民法第909条の2に基づき単独で払戻しを求める請求書です。上限額の計算方法、使途、後の遺産分割での精算を整理します。必要事項を埋めるだけで短時間に整えられる書式です。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

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遺産分割前の預貯金払戻し請求書

第1部: 書式本文

【金融機関名】【支店名】支店 御中

                                    【西暦】年【 】月【 】日

差出人(請求者) 住所 【 】 氏名 【 】 印 被相続人との続柄 【 】 連絡先電話番号 【 】

預貯金払戻請求書(民法第909条の2に基づく単独払戻請求)

第1条(請求の趣旨) 請求者は、下記被相続人に係る預貯金債権について、民法第909条の2の規定に基づき、遺産分割協議の成立を待たずに単独で払戻しを請求する。

第2条(被相続人の表示) 氏名 【 】 最後の住所 【 】 生年月日 【 】年【 】月【 】日 死亡年月日(相続開始日) 【 】年【 】月【 】日

第3条(対象口座) 金融機関名 【 】 支店名 【 】 預金種別 【普通・定期】預金 口座番号 【 】 相続開始日現在の残高(残高証明書記載額) 金【 】円

第4条(請求者の法定相続分) 請求者の法定相続分は【 】分の【 】であり、その根拠は別添の戸籍謄本一式及び法定相続情報一覧図のとおりである。

第5条(払戻請求額の算定) 本請求における払戻請求額は、次の計算式による金額とする。 相続開始時預金残高【 】円 × 3分の1 × 請求者の法定相続分【 】 = 金【 】円 ただし、法務省令に定める上限額(同一の金融機関につき150万円)を超えるときは金150万円を上限とする。 本件請求額 金【 】円也

第6条(添付書類) 一 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍)謄本一式 二 相続人全員を明らかにする戸籍謄本又は法定相続情報一覧図の写し 三 請求者の印鑑登録証明書(発行後【 】か月以内のもの) 四 請求者の本人確認書類の写し

第7条(払戻方法) 払戻金は下記口座への振込みにより受領する。 振込先 金融機関名【 】 支店名【 】 種別【 】 口座番号【 】 口座名義【 】

第8条(遺産分割における取扱いの確認) 請求者は、本請求により払戻しを受けた金額が、民法第909条の2後段の規定により、請求者が遺産の一部分割によりこれを取得したものとみなされることを確認し、将来の遺産分割協議においてその旨を申告する。

第9条(他の相続人への通知) 請求者は、本請求を行う旨を、判明している他の共同相続人【 】に対し、別途書面で通知する。

第10条(表明保証及び責任) 請求者は、本請求書の記載事項が真実かつ正確であることを表明し、記載内容に虚偽があったことにより金融機関又は他の相続人に損害が生じた場合、その一切の責任を負う。

以上

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 相続人(請求者)の立場からの書き換え

A-1. 葬儀費用や当面の生活費に充当する必要がある場合

追加条文例:「請求者は、本請求に係る払戻金を被相続人の葬儀費用及び請求者の当面の生活費に充当する予定であり、その使途の概算内訳を別紙のとおり金融機関に提出する。」 一言解説: 民法909条の2の払戻し自体に使途の証明は法律上要求されていないが、他の相続人との後日の紛争を避けるため、使途の概算を書面化しておくと遺産分割協議での説明がしやすくなる。

A-2. 複数の金融機関から払戻しを受ける場合の按分

追加条文例:「請求者は、本件と同時に【他の金融機関名】に対しても同様の払戻請求を行っており、両金融機関からの払戻合計額が民法909条の2の計算式による上限額を超えないことを確認した。」 一言解説: 上限150万円は金融機関ごとに適用されるため、複数の金融機関に口座がある場合は各行での計算式上の上限と150万円の上限のいずれか低い方が適用される点を請求者側で整理しておく必要がある。

A-3. 他の相続人と連絡が取れない、又は対立している場合

追加条文例:「請求者は、他の共同相続人【 】と連絡が取れない状況にあるが、民法909条の2の払戻請求は単独で行うことができるため、当該相続人の同意書は添付しない。ただし、払戻し後は速やかに払戻しの事実を通知する。」 一言解説: 単独払戻し制度の趣旨は他の相続人の同意なく行使できる点にあるため、対立や連絡不能の場面でこそ制度の意義が大きいが、通知を怠ると後の遺産分割協議で不信感を招きやすい。

