海外取引・輸出管理の法務

中小企業が初めて海外と取引するときに必要な、日本法と国際ルールの最低限を体系的にまとめた特集。

海外取引の法務は「輸出してよいか(規制)」「どんな条件で売るか(契約)」「税と支払(関税・制裁)」の3層で考えると整理しやすい。本特集は、日本の中小企業・フリーランスが初めて海外と取引する場面を想定し、各層で最初に押さえるべき論点を1本ずつ解説する。

読む順番の目安

  1. 規制: 安全保障貿易管理の基礎 → 該非判定の実務 → 米国EAR → 経済制裁
  2. 契約: インコタームズ2020 → CISG → 準拠法・紛争解決 → 海外代理店・販売店契約
  3. 税・EC: HSコードと原産地規則 → 越境ECの法務

各記事の末尾に、その論点に対応する契約書・社内規程のテンプレート(β版・無料公開)へのリンクを置いている。

解説記事

関連テンプレート(β版・無料公開)

輸出売買基本契約書(和文)

海外の買主へ継続的に商品を輸出する取引の基本条件を定める書式。ウィーン売買条約(CISG)の適用関係、インコタームズ2020の危険移転、外為法上の輸出手続に対応します。

個別売買契約書(インコタームズ2020対応)

基本契約に基づく個別の輸出入取引ごとに数量・価格・船積時期を確定する書式。インコタームズ2020のFOB・CIF・DAP等の建値と、費用および危険の分岐点を明記します。

安全保障輸出管理規程

貨物の輸出や技術の提供を行う企業が社内の輸出管理体制と決裁手順を定める規程。外為法、輸出貿易管理令および外国為替令のリスト規制・キャッチオール規制に対応します。

輸出管理に関する誓約書

取引先や従業員から大量破壊兵器等への転用および無断再輸出を行わない旨を約させる書式。外為法のキャッチオール規制と輸出管理内部規程の運用指針を踏まえた文例です。

経済制裁・輸出禁止対象者スクリーニング手順書

新規の取引先や送金先が制裁対象に該当しないかを確認する社内手順書。外為法に基づく資産凍結措置、国連安保理決議の制裁リストおよびOFAC規制との照合方法を示します。

海外販売代理店契約書(和文)

海外市場で顧客紹介や契約媒介を行う代理店へ手数料を支払う取引の書式。代理権の範囲と贈収賄防止義務を定め、外国の代理店保護法制と国際裁判管轄の扱いを明示します。

海外独占販売店契約書(和文)

海外の販売店へ一定地域における独占的な再販売権を付与する和文書式。最低購入数量や競合品の取扱制限を定め、現地の代理店保護法制と通則法上の準拠法選択に配慮します。

海外OEM製造委託契約書(和文)

海外の工場へ自社ブランド製品の製造を委託する際の書式。品質保証と受入検査、金型や図面の権利帰属、製造物責任、輸出貿易管理令に基づく技術提供の該非確認を定めます。

海外ライセンス契約書(和文)

海外企業へ特許・ノウハウ・商標の使用を許諾しロイヤルティを受領する和文書式。外為法の技術導入契約に係る届出、源泉徴収と租税条約に基づく軽減手続を整理します。

国際仲裁合意書

国際取引の紛争を訴訟によらず仲裁で解決する旨を定める書式。仲裁法13条の書面要件、ニューヨーク条約に基づく承認執行、仲裁地・仲裁機関・使用言語の選択を規定します。

準拠法及び裁判管轄に関する合意書

国際取引の当事者が適用される法と紛争を審理する裁判所を事前に合意する書式。法の適用に関する通則法7条と、民事訴訟法3条の7が定める管轄合意の要件に対応します。

代金決済条件に関する合意書(T/T送金)

電信送金(T/T)による国際決済の前払割合や送金期限、送金手数料の負担を取り決める書式。外為法に基づく支払等の報告義務、為替変動時の価格調整と遅延利息を定めます。

越境ECの利用規約(和文)

海外の消費者へ直接販売する越境ECサイトのために用意する和文の利用規約。関税や輸入諸税の負担、返品と配送不能時の処理、通則法11条の消費者契約規律に配慮します。

海外向けプライバシーポリシー(GDPR対応・和文)

EU居住者の個人データを取り扱う事業者が公表する和文のプライバシーポリシー。GDPRの適法根拠とデータ主体の権利、EU域内代理人の設置と個人情報保護法の要請を反映します。