身体が不自由になった本人が預貯金や不動産の管理を委ねる書式。民法第643条の委任契約に基づき、代理権目録と報告義務を具体化します。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

財産管理等委任契約書

第1部: 書式本文

委任者(本人)〇〇〇〇(以下「甲」という。)と受任者〇〇〇〇(以下「乙」という。)は、民法第643条に基づき、次のとおり財産管理等委任契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(契約の趣旨) 甲は、身体的な理由その他の事情により、自ら財産の管理及び日常生活上の事務を行うことが困難であるため、乙に対しこれらの事務(以下「本件事務」という。)を委任し、乙はこれを受任する。

第2条(委任事務の範囲) 乙が処理する本件事務は、別紙代理権目録記載のとおりとし、次の事項を含む。 1. 甲名義の預貯金の管理及び払戻し 2. 定期的な収入(年金等)の受領及び管理 3. 公共料金、税金、社会保険料等の支払 4. 甲の不動産の維持管理に関する事務 5. 介護サービス、医療契約等の締結及び費用の支払

第3条(代理権の付与) 甲は、乙に対し、前条各号の事務処理に必要な代理権を付与する。乙は、本契約に基づき甲の代理人として行為することを証するため、委任状を携行する。

第4条(判断能力の状況確認) 本契約は、甲の判断能力が契約締結時点において十分であることを前提とする。乙は、甲の判断能力の低下を認めた場合、速やかに甲又はその親族と協議し、任意後見契約が別途締結されている場合には任意後見監督人選任の申立てを検討する。

第5条(財産の分別管理) 乙は、本件事務の処理にあたり収受した金銭その他の財産を、乙自身の財産と明確に分別して管理する。

第6条(報告義務) 乙は、甲又は甲があらかじめ指定する者に対し、【頻度(例:3か月に1回)】ごとに、収支の状況を記載した報告書を提出する。

第7条(報酬) 甲は、乙に対し、本件事務の報酬として月額金【報酬額】円を支払う。

第8条(善管注意義務) 乙は、本件事務の処理にあたり、善良な管理者の注意(民法第644条)をもって職務を遂行する。

第9条(契約の終了) 本契約は、甲の死亡、甲又は乙による解除の意思表示、又は甲について任意後見監督人が選任され任意後見契約の効力が発生した時に終了する。

【契約日】

甲: 【住所・氏名】 印 乙: 【住所・氏名】 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 委任者(本人)向けの修正

A-1. 特定財産の処分に対する事前承諾要件

追加条文例:「乙が甲の不動産を処分し、又は高額(【金額】円以上)の支出を行う場合、事前に甲又は甲があらかじめ指定する第三者の承諾を得なければならない。」 一言解説: 財産管理の代理権が広範であることに対する本人側の懸念に配慮し、重要な処分行為について承諾を要件とする歯止めを設ける修正である。

A-2. 複数受任者による相互チェック

修正後:「本件事務は乙〇〇〇〇及び乙〇〇〇〇の2名が共同して処理するものとし、金銭の払戻しには両名の署名を要する。」 一言解説: 単独の受任者による財産管理には不正のリスクが伴うため、本人側は複数受任者による相互チェック体制を求める修正を行う。

B. 受任者(親族・専門職)向けの修正

B-1. 緊急時の単独判断権限の確保

追加条文例:「甲の生命又は身体に危険が及ぶおそれがある緊急の場合、乙は前条の事前承諾を得ることなく、必要な措置(緊急の医療費の支払等)を講じることができる。」 一言解説: 事前承諾を要件とすると緊急対応が遅れるおそれがあるため、受任者側は緊急時の例外的な単独判断権限を確保する修正を行う。

B-2. 記録保存義務の明確化

追加条文例:「乙は、本件事務に関する領収書、通帳の写しその他の証憑書類を、本契約終了後【期間(例:5年間)】保存する。」 一言解説: 後日の説明責任に備え、受任者側が自ら記録保存の期間と方法を明確にすることで疑義を予防する修正である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、判断能力には問題がないものの、身体的な不自由や高齢による外出困難等の事情により、自ら金融機関での手続や公共料金の支払等の日常的な財産管理事務を行うことが難しい本人が、家族や専門職に事務処理を委任する場面で用いる。判断能力が既に低下している場合には、本契約のような通常の委任契約では本人保護として不十分であり、法定後見(補助・保佐・後見)の申立てを検討すべきである。また、任意後見契約と異なり、本契約には家庭裁判所が選任する後見監督人に相当する公的な監督機関がないため、受任者の権限濫用を防ぐ仕組みを契約上で工夫する必要がある。

根拠法令 財産管理等委任契約は、民法第643条に規定される委任契約(法律行為でない事務の委任については同法第656条の準委任)として構成される。受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務(民法第644条)を負い、委任者の請求があるときは委任事務の処理状況を報告する義務(同法第645条)を負う。委任は各当事者がいつでもその解除をすることができる(同法第651条第1項)のが原則であり、契約書上で解除の手続を定める場合であっても、この任意解除権を不当に制限することはできない点に留意する。財産管理等委任契約は、判断能力の低下前から利用できる点で任意後見契約と異なり、両者を組み合わせて判断能力低下の前後で切れ目のない支援を実現する「移行型」の契約設計が広く用いられている。

実務でよくある失敗と対策 第一に、受任者に広範な代理権を付与したまま監督の仕組みを何ら設けず、財産の使途が不透明になり、後日親族との間で使途を巡る紛争が生じる失敗がある。第6条及びA-1のように定期的な報告義務と重要な処分行為への事前承諾要件を設けることが対策となる。第二に、本人の判断能力が徐々に低下しているにもかかわらず、財産管理等委任契約のみで対応を続け、本人保護として不十分な状態が長期化する失敗がある。第4条のように判断能力低下時の任意後見への移行手順を明記することが対策となる。第三に、事前承諾を要件としたために緊急時の対応が遅れ、本人の生命・身体に危険が及ぶ失敗がある。B-1のように緊急時の例外規定を設けることが対策となる。

財産管理等委任契約における代理権の範囲や監督の仕組みは本人の状況や信頼関係により個別に設計する必要があるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。特に金融機関によっては、任意の委任状のみでは大口の預金払戻しや口座の解約に応じない場合があるため、事前に取引金融機関へ財産管理等委任契約の取扱い方針を確認しておくことが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 委任事務の範囲(財産管理・生活支援等)を代理権目録で具体的に定めたか
  • [ ] 受任者による財産の分別管理の方法を確認したか
  • [ ] 定期的な報告の頻度及び報告先を定めたか
  • [ ] 重要な処分行為に対する事前承諾要件の要否を検討したか
  • [ ] 緊急時における受任者の単独判断権限を明記したか
  • [ ] 報酬の有無及び金額を定めたか
  • [ ] 判断能力低下時の任意後見契約への移行手順を確認したか
  • [ ] 複数受任者を選任する場合の役割分担・相互チェック体制を検討したか
  • [ ] 委任の任意解除権(民法第651条)との関係を理解しているか
  • [ ] 証憑書類の保存期間及び方法を定めたか