B. 金融機関の立場からの書き換え(受付確認書として使う場合)

B-1. 払戻し可否の確認条項の追加

追加条文例:「当行は、請求者提出の戸籍謄本等の資料により法定相続分を確認し、民法909条の2及び法務省令に基づく上限額の範囲内であることを確認したうえで払戻しに応じる。上限額の判定に必要な限度で、当行所定の残高証明書発行日を基準日とする。」 一言解説: 金融機関側は請求書をそのまま受理するのではなく、自行の内部確認手続(基準日の設定、資料の真正性確認)を明記した確認書に差し替えることが実務上多い。

B-2. 家事事件手続法上の保全処分との区別条項

追加条文例:「本払戻しは民法909条の2に基づく単独払戻しであり、家事事件手続法200条3項に基づく家庭裁判所の審判を伴う仮払いの申立てとは異なる手続である。両手続を併用する場合、当行は家庭裁判所の審判書の提示を別途求めることがある。」 一言解説: 家裁の保全処分による仮払いは上限額の定めがなく審判で認められた額を払い戻せる点で民法909条の2の制度と異なるため、金融機関側は請求者がどちらの制度によっているかを明確に区別して受け付ける必要がある。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面・使ってはいけない場面 本書式は、相続開始後、遺産分割協議がまとまる前に、葬儀費用や当面の生活費、被相続人の債務の弁済などのために相続人の一部が単独で預貯金の払戻しを受けたい場面で用いる。他方、法定相続分の計算に争いがある場合や、相続人の範囲そのものに争いがある場合(認知の訴えが係属している場合等)には、単独払戻しの前提となる法定相続分の確定ができないため、本書式をそのまま使うことは適さない。そのような場合は家事事件手続法200条3項に基づく保全処分の申立てを検討する余地がある。

根拠法令 民法909条の2は、2019年7月1日施行の相続法改正により新設された規定であり、各相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始時の債権額の3分の1に当該相続人の法定相続分(民法900条・901条)を乗じた額について、他の共同相続人の同意を得ることなく単独でその権利を行使できると定める。ただし、同一の金融機関に対して行使できる金額には法務省令で定める上限(150万円)があり、この上限を超える資金需要がある場合には家事事件手続法200条3項の保全処分による仮払いの制度を利用することになる。民法909条の2後段は、払戻しを受けた金額について当該相続人が遺産の一部分割によりこれを取得したものとみなす旨を定めており、後の遺産分割協議における精算の基礎となる。

実務でよくある失敗と対策 第一に、複数の金融機関にまたがる払戻しを行う際、金融機関ごとの上限額と計算式上の上限額を混同し、必要以上の金額を請求してしまう失敗がある。A-2のように各行での按分関係を整理しておくことが対策となる。第二に、払戻しを受けた事実を他の相続人に知らせないまま遺産分割協議に臨み、払戻し額の扱いをめぐって協議が紛糾する失敗がある。A-3・第9条のように速やかな通知を制度化しておくことが対策となる。第三に、法定相続分の算定を誤り、代襲相続や数次相続が絡む複雑な事案で相続分の割合を誤記してしまう失敗がある。戸籍謄本一式と法定相続情報一覧図を確実に取得し、相続関係説明図を作成したうえで請求書に反映することが対策となる。

法定相続分の算定や、家事事件手続法上の保全処分との使い分けについては個別の事情によって判断が分かれるため、個別事案は専門家(弁護士・司法書士等)に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍)謄本一式を取得したか
  • [ ] 法定相続情報一覧図又は相続人全員の戸籍謄本を取得したか
  • [ ] 対象口座の相続開始時点の残高証明書を取得したか
  • [ ] 請求者の法定相続分を民法900条・901条に基づき正確に算定したか
  • [ ] 払戻請求額が計算式上の上限と150万円の上限のいずれか低い方の範囲内か確認したか
  • [ ] 同一の被相続人について他の金融機関でも払戻請求を行う予定があるか確認したか
  • [ ] 家事事件手続法200条3項の保全処分による仮払いとの使い分けを検討したか
  • [ ] 請求者の印鑑登録証明書及び本人確認書類を準備したか
  • [ ] 払戻金の振込先口座情報に誤りがないか確認したか
  • [ ] 他の共同相続人への通知の要否と時期を検討したか
  • [ ] 払戻し後、遺産分割協議書において払戻し額の精算方法を明記する予定があるか