」が原則とされる。もっとも、甲乙がいずれも商人である場合、商法第526条により、目的物の受領後遅滞なく検査し、契約不適合を発見したときは直ちに通知しなければ、履行の追完請求等ができなくなる場合がある点に留意が必要である。本特約の保証期間・通知期限は、これらの法定期間よりも短い期間を契約上定める実務(システム開発・Web制作の業界慣行として一般的)を反映したものであり、法定の期間制限を単純に延長・短縮するものではなく、契約当事者間の合意により別途期間を定める性質のものである点を理解しておく必要がある。
第7条(免責事由) Web制作特有の免責事由として、閲覧環境(ブラウザ・OS)のアップデートによる表示崩れと、第三者提供のAPI・プラグインの仕様変更が挙げられる。これらは制作会社の関与なく発生する事象であるため、免責の対象とするのが一般的である。もっとも、免責の範囲が広すぎると発注側の保護が実質的に失われるため、「乙が納品時点で通常想定すべき範囲の閲覧環境への対応を怠っていた場合を除く」という限定を付している。この「通常想定すべき範囲」の具体化(対応ブラウザのバージョン等の別紙記載)が、実務上の運用を左右する重要なポイントとなる。
第8条(保証対応の手続) 不具合発見時の通知方法・対応期限を明確にすることで、「連絡したのに対応してもらえない」「対応期限が分からない」といった実務上の紛争を防止する趣旨である。緊急性の高い不具合(サイト全体のダウン等)については、通常の対応フローと別建てで優先対応する旨を明記しており、購入者の事業内容(ECサイト等、稼働停止の影響が大きいサービス)に応じて対応期限の水準を調整すべきである。
第9条(損害賠償の範囲及び上限) 賠償範囲を通常損害に限定し、逸失利益を除外する構成は、受注側(制作会社)にとって一般的に望ましいとされる設計である。上限額を委託料総額とする例が実務上多いが、ECサイトのように機会損失(売上減少)が生じやすい成果物の場合、発注側から上限額の引き上げを求められることが想定される。
第4部: 監修者への確認依頼事項
- 第1条第2項の「本特約が原契約に優先する」という整理について、原契約側の契約不適合責任条項との抵触・重複を回避するための条文設計として十分か、より明確な優先関係の定め方があれば確認いただきたい。
- 第6条第3項の商法第526条(商人間の検査通知義務)と民法第637条の通知期間の関係について、本特約に定める保証期間・通知期限が両法令の趣旨と矛盾しない整理になっているか確認いただきたい。
- 第4条の無償対応・有償対応の区分について、実務上頻出する境界事例(レスポンシブ対応の不備、SEO上の軽微な不具合等)を追加で例示すべきか確認いただきたい。
- 第7条の免責事由のうち、第三者提供のAPI・プラグインの仕様変更に起因する不具合について、乙が事前に代替手段を提案していた場合の免責の成立要件をより具体化すべきか確認いただきたい。
- 第9条の損害賠償上限(委託料総額を基準とする設計)について、ECサイト等、稼働停止による事業損失が大きい成果物の場合に別段の上限設定を推奨すべきか確認いただきたい。
- 本特約と保守運用委託契約書(
hosyu-unyo-keiyaku)との役割分担について、保証期間満了後の有償保守への移行を促す文言を本特約に追加すべきか、それとも別商品の解説に委ねるべきか確認いただきたい。 - 第3条の保証期間の選択式(3か月・6か月・1年)について、Webサイトの類型(コーポレートサイト、ECサイト、Webアプリケーション等)ごとの推奨期間を第3部の解説に追記すべきか確認いただきたい。