保管制度で預けた遺言書の内容の証明書を請求する書式です。相続開始後の手続の流れと他の相続人への通知を整理します。必要事項を埋めるだけで短時間に整えられる書式です。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
遺言書情報証明書の交付請求書
第1部: 書式本文
遺言書情報証明書の交付請求書 (法務局における自筆証書遺言書保管等に関する法律第9条第1項の規定による請求)
- 請求年月日: 【年】年【月】月【日】日
- 請求先遺言書保管所: 法務局【支局・出張所名】遺言書保管官 宛(全国どこの遺言書保管所でも可)
- 保管番号(判明している場合): 【保管番号】
- 請求者の氏名: 【氏名】
- 請求者の住所: 【住所】
- 請求者と遺言者との関係: 相続人・受遺者・遺言執行者・その法定代理人のいずれかを記載
- 遺言者の氏名: 【氏名】
- 遺言者の出生の年月日: 【生年月日】
- 遺言者の死亡の年月日: 【死亡年月日】
- 相続人の範囲を示す書類: 遺言者の出生時から死亡時までの戸籍(除籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本又は法定相続情報一覧図の写し
- 手数料の額: 一通につき1,400円、収入印紙により納付
- 交付方法の希望: 窓口交付・郵送のいずれかを選択
- 他の相続人等への通知に関する確認事項: 交付を受けた場合、法務局から他の相続人・受遺者・遺言執行者に対し証明書を交付した旨が通知される点を了承する
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 相続人等の請求者側の記載パターン
A-1. 相続開始後、遺産分割に着手する前に内容を確認する場合 「請求者は遺言者【氏名】の相続人であり、遺産分割協議に先立ち遺言書の内容を確認するため、遺言書情報証明書の交付を請求する。」 一言解説: 遺言書情報証明書には遺言書の画像情報を含む内容全体が記載されるため、遺産分割の方針を検討する前提資料として活用できる。取得後は、証明書に記載された財産の表示と実際の登記簿・預貯金残高との照合を行い、遺言作成後に処分・変更された財産がないかを確認する作業が実務上重要である。
A-2. 受遺者として遺贈の内容を確認する場合 「請求者は遺言者【氏名】から【財産の表示】の遺贈を受けるとされている受遺者であり、遺贈の対象及び条件を確認するため本証明書の交付を請求する。」 一言解説: 受遺者は相続人でなくても関係相続人等として請求できるが、遺言者との関係を示す資料(遺言書の写し等が入手できない段階では戸籍等)を求められる場合がある。
A-3. 家庭裁判所への提出書類として取得する場合 「本証明書は、遺産分割調停の申立てに際し家庭裁判所へ提出する資料として取得する。」 一言解説: 遺言書情報証明書は遺言書保管法11条により検認手続が不要とされているため、家庭裁判所の検認済証明書に代わる資料として、そのまま登記や金融機関手続にも利用できる。
B節: 法務局側の対応パターン
B-1. 交付後の通知事務の案内 「請求者に遺言書情報証明書を交付したときは、遺言書保管官は、当該遺言書に係る他の相続人、受遺者及び遺言執行者に対し、遺言書を保管している旨を通知する。」 一言解説: 遺言書保管法9条5項に基づくこの通知により、請求者以外の関係者にも遺言の存在が知らされる仕組みとなっており、相続人間の情報格差が生じにくい制度設計になっている。
B-2. 保管番号不明の場合の検索対応 「保管番号が不明な場合であっても、遺言者の氏名・生年月日等から遺言書保管ファイルを検索し、該当があれば証明書を作成する。」 一言解説: 事実証明書の交付を先に受けていれば保管番号が判明していることが多く、手続をスムーズに進められる。
B-3. 証明書の記載事項に関する案内 「本証明書には、遺言書の画像情報のほか、作成年月日、遺言者の氏名・出生年月日・住所・本籍及び保管を開始した年月日が記載される。」 一言解説: 遺言書そのものの原本は法務局に保管されたままとなり、返還されないため、内容確認は証明書を通じて行うことになる。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、遺言書保管法9条1項に基づき、法務局に保管された自筆証書遺言書の画像情報等を含む内容全体の証明書(遺言書情報証明書)の交付を請求する際に用いる。請求できるのは関係相続人等、すなわち相続人、受遺者、遺言執行者及びこれらの法定代理人であり、いずれも遺言者の死亡後に限り請求できる。手数料は一通1,400円である。
本証明書の最大の特徴は、遺言書保管法11条により家庭裁判所における検認手続(民法1004条)が不要とされている点である。自宅で保管された自筆証書遺言であれば相続開始後に家庭裁判所の検認を経る必要があるが、法務局保管制度を利用した遺言書はこの検認を経ずに、そのまま不動産登記や預貯金の払戻し等の手続に用いることができる。
本書式を使ってはいけない場面としては、遺言者が生存中である場合や、遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言(自宅保管等)について本証明書を請求しようとする場合が挙げられる。後者の場合は家庭裁判所での検認手続が必要であり、本証明書の対象外である。また、遺言書の内容自体に無効原因(意思能力の欠如、方式違反等)がある疑いが強い場合には、証明書の取得と並行して、無効を主張する側の相続人との協議や調停の準備も視野に入れる必要がある。
よくある失敗として、第一に、相続人の範囲を示す戸籍書類が不足したまま請求し、審査に時間を要する例がある。対策として、第1部10項のとおり法定相続情報一覧図の写しをあらかじめ取得し、戸籍謄本の束を都度提出する負担を減らすことが有効である。第二に、証明書交付により他の相続人等へ通知が及ぶことを知らず、単独で内容を把握したつもりが後日他の相続人から連絡を受け混乱する例がある。対策として、第1部13項の確認事項をあらかじめ理解し、請求前に他の相続人へ事情を伝えておくことが望ましい。第三に、遺言書情報証明書を取得したにもかかわらず、遺言の内容に不明確な条項があり、そのまま登記申請や金融機関手続を進めて補正を求められる例がある。対策として、証明書取得後に内容を精査し、条項の解釈に疑義があれば手続機関へ事前相談することが望ましい。第四に、複数の相続人がそれぞれ別個に証明書を請求し、通知が重複して届くことで混乱を招く例もある。対策として、代表相続人を決めて請求窓口を一本化し、取得した証明書の写しを他の相続人と共有する運用が望ましい。個別の事案については専門家(弁護士・司法書士等)に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 遺言者が死亡していることを確認したか
- [ ] 請求者が関係相続人等に該当するか確認したか
- [ ] 保管番号が判明しているか(不明な場合は検索を依頼したか)
- [ ] 相続人の範囲を示す戸籍書類又は法定相続情報一覧図の写しを準備したか
- [ ] 手数料1,400円分の収入印紙を用意したか
- [ ] 証明書交付により他の相続人等へ通知が及ぶことを理解しているか
- [ ] 窓口請求か郵送請求かを選択したか
- [ ] 家庭裁判所の検認が不要である旨を関係機関へ説明できる準備があるか
- [ ] 証明書取得後に登記・金融機関手続へ進む段取りを確認したか
- [ ] 遺言内容に不明確な条項がないか事前に確認する予定があるか
- [ ] 代表相続人による請求窓口の一本化を検討したか
- [ ] 遺言書の原本は返還されず証明書を通じて内容確認する仕組みを理解しているか